人柱
内原村で、田の水を引く堰(せき)が止まらなくなったそうです。集まった内の一人が、人柱を立てたらどうかといったことから、いった本人が人柱にされてしまったそうです。その娘が猟師の嫁になったそうですが、一言も口をきかないので、猟師は離縁しようと嫁を連れて実家に向かったそうです。その途中に、猟師が鳴いた雉を撃つと、「口ゆえに父は渚の人柱 雉も鳴かずば撃たれまい」と嫁がうたったので、猟師は利口な嫁だとさとって連れ帰り、永く暮らしたそうです。似た伝説は各地にあるようです。写真は、元吉田の駐車場で見たキジのオスです。
地名譚
田野町に栗山という地名があり、その一部に金ポッパという地があるそうです。これは金堀場という意味で、このあたりでは砂鉄を掘ったという伝説があるそうです。
猿の恩返し
川又の浜辺で、貝に挟まれていた猿を助けてやった母親がいたそうです。ある日、母親が赤ん坊を浜において海藻採りをしていると、猿が子どもを抱えて山の木に登ってしまったそうです。猿は長いはじき棒を作り、赤ん坊を狙って襲ってきた鷲を射落としたそうです。そして赤ん坊を木から下ろして、射落とした鷲の羽の上に寝かせると山へ去っていったそうです。
折居(おりい)の泉
昔、代々男の子が育たない家があり、親戚一同で相談して神に祈ることになったそうです。親戚7-8人がその家に集まり、六根清浄(ろっこんしょうじょう)を唱えながら5日間祈り、最後の日の朝5時頃、皆で折居の泉へ行き、水をかぶって神社に参拝したところ、男の子が産まれて丈夫に成人したそうです。今なら批判の出そうな伝説ですが、昔の話には時代背景などに気を配ることがだいじだと思います。
荒沢不動
東前(とうまえ)で、昔、伝染病がはやったとき、どこからかやって来た大工が彫った30貫(100kg超)の不動を若者が担いで「荒沢不動が参った」と大声で叫びながら土足のままですべての家にあがって回ったそうです。家々ではその不動尊をさわって拝んだそうです。すると、病気は村を去っていったそうです。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます