日本一周川下り

カヌーで全国一級河川を中心に川下りをした旅日記。
日本一周の楽しいやり方等、カヌーとは無関係に楽しめるでしょう。

 同 【2003年 8月 5日】

2006-10-26 09:12:36 | Weblog
《尻別川》

番号 河川名 全長(km) スタート地 ゴール地 難易度
備  考
8 尻別川 126(内約16) 豊国橋 目名川合流地近く 中易 ここも清流日本一の川、強風で中断

 朝、準備していると、開発局の車、2人がこちらに向って来られる。『おはようございます。』 『日本一周ですか?良いですね!』 『私は金は無いけど時間だけはた~っぷりと有るので、これを何とか活用しようと、思い切って、出てきました。』 『私なんか金も時間も無いわー!』 『金は無駄金使わなければ、大分違いますからね。日本人金持ちになって、見栄っ張りをして、無駄金を使い、食いたいもの食いたいだけ食って、飲んで、吸って、病気になっています。馬鹿なことですよ!』 『そう言われてみると、そうかもしれませんね~!』 『日本人は金ばかり求めてるけど、私が貧乏してて、よく判るのですけど、金は人を決して幸せにはしない。むしろ、不幸にしますからね!』 『そうですね~、事件は皆金がまつわっていますね。わずかな金で、平気で人殺しやってますよね~。』と、言ったことから、やがて川の話、彼らは仕事で川を見て、回っているから、詳しい。で、昨日、後志利別川でヤマセミを見たという話から、舟林さんが、『この尻別川は今年で4年連続、「清流日本一」ですよ、ここでは、支流の「逆川」の手前で、ヤマセミのつがいを2組見ました。一羽だけのも居ました。最近も見たから、ここには住み家があり、いつも居ますよ。キット、今日、見つかりますよ。』と、話して下さった。

 心浮きうきで、945:出発。300mほど、下ると人が大勢いる、良く見るとカナディアンが並んでいる。1・2・3、ワオ-、9ハイだ。すごい!近づいて行くと、ツアーのダウンリバーのようだ。挨拶だけして、一歩先へゆっくりと下った。2つの瀬を下った所で、先行組みは後から来る人達を待っている。近くの人に、聞く、と『東京から来た』と、言う。驚いた。東京にはカヌーはいくらでもチャンスがありそうなものなのに…。でも、当然だが、こんな綺麗な川で、ひょとしてヤマセミに会えたなら、と、言う素晴らしい夢があるからだろう。
 向こうが聞き返す『カヌー、長いんですか?』 『16年くらい、今は、川下りしながら、日本一周してるんです。』と、言うとやはり、驚いていた。皆さんの到着を待っている訳にはいかない。
こんな状態の木があちこちにある
 ヤマセミ・ヤマセミ・ヤマセミは?と姿を追う。が見当たらない。見つからない。見えない。
 ヤマセミやカワセミが給餌しそうな枯れ木はたくさんある。

 大分下って来ると、トロ場になった。それだけなら、まだ良いけど、向かい風が出てきた。きつくなる。どんどんきつくなる。波も大きくなり、波高は30cm位ありそうだ。所々波頭が飛ばされ白くなっている。これを「ウサギが飛ぶ」と言うのだが、ウサギが飛び出すと、風力4以上、まだ、全面で無いので、4程度。カヌーのコントロールは効きにくい。もう大分来てるので、ゴールは近いがあと3km位だろう。見ると、川原に車が下りてきた。それなら大丈夫、舟も上げれる。『よし、ここまでにしよう。これ以上はきついだけだ!』と、岸へつけた。1153:着だった。期待の大きかったヤマセミにはついに会えなかった。
 後は自転車の所まで歩きだ。ここは川がぐるーっと回っているところだから、道へ出た方が直線で近道だ。土手に上がり、道路へ出て、少し歩くと目名川の橋を越えた。20分程で自転車の所へ到着。自転車では、追手の風で楽チンに車の所へ戻れた。

蘭越町からの山並み この蘭越町からは、羊蹄山が北東に見え、北にはニセコ連山の姿が堂々として見える。その間に、頂上付近の山崩れらしきくぼみが、茶色ぽく光って見える、○○ヌプリ『あれっ!教えていただいてたのに忘れた!』(後で地図を調べると「イワオヌプリ」だった)が、すごく美しく見える。昨日から晴天が続き、だからこの美い山々をはっきりと見ることが出来ました、ありがたい限りなり。
イワオヌプリ
 私がついてる天気の話、川では雨が多く、カヌーには喜びの雨、移動の時は晴天が多く、遠望が利き、北海道の雄大さや遠くの海岸線を遥か見渡せることが多く、不思議なほど絶対に、私はついている。太子さんのおかげかな?「人、天に順(したが)えば、天、人に和す」正にその通りだ。

