日本一周川下り

カヌーで全国一級河川を中心に川下りをした旅日記。
日本一周の楽しいやり方等、カヌーとは無関係に楽しめるでしょう。

 同 【2003年 8月 3日】

2006-10-24 04:15:23 | Weblog
《移動》

 早々に、片付けて、出発!先ずは「後志利別川」(読めますか?)上流をセッティング。が、着いてみるとまだ、遥かなる山の中、暫く下ると、何と大きな「美利河ダム」が右手に見えた。『ワオー、すげー大きなダムだ。これじゃ水がにゃー(無い)わ~?』暫く下ると今金町に着いた。
 ガソリンが無くなったので、給油。『幾ら?』 『110円!』 『高いなぁ!』とつい口から飛び出した。今まで、三桁は無かったのだから無理も無い。『仕方ない、入れて!』 『お茶でも飲んで行かれませんか?北海道の地図を上げますから・・・。』事務所へ入って、コーヒーをご馳走になり、道南と道北の地図を戴き『道東は切らしているので、どこかで貰ってください。ホクレンには、置いてますから。』 あいにく雨は本降り、車も通っていない、客も来ない。北海道の話、日本一周の話等暫く話していたが、川のことは残念だがご存知無かった。

 そこから、少し走り、町へ入ると、「おとり鮎あります」の看板、鮎関係の人は川を良く知っておられるから、尋ねた。が、あいにくの日曜日カーテンが下りているけど、中に電気はついている。ガラス戸をノック!2回ほど叩いたら、ご主人が出てこられた。
 『折角のお休み中、申し訳ないのですが、お尋ねしたいのですが?』私の車を一生懸命見ておられて、『あぁ、何ですか?』 『川のことなんですけど、』と、言うとすぐさま、『これあげましょう』と、「後志利別川」のマップを下さって、『ここは清流日本一を15回の内7回も取っているほど綺麗な川ですよ!』 『えっ?それはすごい!私の福山の芦田川は中国地区ワーストワンを30年も維持してるし、全国区では、ワースト7,8位をキープしているんですよ!それはすばらしい川へ来させていただいたもんですね!』 『川下りは住吉橋の上に大きな堰があるから、その上流か、下流が良い。川面へは、あちこち降りれる。上流は中里橋から、今、話した堰の上までがすごく良い。が、熊が出るかも知れない。』 『熊に出会えたら、それはすばらしいことですね~。』 『鈴か、何かの鳴り物を持って行きなさいよ。』 『あぁ、はい、分かりました。』と、言っても、出来れば熊に巡り合いたいので、鈴で逃がしていたのでは、熊に逢えない。贅沢な考えだが、熊と合って、写真におさめ、それから、こちらが離れるか、向こうに逃げてもらいたい。無理かな?

 『下流は、海に近い兜野橋付近は野鳥の宝庫です。』 『そりゃーどっちも良いなー。』
 先ずは、上流へ行ってみよう。と、住吉橋から、堰を見に行き、そこから上流へ川土手の凸凹道を走るが、川面は中々見えない。どんどん進むが、どうも上架の適地が見つからない。ずーと行くと、牛が5頭飼われていて、その内の一頭が私のトラックが珍しいのかジーとこちらを見ている。右へカーブしているので、曲がると道に鉄線が張ってあり、紐が何本もくくり付けられている、おまけに両端にガイシがついている。『こりゃ、ヤバイ、電気が通っているぞ。』と、電線を跨いで通り、それを張っている主の所へ歩いて行く。表側は大きなお家。若いご婦人が出てこられて、事情を話すと、現場まで来られ、困った顔をされていたが、丁度そこへ、じいちゃんが出てこられ、『電気は通っていない。通れる道が、ベコの向こうにある。それを行けば大きな道へ出れる。』と、言う。公共の通路を個人的に使っているようなので、一言、言うべきかとも考えたけれど、言い合いしてる場合じゃないので、静かに引き下がり、Uターン。ベコのいる方向へもどったけれど、聞いた道は草ぼうぼう、下手に入り込んだら、またまた大変なことになりかねない。『エイ、畜生、しゃーない、戻れ!』と、元の住吉橋まで、凸凹の土手を戻ることにした。道々、考えたが、熊も良いけど、水かさがあり、カヌーがしっかり走れるところでの遭遇なら良いけど、もし、浅瀬で、遭遇したら、熊の足は早いから、逃げられない、もしそんなことでも有ろうものなら、これはちとヤバイ!など、私に似合わず、マイナス部分を考え、『熊は止めた。鳥にしよう。』と、下流に変更。

 今金大橋から、下流へ下見に向かうが、有りそうで中々上陸地点が見つからない。ほとんど海まで、行ったが海近くの兜野橋近辺は斜め護岸で、上陸が難しそうだし、距離がありすぎるので、上の真栄橋にしようと一つの候補に、また、その上の豊田橋はどうかと見に行く。
 河川敷に下り、川面の方へカーブを曲がった。『アッ、ヤバイ!』ぬかるみだったのだ。『やったか?!』と、急ぎ、バック!ズッ、ズズー!前へも、後へろも動けない。2駆の情け無さ、はまり込んでしまった。深追いは禁物、しゃーない!助けを頼もう。ガソリンスタンドに頼もうか、どうしようかと考えながら、MTBを降ろし、どこか電話をかけるか、人を見つけるか、しなければ、なにさまここは北海道の川原、人も、家も、車も少ない所、歩いたらどれほど時間が掛かることやら、と自転車で土手まで上がる。何とすぐ側に一軒のお家、ふと見ると庭を人が歩いている。

