街道を歩く

日本の街道を歩き、その旅の思いを綴る

箱根八里と温泉の旅

2009-11-14 22:00:13 | Weblog
歩き遍路のお仲間と一年ぶりに小田原で再会した。“箱根八里と温泉”をテーマに企画を作り、3泊4日の歩き旅を挙行。まずは駅前の古い蕎麦屋で腹拵えをして小田原城を訪れる。ちょうど菊祭りの最中で、お城に彩りを添えていた。小田原から箱根湯本までは、国道と旧道が入れ替わりながらの約8Kmの道のりである。翌日は本格的な雨。幸い風がないので、傘をさしながら歩く。寄木細工で知られている畑宿からは、石畳の道が多く残されている。時代によりいくつかの箱根越えの道があったようだが、今回は江戸時代に使われた旧東海道を歩く。それにしても昔の人は、わらじでこのような石畳の道をよく延々と歩いたものだと思う。「箱根の山は天下の険、函谷関も物ならず-----」という歌の文句は大げさだが、その雰囲気はある。甘酒茶屋で甘酒をいただき、冷えた体を温めた。12KM強歩いて、芦ノ湖畔(標高750m)に出た。紅葉が真っ盛りである。昼食に“名物絹引きうどん”というのを食べたが、蕎麦のような感触もありとてもおいしかった。「昼なお暗き」の杉並木を通り、箱根マラソンのゴール地点に達して、この日の歩行は終わり。海賊船で芦ノ湖を渡り、対岸の桃源台に向う。あいにくのガスでほとんど湖面しか見えないが、それでも時折岸辺の紅葉が見えた。
翌日雨がやんだが、曇り空で気温が低い。箱根峠(846m)まで登り、それからはずっと下り道。こちらも石畳がよく保存されている。こちら側は、湯本からの登りと違って、あまり高い木々がなくて明るい感じがする。山中城跡で休息して、更にどんどん下る。三島の手前の錦田に約1Kmの松並木が保存されており、日本でも貴重な存在とのこと。ついに富士山は一度も見ることがなかったが、それはまた別の機会があろう。ゴールの三島大社は、伊豆国一ノ宮で奈良平安時代から記録にあるという。ここまで約17Kmの歩行。伊豆長岡に移動して、ご当地の老人向け保養所に泊まった。どの宿でも、温泉は湯加減がよく楽しめて、さすがに伊豆・箱根は温泉の地と実感した。最終日は、朝食前に近くにある江川太郎左衛門の韮山反射炉まで往復7Kmを有志で歩く。朝食前にこんなに歩いたことはめったになかったものだ。朝食後、再会を期して解散。無事に歩き旅を終えることができてホッとするとともに、いろいろ見聞し、楽しく過ごせた機会が持てて良かった。4日間の合計歩数は、98千歩。これで東海道のうち難関の箱根越えを終えたので、いつの日か、東海道歩きに繋げられたらと思ったりもしている。