日本一周川下り

カヌーで全国一級河川を中心に川下りをした旅日記。
日本一周の楽しいやり方等、カヌーとは無関係に楽しめるでしょう。

 同 【2003年 7月29日】

2006-10-19 02:57:22 | Weblog
《青森県へ移動》

 朝、目を覚まし、さあ、今日は岩手の北端の馬渕川だ。二戸(にのへ)市へバウを向けた。
 岩手県や青森県には「へ」が多い。「一戸」「二戸」・・・「九戸」など。二戸へ行く途中に一戸町があり、「北上川源流」の看板を通り過ぎた。『おっと、これは行くべきだ』とUターン。
 案内の矢印に沿って行くが途中で分からなくなり、道すがらお聞きする。まだ、先だった。ようやく、たどり着くと、立派な観音堂が作られていて、古来、北上川を大事にしてきた様子が伺える。
北上川源流の観音堂
左の説明文
新奥の細道のコーズ
 ただ、源流だから、岩の間から、ちょろちょろと水が流れ出ているものを想像したけど、もっともっと大事にしてきたのだと水の大切さを実感させられた。

 現代の人は、山も川も海も道も他人様の畑も大事にしない。でも、自分の車だけは中も外も綺麗にしている。間違っているぞ~!まだ、車がステータスと言う考えを持っているのだから、程度が低いぞ~!

 途中の道の駅「石神の丘」で不足の野菜を買い、その駐車場の端っこに、気になっている車が止まっている。それは、キャンピングカーだから、多分この近辺の車じゃないだろうと、近づいて見ると、何と佐賀ナンバーだ。『日本一周されているんですか?』とこちらから声をかける。『一周じゃないけど、北海道へ行っての帰りなんです。』 『それはすばらしいことされていますね、何人ですか?』 『4人です。』 『これだと雨でも、風でも平気だし、どこでも止められるし、良いですね。私は広島県から来てて、川下りしながら、日本一周をめざしているんですけど…。テントで寝ています。雨風の強い時は嫌ですね。佐賀ですか?そう言えば、佐賀の人とこの度、お二人にお会いしましたけど、佐賀の人は親切で、素敵な人が多いですね。』
 この4人とは、「70才代のご夫婦と60歳代のご夫婦の素敵な仲良し、」と、言った感じで、すばらしい旅を続けて居られる、これも非常に良い旅だ。

 二戸市着、11時だったが、朝が早かったので、昼食にする。文化会館と公園が隣合わせで、すぐ下を馬渕川が流れている。お昼の準備していると、公園の庭の手入れをしていた、おばちゃまが、『あら~、日本を一周してられるんですか?良いですね。私もしたいわ~!』と、うらやましそうに言いながら通られた。そうですね、時々お会いする人で、日本を巡りたいと言うお方は結構いらっしゃるし、その様な思いを持った人は、声を掛けて下さる。が、一様に、仕事や家族など色々な「しがらみ」があって、できないと言われる人がほとんど。できないと自分で決め付けると、それは「絶対に出来ない」。何とかできる方法を考えればキット見つかるのだけど、人間、あきらめないことだ。私なんかはどんなことでも、「どうしたらできるか!」と、無い知恵を絞って考える、考える、考える。自分の頭で足りない時は人の頭脳をお借りする。「三人寄れば文殊の知恵」だから。

 食後、下の馬渕川で流れはあるが、少しトロ場的になってるし、対岸の泥岩壁が綺麗なので、近くで見てやろうと、カヌーを降ろしていると、お一人が近づいてこられ、『川下りですか?私は前に、この馬渕川やったことありますよ。』 『えっ、それはありがたい、一寸教えていただけませんか?どこからどこまでやられましたか?カヤックですか?』と、矢継ぎ早。『ファルトのカナディアンです。ですから、駅から駅までを探したのです。スワノタイ駅の裏から、……』 『チョ、チョ、一寸待って下さい、地図出します。』と、地図に示してもらい、馬渕川等の情報を下さった滝沢さん正しい駅名などお聞きし、途中、堰が一箇所あること、金田一温泉には、「座敷わらし」が出ると言われている「緑風荘旅館」は予約で一年前から満杯の話、一番安い温泉「北陽荘」は350円だとか、情報たっぷり戴き、写真を撮らせて頂だいた。滝沢さん、『色々な情報ありがとうございました。』

 滝沢さんの従兄弟は「みちのくプロレス」の専務をやっていて、『彼の実家はすぐこの先で、サスケさん等も良く来られるよ!』と、言われる。私もプロレスは好きで、見ることは多いいし、サスケさん達は動きがすばらしいので大好きだ。さすが、みちのく、面白い、こんな話が聞けるとは想像だにしていなかった。

 滝沢さんと別れて、カヌーを降ろし、流れに逆らって、上って行く。その上流、瀬のところで鮎を釣っている。まだ、50mも先だ、にもかかわらず『こっちへ来るな、あっちへ行け!』と、大声を出している。『川はあんたのために有るんじゃない!』と、言い返した。カナディアンではこれ以上、上ることは難しいから、残念だが行かれないけど、カヤックだったら、足元まで上って言ってやるのに…。こんなの鮎釣り師の横暴だ。

 『全国のカヌーイストよ、ラフティンガーよ、鮎釣り師の横暴を許すまいぞ!川を使うことは誰でも自由に使える、平等だぞ!金は鮎釣るための金であって、川の独占権じゃないんだぞ!そして、彼等に言って欲しい、「吸殻やゴミを捨てるな!川を汚すな!川を大事にしろ!」』と。但し、釣り糸を切ったり、おとり鮎を逃がしたりしたら、半分はこちらにも責が生じるかもしれない。全て、こちらが悪いとも絶対に言えない。頑張ろう!
 遠慮しながら、小さくなって、川下りすることは無い、正々堂々、自由に!強いて、邪魔する必要は無いだろうけど…。そうして、鮎シーズンでも、堂々と川下りを楽しみましょう!