 『おっ、ありがたい。人がいる!』と、そちらへぐるーっと回って、中へ入る。『こんにちは!これこれしかじかでなんですけど、引っ張って戴けないでしょうか?ロープはありますので…。』ここの奥様のようだ。『あぁ、それは大変だ、今、父さんが出て行ったばっかしで、すぐ帰るけど、どこ、行ったのかな?』と、電話で探して下さるが、行方不明。『トラックターはあるから、運転は出来るし、引っ張れるけど、私はやったことが無い。』 『あぁ、大丈夫ですよ。出来ます。出来ます!お教えしますから…。』こちらは必死だ。彼女『急ぐんでしょう!』 『まあぁ、どちらかと言えば、早い方が良いのですけど…。』、彼女、トラックターへ乗って下さった。

 川原へ着き、ロープをかけ、『ロープがピンと張ってから、引っ張り始めてください。』こちらも車に乗り、準備OK!彼女、ぐっと一気に引っ張る。ブツン!ロープが切れた。
 それを再度結んで、今度は『ロープをピーンと張らせてから、一編に引っ張らないで、ゆっくり、徐々に引っ張ってください。』と、言い方の表現を変えた。今度はその通りにゆっくり引っ張り、こちらも動き始め、ぐぐっと引っ張られ、脱出成功!安全な所まで引いていただき、やれやれだ!
津田さん
『ありがとうございました!』写真を撮らせていただき、お礼の手紙出すのにと『お名前だけでも?』 『津田です。』 『津田さんって、この辺、多いのですか?』 『いいえ、我が家だけです。』それなら、電話帳でも調べられる、地図を書いても届くと、思いながら、しっかりお礼を言って、深々と頭を下げた。

 これで安心と、川面まで歩いて行き、上陸地点の調査をする。少し高さは有るけど、この程度なら十分大丈夫、真栄橋よりははるかに条件が良い。『よ~し、距離は6、2kmと短いし、熊にも合えない、野鳥の宝庫でも無いけど、ここから下はトロ場続きになるから、ここまでが丁度良い。明日挑戦だ!』と、自転車を土手の表示板に固定し、「今金大橋」へ帰る。
 COOPで食料品を購入、今夜のご馳走は確保できた。

《今金大橋下泊》

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 同 【2003年 8月 2日】

2006-10-23 05:10:58 | Weblog

《三途の川》

 早朝から、恐山方向へ車が走っている。カラスの声は聞こえないで、ウグイスや土鳩だ。減量しようと自転車を降ろし、また、三途の川を渡り、着くと、もう車が数台来ている。早い人達だな?と感心し、側のお方に挨拶『おはようございます!』宮城ナンバーの宮田さん(仮名)。ご家族4人で、『父親をここと、ねぷたと岩木山へ連れて行くんです。』と、親孝行なお話。『岩木山は9合目位までケーブルで行けるので、後は簡単だし、独立峰だから、360度のパノラマが楽しめる』のだそうだ。『よ~し、帰りに、時間が有れば、私も行ってみよう!』

 恐山の開門は6時半、まだ時間はあるので、宮田さんと話をしたり、財布を取りに戻ったりし、入場料は500円也。
恐山の異様な光景


 順路に沿って、40分ほどの距離。異様な光景の連続、カラスがすごく多く、異様さを増幅させる、すぐ側へ行っても逃げない。ここへ来る人はカラスを脅かさないからだろう。硫黄の匂いは昨日この地に入った時からしているが、所々で噴出しているし、ボコポコあぶくを出している所もあり、テレビで見たことの有るかざぐるまがあちこちにカラコロ・クルクルと、回っている。噴気を出している所のお賽銭は硫黄で黒くなってしまっている。
恐山らしい沢山の風車
硫黄の噴気でお賽銭も・・・
 一回りして帰ると、宮田さんはまだ、いらっしゃった。『みやげ物買いたいけど店が7時半なので、待ってるんです。中にあった風呂、古くって、木造りで、良かったですよ。入場料に含まれているので、無料ですよ。』それを逃す手は無いと、タオルを取りに戻り、再度入場、受付でチケット見せれば簡単にOKだった。
無料温泉:石鹸は不可
 風呂では、先客が横浜ナンバーの74歳の横井さん(仮名)、と 千葉県から来られた、西野さん、のお二人、話が色々弾んで、楽しいお風呂。旅の楽しさは、どこでも初顔の人と話ができること、特に、一人旅は同行相手を気遣わなくて、マイペースで何でも出来ることなどで、実に気楽なのだ。「旅は一人に限る!」と言いたい。
 横井さんはご夫婦で軽四ワンボックスに冷蔵庫を載せ、車中で寝れるようにして、二週間の旅をしておられるとのこと。これは安価な長旅に最も良い方法だろう。 横井さんは、楽で、安くて、楽しい、最高の旅をしておられる。


横井さん(仮名)
 西野さんは、今まで仕事が忙しかったけど、やっと時間が取れたので、旅に出たとのこと普通車のやはりワンボックスで「マツダ」のキャンピングカーだ。『人生、仕事に追われているだけじゃいけません。折角、この世に生まれてきたのだから、人生を謳歌しなければ…。』と、彼も私と同じ意見と行動だ。
 心はゆったりとし、身はさっぱりとして、出てくると、まだ、宮田さんは居られた。が、開店準備が始まっていたので、もうすぐ、岩木山へ向われることだろう。私はそこで、お別れして、朝の食事を準備していると、ププーと鳴った、宮田さんの出発の合図、『楽しく、親孝行をして下さい!』と、祈った。