 さて、次なるは石狩川だが、どこまで近づけるかは、出たとこ勝負で出発。
 夕べの「暮六つ」のご主人、『ぜひ積丹半島は回ってお行なさい!』と、言うお言葉。『最近はトンネルばかりで、綺麗な景色は見れないのじゃないですか?』と、お聞きすると、『いや、大丈夫!』と、保証・折り紙付きだ。私は若い時に2回の北海道訪問があるけれど、積丹は行っていないので、と、海岸線を回ることにした。ナビは近道選択だから、遠回りの場合は、中間地を入れてやらねばならない。
 先ずは、神恵内村へ。

 最初にぶつかった道の駅は岩内町の街中・ど真ん中にある。道の駅「いわない」、これは、『いわないでおこう、と、思ったけれど、いわないと判らないし、いわない訳にもいかないので、仕方なくいわせて貰うけれど、残念だが、お粗末な道の駅でした。お通りになった時はぜひお寄り下さい。トイレは良かったけど・・・。』
こんな風景がすっと続く積丹半島
 いよいよ、積丹半島巡り、トンネルは確かに多いし、工事があちらこちら、でも車が少ないので、移動は結構早い。道の駅「オスコイ!かもえない」にも寄るが、これも今一、魚の宝庫、積丹、サザエやあわびなどいっぱい並んでいる、と期待したけど、ここも期待はずれ。やはり、積丹は余り観光客が多くないので、所詮、こうならざるを得ない様だ。お上が作れと言ったから、仕方なく作っているだけ、と言う感じがしないでもない。
 途中、海水浴客が多いところの駐車場で、カヌー降ろそうかと迷っていたとき、道路工事のナビゲーターさんが、『私は若いとき、バイクで下関まで行きました。福山も通りましたよ。』と、話された。やはり、多くの方が、日本一周などにチャレンジしておられるんだ!『さぁ、私も目的達成に頑張ろう!』
 素通りではあったが、積丹の奇岩・奇勝をあちこちに見せていただき、そちらは十分に満足できた。50年余りの思いがやっと実現できた。大きく遠回りはしたが、やはり来て良かった。

 ニッカウイスキーで有名な余市町、へ到着。
 370円の余市川温泉があり、道の駅「スペース・アップルよいち」へ寄る。何と、宇宙飛行士の毛利衛さんが故郷、この道の駅には宇宙関係がいっぱい。体験ルームや宇宙食等など。一通り見せてもらい、奥側の第二駐車場へ行くと、いっぱいのキャンピングカー。今まで、道の駅へ泊まった事は無かったけれど、西野さんからは聞いていたけれど、こんなに沢山のキャンパーが利用しているとは…。びっくり!私も丁度良いところが空いていたので、今夜はここにしよう。風呂も久しぶりに入れる。
 群馬の人が声を掛けてこられた。『うらやましいですね。私もカヌー乗りたかった。今は脳梗塞やったので出来なくなった。』 『出来ますよ、車、運転なさるんでしょう!だったら、出来ますよ。カヤックは無理としても、カナディアンは出来ますよ。チャレンジしてください。』でも、気分はマイナスのようだ。なお、彼は昔トラックで全国を回っており、バスを改造し、6,7人が生活できるキャンピングカーを手作りしていた。すごい人がいるもんだ。

 誰でもやろうと思えば、何でも出来るものなのだ。初めから、出来ないと言う思いをしている人には、絶対に出来ないけれど…、ここの毛利さんも子供の時から、宇宙飛行士になりたいと思っていたから、なれたのであって、降って沸いた様に、名指しされるものでは絶対にない。まあ、買っていない宝くじ、絶対に当たることは無いようなものだ。
 今の子供達には夢が無いと言われているけど、夢が無くて、楽しい人生ある筈が無い、勉強にも身が入る筈がない。だから、今の子供達は暗い、下を向いて歩いている。悪いことをする。気持ちの持って行き場所に困っているのだろう。先生、親御さん、政治家さん、子供に夢を持たせてあげて下さ~い!
 キット、政治家にも、親にも夢が無いんだろうな~。金ばかり追い、幾ら追っても金は逃げるばかり。逆に、金は幾らあっても、キリが無い。有れば、無駄に使うだけ!

 金は人を幸せにはしてくれないよ。幸せだと一瞬思わせるだけ、後に残るはゴミと無駄とむなしさだけ。と、言うことが判るのは貧乏すれば判ります。私なんかは、ひしひしと感じている。貧乏でも、人一倍、幸せだぞ~!
 日本はもう一度、戦後のような苦しい時代を迎え、苦を知らないと、大変な国になるだろう。もう目の前まで来ているようには思えるけど…。
 ここ、余市のスーパーで珍しいものを見つけた。始めて見た。早速、買った。値も高くなかった。
 それは、ハマグリを薄くしたような大きさで、厚みが余り無い。貝殻はご覧の様に真白い。
白貝
 網焼きにした。パックリ殻を開いた。そのまま食べた。『うっ、うっ、うま~い!美味~!』残りは、味噌汁にした。これも当然うまい。今度また、買うぞ!夢と楽しみができた。たわいない夢だ。
《道の駅「スペース・アップルよいち」泊》

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