 対岸の泥岩は川底まで続いていて、それほど深くは無い、浅い所に黒い帯が動いている、魚だ!すごい群れで泳いでいる。飛び跳ねているのもいる。滝沢氏の話では、ウグイの子だそうだ。『そうだ、100円の網が有った、後で、すくって見よう。』
 この小さなウグイでも網を知っているらしく、ウグイの通路に網を沈めておくと、避けて通る。通るときは、一瞬の速さで通り抜ける。ここは我慢のしどころと沈めたまま、待つ、じっと待つ。暫く、すると魚も網に慣れたのか、以前よりはゆっくりと通るようになった。目掛けて、さっと上げた。かろうじて、2匹が網の中。虫めがねで観察。縦線が体側にそって入っている。鮎ともやはり体形が違う。長くなるといけないから、水に戻す。今度は上から、バサッとやった。数匹入っていた。勿論すぐ逃がす。以上でウグイの子と戯れるのは、終了。

 カヌーを片付けていると、近くの車に乗っていた若い男性がやはり声を掛けて来られた。彼は川が相当に好きなようで、目を細めて話をしていた。川が好きで、川の楽しさを知っているのだから、後はチャレンジするだけだ。タバコ止めて、無駄を省き、見栄を張らねば、カヌーなんて、安いんだからすぐ買える。どちらを犠牲にするかだ。当然、タバコや見栄や無駄を捨てるべきだ。「益なかりき」なのだから。

 よ~し、それでは、「諏訪の平」駅をめざし、本州最北の県、青森に向かって出発だ。岩手山ともお別れだ。青森と言えば、親父の生まれた所が青森県は弘前市。19歳のとき弘前には行ったことがあるけど、今回は計画には無い。まあ、北海道を済ませて、帰りに時間が有れば、寄ってみても良いかな?同じ寄るなら、祖父が例の「八甲田遭難事件」の時の捜索隊の何かの長をしてたそうだから、そのあたりを役所かどこかで調べてみるのも面白いだろうなぁ。

 1619:青森県へ入った。少し走ると、道の駅「さんのへ(三戸)」があったので、立ち寄った。福島の阿武隈川で貰ったり、買ったりした、ももが後一個になっているので、今度は「すもも」を買った。「すもももももももものうち」だから、まあ、同じようなものだけど…。あっ、正しく読めるね!
 東北へ来るまでは余り道の駅には寄らなかったけど、中々良い駅が多いのが解り、最近はあれば寄っている。道の駅はトイレと水場、休憩所が必ず24時間あり、トイレも最新のものが備えられ、洋式は勿論だが、時にウオシュレットがついている駅もある。これは大歓迎だ。尤も、私は、自作のハンディーウオシャーを持っているから、フィールドでも紙を使わないから、後処理が綺麗だし、自分も清潔だ。海や山、川へ行く人は、いや、皆さん、お家でも、ウオシュレットのついていないお家では、このハンディーウオシャーを使うと紙代不要、断然清潔、紙公害やトイレのつまりの心配も無くなるのだが…。

 「諏訪の平」駅裏の川沿いの細い道を走り、降ろせそうな所、探す。有った!だが、今までで一番きつい勾配だ。まあ、何とかなる。滝沢さんもやられたことだから…。よ~し、後は寝るところ、そこのすぐ近くで桃畑の入り口で少し広くなっている場所があり、奥に自転車が置いてある、人が居るはずだから、許可を戴こうと奥へ入る。
 『こんにちは! こんにちは!』と、大きな声を掛ける。倉庫の中にも人の姿は無い。さてと振り返ると、右手の方から人がこちらを見ていた。手を上げて挨拶し、近づいていく、彼は自分の仕事に戻る。
 側まで行き、『これこれしかじかなので、入り口のところに今夜テント張らして欲しい。明日、午前中の間、車を置かせて欲しい。』と、お願いすると、簡単に『あぁ、良いよ!』とのご返事。『ありがとうございます。』これで一安心だ!
 所が、その後、少し話していると、そこよりもっと良い所があるよ、と、教えてくださったので、そちらを見に行くが、見つからない。

 今日は久しぶりに肉ッケの物でも食べようかと店を探すと駅の手前に肉屋さんがあった。鶏のハートと豚の子袋、生しいたけを買いテント位置へ帰る。
 途中、明日の計画にとナビをセットしていたら、仕事終えた先ほどの人が帰る道すがら、『あの~、お教え戴いた所が分からなかったので、お願いしますね!』と、念を押した。行き過ぎて、戻ってきて、あそこも良いよ、と、他の所をまた言う。そして、先程の所をもう一度、詳しく教えて戴いた。どうも、一度は許可したが、やはり、自分のところでは都合が良くないので、他へ変わって欲しいと、言う思いからだなと察し、その場所へ行った。草地で広い。車も並べて置ける。一寸草が大き過ぎるのが難、まあ、今一だけど、仕方ない、『よ~し、じゃあ、ここにしよう。』
 所がここは草は生えているが、地面のアンジュレイションが悪かった、粘土質の土で、地表が波打ていて、初めにならしておけば良かったのだけど、やらなかったから、寝心地が一寸悪い。雨が降ったら、水がたまりそうだ。まあ、我慢するしかない。これも、勉強、勉強!

《諏訪の平駅裏の馬渕川沿いで泊》

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