 三途の川は、正式名を正津川と言い、大畑町に流れているのだが、すごく綺麗な水で、宇曾利湖から流れ出ている。それほど美しい水の宇曾利湖にカヌーを浮かべないわけにはいかない、本当は泳ぎたい心境だが、気温は16~7度、ウエットスーツはあるけど、ちと冷た過ぎる。で、湖でのカヌーイングは今一面白くない、当然セーリング!
岩手県からの女性一人旅
 準備している所へ、車が入って来た。若い女性だ。どうもお一人の様子。気にしながら、準備万端整えて、『乗りませんか?』と、声を掛けた。それから、話が始まり、『岩手から来ました。』とのこと。北上川の話、越喜来の話、地震の話、等など。写真をお互いに写し合い、メールで送ります。で、お別れした。お名前も判らないまま、お別れしたが、彼女、キット、数日後写真を送って下さったのだろうけど、コンピューターウイルスが猛烈に入ってきていたので、うっかり一緒に削除してしまったようだ。「お礼も言えなくて、ごめんなさい!」

 それから、カヌーを出し、丁度、良い風、ビュンビュンに走る。水は実に綺麗だ。ダークブルー。熊野川より綺麗だ。ただ、硫黄分を少々含んでいるだろうけど、兎に角、すっごく綺麗だ。魚も生息しているそうだ。空が曇っていて、暗いから底までは見えないけれど、兎に角、深い色、お見事!ずっと沖出しし、左奥の原生林の近くまで行き、熊でも見れないかと楽しみに進んだけど、そう簡単に逢えるものではないのも分かっている。ボツボツ帰る方向へと進み始めた時、一転にわかに霧が降りて来て、陸岸が見えにくくなったと思いきや、全く見えなくなった。小さな湖なので、心配はないし、風の方角で、出廷した方角は分かっている。が、風がどんどんきつくなる。『オー、中々やるじゃん!』と、言うくらいまで、きつくなってきた。もし、彼女乗っていたら、きっと不安になったに違いない。小さな湖なので、波が立たないのが楽だ。ただ、今日は寒い。その対策はしないで、出ているので、もし間違って、沈でもしようものなら、後が大変だ。風上に上って行くと、本堂と地獄のあいだの緑の山が見え初め、本堂も見えた、自分の車も見え出した。霧も少し晴れてきた。1時間足らずのセーリングだったが、綺麗な水と丁度良い、風で、素敵で、楽しい宇曾利湖セーリングだった。これだから、セーリングカヌーは素晴らしい。色々な遊びができるんだから…。
宇曾利湖セーリング >
 片づけが終わった頃から雨になった、昨日、水汲みした所まで帰って、使った霊水を補給し、満杯で、大間へ向けてGO!

 本州最北の海岸線を雨降る中、ひた走りに走り、フェリー乗り場に到着。
 船は60分前に出たばかり、次の船は16時30分、何と4時間もある。では、では、と待合室で昼食を始めた。盆に乗っていると言えども、土鍋のままでご飯を食らい、丸ままのきゅうりにマヨネーズと塩を振りかけてかじり、トマトを丸まんまかじり、缶詰めをパコッと開いて、そのまま箸を突っ込む、こんな食べ方を、きっと待合室の皆さん驚かれたに違いない。へっへっへっへ!
 ここでまた、電源を借りて、整理。次々と体験する事象を、忘れない内にと、打ち込むのだから、幾らでも時間が必要だ。
 また、船の中でも電源借りよおっと。

 やっと、乗船時間が来て、乗り込む。昔は、テープが舞い、銅鑼(どら)が鳴って、出航風景には独特の雰囲気があったものだが、ごみ汚染の関係もあるのだろうし、そんな送り出しに水さかずき的な風情が必要でもなくなり、時間が来たら、ふいっと出航してるように、感じた。味気ないと言えば、味気ない。時代の変化だ。少々寂しい。
 乗船時間は2時間と10分。さあ、とPCを打ち始め、電池が切れた。電源借りようと思うが、部屋にコンセントが見えない。おかしいな?コンセントが無いはずが無いのだがと、2等船室見て回ったが、どこにも見当たらない。残念、無ければ仕方ない。眠ることにした。30分ほど横になっていたが、眠くないものは寝れない。起き上がって、地図を広げ、時間つぶしだ。後、30分ほどで函館に到着すると言う頃、奥側で寝ていた若者が、カーテンに隠れていたコンセントを示し、『借りたら!』と、薦めてくれた。が、一応、船員さんに許可を貰わないといけないので、もう時間も少ない故もあって、『あっ、そこにありましたか?見えなかったなぁ。あ、ありがとうございました。もう、時間が無いから、いいです。』と、礼を言い、始めに見つけられなかったことを残念に思った。

 右舷に、雨に霞んだ黒っぽい山が見え始め、バウ方向には都会の風景、まもなく北海道に着く。デッキへ出て写真を写す人もいる。荷物をまとめ始めた人もいる。甲板員は舫(もや)いロープを投げる準備を始めた。
 いよいよ、北海道の地へ足を踏み込む時が来た。福山を出てから、60日弱だ。長いような短いような、忙しい、楽しい、素敵な日々だった。これからまだまだ楽しみが、喜びが、美味しさが、いっぱい待ってくれている筈だ。さあ、上陸!

 ”は~るばる来たぜ~函館~!”が出てきてもよさそうだけど、そんな悠長なこと言っておれない。指示に従って、さっさと下船しないと、後には沢山の車が待っている。押されるようにして、船を、港を後にした。
 さてと、早速、寝所の捜索。船中で、ナビを見て、運動公園を見つけていたので、港から近い所をインプットしていた。
 さすが、函館、店も大きなのがある。それを横目に見て、進む、途中の「新ありかわ橋」の下には車が降りている。即、見に行く。「パークゴルフ場」とあり、市民が自由に出入りできる。それがまた、芝生が見事、駐車場の周りにも、同じ芝が綺麗に植えてあり、何とフカフカのベッドになる。ありがたいね。こんな素敵な所が広々として、有るなんて、ここに、決・め・た!

