丸い傘型で、四方に柱のあるあずまやの屋根を下から見上げると、中央が色々あって面白く感じます。たぶん、はじめは傘型で、屋根の中心部分から柱が出るのが普通だったのでしょう。それが、四方に柱を立てるようになると、屋根中心部の柱のあった部分に、変化を工夫するようになり、色々な形が出てきたということなのでしょう。上の写真の形が、たぶん本来の形なのでしょう。善重寺(酒門町2096-2)にあったあずまやです。
仏性寺(栗崎町1984)
屋根中央で少し下がって出ている部分を、真束(しんづか)というそうです。これが一番多い形のようですが、かつての柱を少し残して、強度と装飾を兼ねたものとしているように見えます。
森林公園(木葉下町588-1)
これは、真束の下に、それを補強する梁(はり)をつけているようです。大きなあずまやの場合などにするのでしょうか。
偕楽園(常盤町1-3-3)
真束の部分を四角い板でおおい、周囲を丸太で囲んで装飾的にしています。
茨城県立歴史館下段庭園(緑町2-1-15)
これは上の技法をさらに装飾的にしたようで、四角の部分をさらに五つ割りにして、網代(あじろ)編みと細竹の二つ割りなどを貼っているようです。
七ツ洞公園(下国井町2243)
少し見えにくいのですが、真束が、外側にのびる垂木(たるき)の数である6つの、六角形になっています。目立ちませんが、大工さんの腕の見せ所なのでしょう。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます