日本一周川下り

カヌーで全国一級河川を中心に川下りをした旅日記。
日本一周の楽しいやり方等、カヌーとは無関係に楽しめるでしょう。

 同 【2003年 8月 3日】

2006-10-24 04:15:23 | Weblog
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 早々に、片付けて、出発!先ずは「後志利別川」(読めますか?)上流をセッティング。が、着いてみるとまだ、遥かなる山の中、暫く下ると、何と大きな「美利河ダム」が右手に見えた。『ワオー、すげー大きなダムだ。これじゃ水がにゃー(無い)わ~?』暫く下ると今金町に着いた。
 ガソリンが無くなったので、給油。『幾ら?』 『110円!』 『高いなぁ!』とつい口から飛び出した。今まで、三桁は無かったのだから無理も無い。『仕方ない、入れて!』 『お茶でも飲んで行かれませんか?北海道の地図を上げますから・・・。』事務所へ入って、コーヒーをご馳走になり、道南と道北の地図を戴き『道東は切らしているので、どこかで貰ってください。ホクレンには、置いてますから。』 あいにく雨は本降り、車も通っていない、客も来ない。北海道の話、日本一周の話等暫く話していたが、川のことは残念だがご存知無かった。

 そこから、少し走り、町へ入ると、「おとり鮎あります」の看板、鮎関係の人は川を良く知っておられるから、尋ねた。が、あいにくの日曜日カーテンが下りているけど、中に電気はついている。ガラス戸をノック!2回ほど叩いたら、ご主人が出てこられた。
 『折角のお休み中、申し訳ないのですが、お尋ねしたいのですが?』私の車を一生懸命見ておられて、『あぁ、何ですか?』 『川のことなんですけど、』と、言うとすぐさま、『これあげましょう』と、「後志利別川」のマップを下さって、『ここは清流日本一を15回の内7回も取っているほど綺麗な川ですよ!』 『えっ?それはすごい!私の福山の芦田川は中国地区ワーストワンを30年も維持してるし、全国区では、ワースト7,8位をキープしているんですよ!それはすばらしい川へ来させていただいたもんですね!』 『川下りは住吉橋の上に大きな堰があるから、その上流か、下流が良い。川面へは、あちこち降りれる。上流は中里橋から、今、話した堰の上までがすごく良い。が、熊が出るかも知れない。』 『熊に出会えたら、それはすばらしいことですね~。』 『鈴か、何かの鳴り物を持って行きなさいよ。』 『あぁ、はい、分かりました。』と、言っても、出来れば熊に巡り合いたいので、鈴で逃がしていたのでは、熊に逢えない。贅沢な考えだが、熊と合って、写真におさめ、それから、こちらが離れるか、向こうに逃げてもらいたい。無理かな?

 『下流は、海に近い兜野橋付近は野鳥の宝庫です。』 『そりゃーどっちも良いなー。』
 先ずは、上流へ行ってみよう。と、住吉橋から、堰を見に行き、そこから上流へ川土手の凸凹道を走るが、川面は中々見えない。どんどん進むが、どうも上架の適地が見つからない。ずーと行くと、牛が5頭飼われていて、その内の一頭が私のトラックが珍しいのかジーとこちらを見ている。右へカーブしているので、曲がると道に鉄線が張ってあり、紐が何本もくくり付けられている、おまけに両端にガイシがついている。『こりゃ、ヤバイ、電気が通っているぞ。』と、電線を跨いで通り、それを張っている主の所へ歩いて行く。表側は大きなお家。若いご婦人が出てこられて、事情を話すと、現場まで来られ、困った顔をされていたが、丁度そこへ、じいちゃんが出てこられ、『電気は通っていない。通れる道が、ベコの向こうにある。それを行けば大きな道へ出れる。』と、言う。公共の通路を個人的に使っているようなので、一言、言うべきかとも考えたけれど、言い合いしてる場合じゃないので、静かに引き下がり、Uターン。ベコのいる方向へもどったけれど、聞いた道は草ぼうぼう、下手に入り込んだら、またまた大変なことになりかねない。『エイ、畜生、しゃーない、戻れ!』と、元の住吉橋まで、凸凹の土手を戻ることにした。道々、考えたが、熊も良いけど、水かさがあり、カヌーがしっかり走れるところでの遭遇なら良いけど、もし、浅瀬で、遭遇したら、熊の足は早いから、逃げられない、もしそんなことでも有ろうものなら、これはちとヤバイ!など、私に似合わず、マイナス部分を考え、『熊は止めた。鳥にしよう。』と、下流に変更。

 今金大橋から、下流へ下見に向かうが、有りそうで中々上陸地点が見つからない。ほとんど海まで、行ったが海近くの兜野橋近辺は斜め護岸で、上陸が難しそうだし、距離がありすぎるので、上の真栄橋にしようと一つの候補に、また、その上の豊田橋はどうかと見に行く。
 河川敷に下り、川面の方へカーブを曲がった。『アッ、ヤバイ!』ぬかるみだったのだ。『やったか?!』と、急ぎ、バック!ズッ、ズズー!前へも、後へろも動けない。2駆の情け無さ、はまり込んでしまった。深追いは禁物、しゃーない!助けを頼もう。ガソリンスタンドに頼もうか、どうしようかと考えながら、MTBを降ろし、どこか電話をかけるか、人を見つけるか、しなければ、なにさまここは北海道の川原、人も、家も、車も少ない所、歩いたらどれほど時間が掛かることやら、と自転車で土手まで上がる。何とすぐ側に一軒のお家、ふと見ると庭を人が歩いている。

 『おっ、ありがたい。人がいる!』と、そちらへぐるーっと回って、中へ入る。『こんにちは!これこれしかじかでなんですけど、引っ張って戴けないでしょうか?ロープはありますので…。』ここの奥様のようだ。『あぁ、それは大変だ、今、父さんが出て行ったばっかしで、すぐ帰るけど、どこ、行ったのかな?』と、電話で探して下さるが、行方不明。『トラックターはあるから、運転は出来るし、引っ張れるけど、私はやったことが無い。』 『あぁ、大丈夫ですよ。出来ます。出来ます!お教えしますから…。』こちらは必死だ。彼女『急ぐんでしょう!』 『まあぁ、どちらかと言えば、早い方が良いのですけど…。』、彼女、トラックターへ乗って下さった。

 川原へ着き、ロープをかけ、『ロープがピンと張ってから、引っ張り始めてください。』こちらも車に乗り、準備OK!彼女、ぐっと一気に引っ張る。ブツン!ロープが切れた。
 それを再度結んで、今度は『ロープをピーンと張らせてから、一編に引っ張らないで、ゆっくり、徐々に引っ張ってください。』と、言い方の表現を変えた。今度はその通りにゆっくり引っ張り、こちらも動き始め、ぐぐっと引っ張られ、脱出成功!安全な所まで引いていただき、やれやれだ!
津田さん
『ありがとうございました!』写真を撮らせていただき、お礼の手紙出すのにと『お名前だけでも?』 『津田です。』 『津田さんって、この辺、多いのですか?』 『いいえ、我が家だけです。』それなら、電話帳でも調べられる、地図を書いても届くと、思いながら、しっかりお礼を言って、深々と頭を下げた。

 これで安心と、川面まで歩いて行き、上陸地点の調査をする。少し高さは有るけど、この程度なら十分大丈夫、真栄橋よりははるかに条件が良い。『よ~し、距離は6、2kmと短いし、熊にも合えない、野鳥の宝庫でも無いけど、ここから下はトロ場続きになるから、ここまでが丁度良い。明日挑戦だ!』と、自転車を土手の表示板に固定し、「今金大橋」へ帰る。
 COOPで食料品を購入、今夜のご馳走は確保できた。

《今金大橋下泊》

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