 次は今夜の食事、途中で見つけていたビッグショップへ向かう。ここは何とパチンコ店から、子供のゲーム店、食品・薬・衣料・みやげ物・靴もめがねも、兎に角、何でも揃う、今まで色々な郊外型のショップを見てきたけど、ここまで店を揃えている所は初めてだ。大きな駐車場も、満杯。止めれる所をずいぶん探した。空いていないのだ。
 函館と言えば、イカ。イカと言えば、今がシーズン。当然、イカがどっさり並んでいる。夕刻なのでさばいてしまいたいからなお安い、5ハイで198円。と言っている。欲しい、でも、1ハイ程度しか食べれない。冷凍庫が有れば買って置くのだが…。
 結局、今まで食したことの無い、秋刀魚の糠漬け、95円也を買った。もう一品、ニシンの糠漬け¥98も美味しそうだったので、どちらにしようかと迷ったけど、両方は食べられない。

 泊地に帰り、テント設営中、白いワンボックスカーが3台入ってきて、若者たちが何やら準備、雨模様だから、バンドの練習でもなさそうだし、非常に静かに行動している。薄気味悪いほど静かだ。こちらはこちらで、秋刀魚を焼いて、美味い夕食、美味い純米酒。北海道の初夜、幸せだな~!
 白い車達は、ブルーシートで三台を覆い、話し声が少~し、たま~に聞こえるが内容は分からない、笑い声はしていない。何だか、例の白い車・白いシートの騒ぎのことが頭をよぎった。9時半ころ、急に静まり返った。「こと」と音も・声もしなくなった。
 その後、こちらも寝入った。

 朝、4時頃目が覚めた。ブルーシートは、夕べと変わっていない、まだ静かだ。何ら物音がしない。変なの?!それにしても、何だか行動が辺だったな~?何か事件に関係していないのだろうか?まさか、集団自殺でも無いだろうな~?側へ行くのも何となく、気味が悪い。
 新聞社に言ってみよう。北海道新聞函館支局にTEL。『それは警察へ言って欲しい。番号は○○○。』そちらへTEL。『調べに行かせます。』との返事。長く感じたけど、暫くして、音を立てないように、静かに、ゆっくりとパトカーが近づく。やれやれ来てくれた。一人は向こうへ、一人はこちらへ。『通報してくれた人ですね。』 『はい』 『今、調べているけど、どうもバーベキューをしたらしいですよ!』 『えっ?そ、そんな?』 『バーベキューの道具やビールを飲んだ後があるから、』 『え~、それにしては静か過ぎたけどな~!』 『詳しくあちらで調べているけど、間違いないでしょう。』何と、結局は宴会だったようだ。それにしても静かな宴会だな?我々には、考えられない。確かに、今時の若者は、静かに飲んで、静かに、話をして、静かに寝てしまう。我々の若い時代、手拍子打って、大歌を歌い、大声で喋りまくり、時には、取っ組み合いもし、そこら辺でごろりと横になって、寝たものだ。余りに静かな宴会だったから、何だか、気持ち悪いような気さえしたのだが…。驚きだ!

《函館泊》

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 同 【2003年 8月 1日】

2006-10-22 04:25:41 | Weblog
《高瀬川》

番号 河川名 全長(km) 備考
16 高瀬川 64 不可

 ついに、8月になった。目が覚めたのは、3時前。眠りは何とか取れていそうだ。よ~し、バリュへ行こう。
 テントを開けると外は霧。50mも見えない。大丈夫かな~?
 ここは漁港に近い、一昔前なら、キット、霧笛がブウオー、ブウオーと低い音を鳴らしていただろうに、今はレーダーだから、霧の海でも平気の平左で走っているのかな?静かな、静かな霧の朝だ。
 町へ出ると、視界100mになっていた。やはり、川だから霧が多く立ったのだな。
 バリューで二時間ばかり、昨日のことなど打ち込んでいると、いつもと違う服装の若い男性がやってきて、『申し訳、無いのですが、長期のご利用は規約で、いけないことになっているので…』 『えっ、あっ、そうなんですか?昨日も一昨日も、お許しを受けて、居させていただいているんですけど…。』 『社内規約で…。』 『そうなんですか?それは残念!仕方ないですね。でも、ありがとうございました。すぐ、止めますので。』
 『やっぱり、無理か?誠に便利で、良かったのにな~!あちこちで、利用させて戴くつもりだったのになぁ。昼間にお客様が多い時は当然だが、早朝の人気(ひとけ)の無い時間帯、「枯れ木も山の賑わい」で、お店の賑わいのためにも役に立ってたと、私は思っていたのだけど、杓子定規に社内規約だと言われれば仕方ない、でも、お陰で、すごく整理が進みました。ありがとうございました。感謝していますよ!』

 と、店を出て、ねぐらへ戻り、一眠りしようか、それとも?と、考えたが、すぐ発つ事にした。眠くなったら、どこかで居眠りすれば良い。
 八戸市から、六戸町を通り、十和田市経由して、上流へ向う。
 コンビニでトイレを借り、朝食を済ませ。「奥入瀬渓谷」の名が見え始め、道の駅「奥入瀬」があった。ここでちょっぴり居眠り。

 売店には、地ビールの「奥入瀬ビール」があった。朝から、小さいピルスナーを「口に含んで、ゴックン!」、のど越しのラガーと違って、これはビールの味・香りを味わいながら飲むビール、色良し、香り良し、苦味良し、味わい中々に良し。
 『おっと、これでは、すぐには運転できないぞー!』で、「休憩所」を除くと、椅子・テーブル・コンセントが有る。やった!ここを利用させて戴こう。戴きま~す!
 90分程で、一応、整理が片付いた、ビールの影響も無くなったので、高瀬川上流へ向けて、出発!のつもりだったが、どうもおかしい、この当たりは川も狭く、深く、岩だらけ、カヌーが出来る状態では全くない。上りすぎたので、もう少し下流で上下架の場所を探すが、見つからない。また、ずっと下流でも、川幅も150mほど、非常に小さい川だ。で、おかしい、おかしいと思っていたら、これは相坂川で通称、奥入瀬川で、目的の高瀬川ではなかった。

 急遽、もう一つ北側にある高瀬川へタック(方向転換)。
 この高瀬川は変なので、地図で見るとずっと上流は高瀬川、中流は七戸川、それが小川原湖へそそぎ、その後、再び高瀬川となって、太平洋に注いでいる。その七戸川、見ると川も小さいが、川原は葦のジャングル、人の入れる状態じゃない、勿論川原へ降りる道も見えない。川沿いの道のほとりで、畑仕事している人に、『この辺で川原へ降りれるところありますか?』 『この上にある、でも、今、工事しているから、どうかな?』行ってみると、確かに工事しているし、下りることも出来る。但し、本流でなく「赤川」と言う支流だ。
 では、ゴールはと言うと、やはり高さ2m余りもある葦のジャングル。暫く下って行ったがやはり、ジャングル。降りれない。『エーイ、止めだ!無理だ!』そんなことで、結局、この高瀬川は止めた、次。高瀬川と言えば、森鴎外の有名な小説と同じ名前だから、やりたかったのだが…。
 では、どうするか?よーし!北海道へ行こう。と、バウを青森へ向けた。が、暫く走っていて、ふと考えた。『待てよ、ここからだと一度は行ってみたいと思っていた恐山へ行って、大間から、函館へ渡り、帰りに青森へ着いた方が効率的だ。』と、バウを恐山へ変えた。丁度、県道8号線を北上中だったから、左へ折れないで、そのまままっすぐ、北へ向かって、GOだ!

 今日は天気が非常に良く、風も無く、野辺地町(読み方をご存知?私は今まで「のべち」と、思っていたが間違っていた。「のへじ」が正しかった。)から、陸奥湾のゆるい弓なりになってる海岸線がくっきりと見えるし、海は鏡のように真平、晴天の今日、泳ぎたい気分だが、ままよ、と我慢して、そのままどんどんと北上。
道端に立つ角巻きしてもらった石仏達
 むつ市の街を過ぎ、恐山が近づき、山道に入ると、所々に石仏が立っていて、角巻きの様に顔に白い布が巻かれている。
 仏が寒かろうと、角巻きをしてあげるのだそうだ。
 恐山の近くまで来た頃、道路沿いに、フキが沢山生えていて、大きな葉が見える。やった!これ、今夜のおかずにしようと数本、太いのを刈り取った、普通は葉も戴くのだが、今日は旅の最中、葉は切り落とした。

 暫く進むと、何と霊験新たかな水がどうどうと流れ落ちている。先ほど、十和田の道の駅「奥入瀬」で水道水を少し汲んでいたけど、そっくり入れ替えて、全てのタンクやボトルを満杯にした。これで、暫く水の心配は無くなった。

三途の川の渡り口の石仏
 恐山に到着したのは、もうほんのりと暗くなりかけていた。
 日本三大霊場の一つ恐山本殿から500m程手前、三途の川を渡るまでの宇曾利湖畔の駐車場に今夜の泊地を決めておいて、三途の川を渡り、あの世に踏み込んだ。
 が、時間も遅いので、門は閉じられ、売店も終了、事務関係の人もいない。外の写真だけ撮って、
 隙間から内部を覗きこんでおいた。
あの世とこの世の境目だ

 また、三途の川を逆戻り、下界へ帰り、テント設営、「雨は降らない」と、確信はあったが、シートをかけた。まあ、こうしておけば間違いない。

 今日、道の駅「奥入瀬」で買った「ツルムラサキ」どんな味がするか、楽しみだ。
 早速、野菜炒めの準備にかかり、肉が無いので、シーチキンの缶詰め、キャベツ、たまねぎ、ニンニクとツルムラサキの軸や大きな葉を使った。他は、冷奴、ツルムラサキの細い軸や葉はおしたしに、そして、納豆。豪華な夕食だぞ~!
霊場入り口
仏像群
 ところが、ツルムラサキ、一寸粘りっ気があって、炒めたら、実に美味い。ベリーグーなのだ。ツルムラサキ、大いに気に入った。福山近辺でも育つのかな?
 そうそう、野生の蕗(ふき)硬くて、硬くて、食べれるような代物では無かった。蕗は苦味があって、大好きなのに残念!その後、聞いた話では、蕗は4、5月頃は柔らかいけど、夏になると硬くなるのだそうだ。

《恐山泊》

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 同 【2003年 7月31日】

2006-10-21 04:18:04 | Weblog
《馬渕川》

番号 河川名 全長(km) スタート地 ゴール地 難易度
備 考
16 馬渕川 142(内約26) 諏訪ノ平駅の裏 八戸大橋  易 易だが、一箇所強烈な瀬あり

 昨夜は早く寝たので、目が覚めたら、まだ、1時前。余りにも早すぎる。そうだ、マックスバリューへ行こう。整理が出来る。ありがたいお店だ。こんな店は絶対に流行る。懸案だったメールの返事や日々の記録や写真との整合等など沢山の用事をすることが出来、朝3時頃、そうだここは八戸だ、八戸と言えば漁港、漁港と言えば早朝の活気。活気と言えば港の食堂。と、連想がつながる。
 『よ~し、今日は魚市場見学をしよう!』

 6時半頃、バリューを出て、漁市場へ。4kmほどの所、すぐ着いた。不安を押さえ、中へ入る。別にとがめる人も居ない。変な目で見る人も居ない。やれ一安心!
 岸壁で、一塊になって、人が働いている。荷揚げだ。船にランプがいっぱいついているから、イカ漁の船だ。
イカ釣り船
大活躍の女性
新しい発泡スチロール箱の積み込み >
船から、何か声を出しながら、スチロール箱を送り出している。初めは何と言ってるか分からなかったが、段々耳が慣れて、「20」「15」「30」等と言っている。同じ箱なのに、どこが違うのだろうか?と、箱を見ると、「30」「25」「20」等と書かれてあり、それにマジックでチェックが入れてあり、それを読みながら、同じ数字の塊へ積みあげている。数字はイカの入っている数、「15」は大きなイカが15ハイ(匹)入っている事なのだ。だから「30」は小さいイカが30パイと言うことになる。
 若いお兄ちゃんが150箱~200箱、ほとんど一人で船から陸へ、勿論その船の中も船倉から出している人、そこから、お兄ちゃんに送る人、陸ではそれぞれの数字の箱を同じパレットに積み上げる人、パレットに50箱づつ積み込み、フォークリフトで運ぶ人、船名と数量を記録する人、明日のための新しいスチロール箱を準備している人、等など、船が着くたびに、その人たちがグループで移動しているのだった。

 一寸小型の船が帰ってきた。じいちゃんが船頭さんだ。港に舳先(へさき)を着けて、舳先から積荷をばあちゃんが送り出している。すごい!港の女は強いと言われているが、男女平等だろうし、ひ弱な人間じゃ、このスピードと重量をそして、100箱も200箱もの連続の送り出し、少々の体力じゃやっていけない。

 服装が違い、港の仕事していない様な人に聞いてみる、『あれはご夫婦でやってるんですね!奥さん、すごいね!』と、感心して聞くと、『あれは旦那が一人で乗ってるのよ、奥さんは船が着いたら、すぐに乗り込むのよ!』 『えっ、一人で乗ってるの?では、一人で釣って大きさを分けて箱詰め、一人でやってるの?』 『そうだよ、何でも一人でやってるのだよ!』 『すごい!そりゃ、すげー、たった一人じゃ~、猛烈に忙しいねー!一人で、こんなに水揚げしたんじゃな~、すんげー!今日は大漁じゃね~!母ちゃん、力が出るはずじゃわ!今日は祝杯で~!』 『あんな大きな船でも、100箱取れない時もある、が、この人は、今日は150箱位だから、おお大漁だね!』
超大ダコ"
ビッグなマグロがずらりと
 港に次々と船が入る。今はイカが最盛期、イカ船ばかりだ。が、市場には、たら、かつお、マグロ、フグ、かに、さわら、ひらめ、たこ、驚いたことに結構沢山のアンコウが上がっている、これは箱に裏返しに入れてあり、初めは何だろうかと暫く気が着かなかった程だ。なぜ、裏返しに入れてあるかは聞き忘れた。多分、想像だけど、アンコウは体が柔らかいから、大事なキモ(肝臓)をつぶさないためだろうか。

 車が魚置き場にバックで入って来る、荷は勿論、魚。ここの港じゃなく、他所の港で、近海漁をした船からの水揚げを運んできたようだ。イカ以外の色々な魚が運ばれてくるので、市場がにぎやかになる。アジや秋刀魚も少々いる。大きな「時無しの鮭」も結構いる。こいつはうまいんだよね~。刺身が抜群にうまい。川に上った鮭はえさを食べないから、身が細り味が落ちる、が、海の鮭はしっかり食べて、川へ上る準備をしているので、栄養たっぷり、油が載ってて、すごくうまい。一度食べたら、忘れられない味、福山でも探せば手に入るが、「おいそれ」とはいかない。以前、魚の卸元さんに直接お願いして、食べたり、他人に贈ったりしたが、すごく喜ばれた。値段も少し良いけど…。
 その後、せりが始まり、独特の声、独特のしゃべり、ましてや津軽弁(南部弁?)、何を言ってるか、数字でさえ分からない。暫く聞いていたが、邪魔になってもいけないので、去ることにした。

 目の前の、市場食堂へ行き、朝食を…。朝から、イカ刺定食など食べたのはひょっとして、初めてかもしれない。会計は500円也。安い!ありがたや、ありがたや。
 今度は函館か、小樽の港食堂で、イクラ丼やうにの山盛り丼の朝食に、ありついてみたい。テレビで見た、あれだ!

 さて、今日は馬渕川。大橋に帰り、テントを収納、MTBを川原の木に結わえ、上流へ。南部町の諏訪ノ平駅の裏、カヌーを降ろし、準備万端、OK! 一昨日、お願いしていた桃畑の横の所へ車を置かせて頂き、川面へ。と、言っても、ここは道から6m程ほとんど真下へ、急勾配をすべり降ろす。
出発地から見下ろす馬渕川 >
 前の流れは、岩がそちこち、あちらこちらに顔を出しているので、中々難しい出発地なのだ。

 1012:スタート。ここの岩だらけをクリアーすると後は問題なし。県道134号線の橋をくぐり、3km位下ると、堰があるとのこと、堰はポーテージしなければならない場合が多いのだが~~、水の落ちる音がする、見ると泡立ちが見えない、水平線が綺麗だから、問題の堰のようだ。が、今日は水量があるので、堰の幅全体から流れ落ちている。これなら問題ない筈だと、一気に突っ込む、GOOD!簡単に滑り降りた。わずかだが、こんな時が快感を覚える一時だ。
 暫くトロ場が続く。カモがいる。二羽が木の枝の陰に隠れている、こちらを見ている、おっと、面白い!今日はまたまた面白い光景を見せてくれた。それは、一羽は、逃げようか、隠れていようかと、うろうろ迷って、不安そうな目、もう一羽は顔を低くし、嘴まで水面に沈め、身体も幾らか沈めているように見える。水に隠れようとしている風情、このカモの目は比較的落ち着いて見える。カモのこんな目つきや姿、始めて見る事ができた。身を隠すこともするんだ。水とんの術だな。

 オニヤンマが先ほどからカヌーに止まる。写真を撮ろうとすると、逃げる。また、近寄って止まる、カメラ、逃げる。近寄る、逃げる。エイ、もう、止めた!
 水音が聞こえる。瀬だ。小さな瀬で浅いので、少しボトムを擦った。この程度はいつものこと。
醜い光景だ!
醜い光景Ⅱ
 どこの川でも見る風景だが、増水したときに、ゴミが流れる、それが回りの木に引っかかり、ぶら下がっている光景、誠に汚い。ビニール系が当然の多い。その、醜い光景2態。
 でも、水面に近いところで無く、ずっと上の方は緑が多く、時に露出した岩とが見事な景観をあらわしてくれることも多々あるのですよ~。
山の上は緑濃く美しい
 また、トロ場、左のうっそうとした大きな木からゴイサギが6羽飛び出した。続いて、数羽、続いて、いや、一斉に次々と飛び出した。右岸の木からも、飛び出した。なっ、なっ、何と150羽位が飛び出した。ゴイサギのコロニーだったようだ。150羽が一斉に同じ方向へ飛んでいる姿、中々壮観。見事な光景!これも見ることは珍しい。
 今度はカワセミだ。左岸から、一羽が50mほど先へ飛んで逃げた。続いて2羽目がやはり50m先へ逃げる。また、3羽目がその先へ逃げた。カヌーが下って行くので、また、川下へ逃げる。次々と3羽が皆、同じように、川下へ、川下へと逃げる。また、近づく、また、逃げる。面白いと言うか、当たり前だけど、鳥にして見れば、危険なものから離れようとするから、川下へ逃げるが、こちらは川下へ進んでいる。当然、また鳥は逃げなくてはならない。数回繰り返すと、川から離れて、陸の方へ逃げて行った!

 珍しく、雀が川辺にいた。雀は人家の近くにいるものだが、川筋での雀は珍しい。
 燕はよく川でも見る。が、今日のツバメはこれまた、珍しい行動。ツバメは普通、飛んでる虫を捕まえるのだが、水に落ちている虫を捕らえたのだろうけど、水面に3回も接して飛んで行った。3匹の虫をくわえて、巣の子供に持って帰った様だ。子供達への餌やりも見たくなった。3匹の子供に食べさせるのかな?それとも口を大きく開けた子に全部食べさせるのかな?キット後者だ。大きな口を開けたものが勝つ、これが自然界の掟・姿なのだから。
 それとも、水を汲んで子供に与えたのかな?それとも、自分が水を飲んだのかもしれない。

 大きな音が聞こえる。ゴーゴー言っている。これは少々の瀬ではないぞ~!やばいぞ~!立ち上がって様子を見るが全く先が見えない。水が白くはねているのは見えるが、先がさっぱり、見えない。落差が大きいので、見えないのだ。こいつは、100%ヤバイ!陸へ上がって見なければ、いけない。右岸に、川漁師さんの桟橋があり、そこから上がれた。
ヤバ~イ流れ!
真近では
 上に道路があり、瀬の上側近くへ行く、木陰の間から全ては見えないけれど、何と何と、これはスゴイ・ヒドイ、大きな岩がいっぱい突き出していて、それに水がぶち当たっていて、大きく白くなってはね上がり、岩はあちこちばらばらになっていて、通路は無い。コース取りが難しい、誠に難しい、暫く見て、『よ~し、あの、小さいしぶきと右の大きいしぶきのあいだを抜けて、下の岩の間を抜ければ、後は、何とかなるだろう、大丈夫、よ~し、あのコース!』と、決めて、行くことにした。道路沿いには「八戸水道○○」と看板が掛かっていた。

 カヌーに乗り込み、小さいしぶきと大きいしぶきを立ち上がって探すが、下からでは見えない。これでは駄目だ。』と、流れに抗して、川上へ戻る。流れながら、もう一度探すが、やはり見えない。『こいつは、やっぱり、ヤバイな~!あまりに岩が大きすぎるし、多すぎる。駄目だ、ポーテージしよう!』と、左岸へよせた。

 ここはもう少し水が少なければ、岩ばかりの所、担いで下りるしか出来ないだろう。逆に、もう10センチ水が多ければ、どこかに通れる場所が出来るはず。

 ここからはゴールまで瀬はほとんど無し。パドリングのみ。馬渕川は全体的に瀬が少なく、少ない流れのトロ場ばかり、兎に角、漕いだ。漕いだ。やっと、鉄橋と大橋が重なって見え出した。ゴールだ。
 橋をくぐって、右岸に数段の階段があったのだ、が見えない。斜め護岸だから難しいのだけど、早く終わりたい一心で、小さな木が生えている所へ強引に上がった。
 実は、ここから100mほど下流に予定していた階段はあった。

 1012:スタートで、ゴールが1627:だから、6時間と15分の奮闘、最長の川下りとなった。ここでは、鳥たちの新しい、珍しい生態を見せてくれたと言う大きな・大きな収穫があった。うれしい!実に、楽しかった!

 1時間26分でスタート地へ戻り、準備していると、軽トラが来て、話しかけてこられた。『どこから来た?』 『福山です!』 『おぉ、福山か?福山は行った事がある。昔、トラックに乗ってたからな、広島も行った。40年トラック乗っていたからな!』 『基地はどこだったのですか?』 『八戸!』 『じゃぁ、魚、運んだんですね。』 『ほとんどがね、それとか○○!』 『えっ?』 『漁具。船が置いて帰ったのを持って行く。』 『あぁ、なるほど!』等などその他、色々な話がこんなにスムーズには出来なかった。申し訳ないけど、度々聞き直す。それでも分かりにくい事がある、その時は仕方ない、分からないまま、話は先へだった。

 写真を撮らせて頂き、名前をお聞きする。『私はムネカタと言います。親父が弘前の生まれで、おじいさんが八甲田遭難事件の捜索に行ったのです。この辺に「宗片」の名前はありませんか?』 『無いな~、おじいさんが八甲田の捜索隊?』 『えぇ、弘前隊でした。お名前お聞かせいただけますか?』 『さわぐち!』 『沢口靖子さんの沢口さん?』 『そんだ!』一件落着!
沢口さん
 遅くなった。今日も同じ大橋の下で寝よう。そして、早めにマックスバリューで世話になろう。今日はたっぷり漕いだので、ご苦労ぶりに、カツオの刺身、四分一だ、どさっり有るぞ!300円でお釣りが来る値段。マックスは、ありがたい。後は、冷奴に蒸しナスにしよう。
 蒸しナス、と言っても、蒸し器を持ってきてる訳じゃない。以前、水に漬けて蒸しナス風にしたら、何だかやはり美味しくない。キット、美味しさが水に逃げるからだろう?では、どのようにして、蒸しナスを作れるか?と考えた。私は現在、川辺にいる。川には水がある、砂もある、小石もある、草もある、時に木切れもある。何かをどうにか利用したらきっと出来る。あなたなら、どうする?
 「考え中!」「考え中!」「考え中!」
 私はこうした!鍋の底に石を並べ、水を入れ、なすを石の上に置き、熱する、石がナスを水につけない中敷の役目をしてくれる。美味し~い蒸しナスのでき上がり~!
《八戸大橋泊》

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 同 【2003年 7月30日】

2006-10-20 05:18:16 | Weblog
《八戸市内で整理》

 寝心地が悪いので、ゆっくり寝ていたくない。早々に起きだし、片付ける。余り雨も降っていない。後はシートだけ片付ければ終ると、言う段になって、本降りになった。今まで、天気はいつも私の味方だったのに、今日は後5分待ってくれればグーだったのに、強い雨になり、びしょ濡れになってしまった。でも、もし寝心地が良くて、ゆっくりしていたら、雨水がたまって、天からは雨がどんどん降ってくる、下はたまる。そんな中で、テントの収容となると、もっと悪い状況になってたことだ。やはり、私の為に、色々なものが、私の都合の良いように動いてくれている。と言うことをここでも実感。

 すぐに上陸地の「長苗代」駅裏へ向かう。八戸市に入り、駅へ向かう途中に「大橋」にぶつかった。河川敷にわだちが見える。『やった!橋の下に入れる。よし、行ってみよう。』と、下りる。何と素敵な寝場所になるではないか。昨日、上陸地も見てみようかと思いながら、『まぁ、良いか!』と、止めたけど、結果論だけど、ここへ来ていればゆっくり寝れたに違いない。あぁ、残念。まあ、今夜はここにするべー。何とここまで、23km余りもあった。

 雨がきついので、カヌーは幾ら濡れるも当たり前とは言え、これほどの雨の中カヌーやってると頭がおかしいのじゃないかと疑われそうなので、今日は止めて、役所で、電源借りて、整理をしようと、役所へ向かった。まだ、6時半だ。まだ、2時間半は無理だ。

 と、「マックスバリュー」の矢印と24時間と書いてある看板。『おっ、ありがたい!』では、先ずは減量しておこう。店内には、97円均一コーナーに商品がずらり、同じフロアーで100円均一のダイソーもある。同じフロアーとは珍しいことだろう。
 トイレお借りしたのだからと97円を5点購入、見れば、休憩コーナーがある。レジ嬢に聞けば、『そこにもありますよ!』と、見れば自販機とテーブル・椅子がたくさん並んでいる。これまた、ありがたいことだ。ここでPC使おう。充電は二時間分くらいある。残量が後30分位になった所で、また、レジ嬢にお聞きした、『電源お借り出来ませんか?』 『どうぞどうぞ!コンセント有りますか?』 『有ります。あります!』 『どうぞお使い下さい。』 『ありがとうございます。』

 今、11時前、しっかり使わせていただいた。電気代も10円分位使ったかな?それにしても、大変助かりました『どうもありがとうございました。』これからは、できるだけ、マックスバリューで買い物するようにしよう。
 お昼をここの弁当コーナーで、寿司を買い、同じ休憩室で早めの昼食。
 夕食には、鶏の砂ずりも買い、野菜炒めをメインディッシューとした。

 塩と胡椒の塩梅が良くて、実にうまかった。「塩梅」じゃなく、「塩胡」かな?。
 そして、3本800円也で買っていた赤ワインの一本を開けた。ちょっぴりデキャンターをして…。旅中だけど、ワイングラスはちゃんと持参している。紙カップで、ワインや日本酒は勿論、ビールでも、飲むべきじゃないとこだわっているから…。
 ローソクの炎とで、ムードも良し、豪華な?夕食だぞ~。

《八戸、馬渕川大橋下泊》

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