日本一周川下り

カヌーで全国一級河川を中心に川下りをした旅日記。
日本一周の楽しいやり方等、カヌーとは無関係に楽しめるでしょう。

 同 【2003年 8月 1日】

2006-10-22 04:25:41 | Weblog
《高瀬川》

番号 河川名 全長(km) 備考
16 高瀬川 64 不可

 ついに、8月になった。目が覚めたのは、3時前。眠りは何とか取れていそうだ。よ~し、バリュへ行こう。
 テントを開けると外は霧。50mも見えない。大丈夫かな~?
 ここは漁港に近い、一昔前なら、キット、霧笛がブウオー、ブウオーと低い音を鳴らしていただろうに、今はレーダーだから、霧の海でも平気の平左で走っているのかな?静かな、静かな霧の朝だ。
 町へ出ると、視界100mになっていた。やはり、川だから霧が多く立ったのだな。
 バリューで二時間ばかり、昨日のことなど打ち込んでいると、いつもと違う服装の若い男性がやってきて、『申し訳、無いのですが、長期のご利用は規約で、いけないことになっているので…』 『えっ、あっ、そうなんですか?昨日も一昨日も、お許しを受けて、居させていただいているんですけど…。』 『社内規約で…。』 『そうなんですか?それは残念!仕方ないですね。でも、ありがとうございました。すぐ、止めますので。』
 『やっぱり、無理か?誠に便利で、良かったのにな~!あちこちで、利用させて戴くつもりだったのになぁ。昼間にお客様が多い時は当然だが、早朝の人気(ひとけ)の無い時間帯、「枯れ木も山の賑わい」で、お店の賑わいのためにも役に立ってたと、私は思っていたのだけど、杓子定規に社内規約だと言われれば仕方ない、でも、お陰で、すごく整理が進みました。ありがとうございました。感謝していますよ!』

 と、店を出て、ねぐらへ戻り、一眠りしようか、それとも?と、考えたが、すぐ発つ事にした。眠くなったら、どこかで居眠りすれば良い。
 八戸市から、六戸町を通り、十和田市経由して、上流へ向う。
 コンビニでトイレを借り、朝食を済ませ。「奥入瀬渓谷」の名が見え始め、道の駅「奥入瀬」があった。ここでちょっぴり居眠り。

 売店には、地ビールの「奥入瀬ビール」があった。朝から、小さいピルスナーを「口に含んで、ゴックン!」、のど越しのラガーと違って、これはビールの味・香りを味わいながら飲むビール、色良し、香り良し、苦味良し、味わい中々に良し。
 『おっと、これでは、すぐには運転できないぞー!』で、「休憩所」を除くと、椅子・テーブル・コンセントが有る。やった!ここを利用させて戴こう。戴きま~す!
 90分程で、一応、整理が片付いた、ビールの影響も無くなったので、高瀬川上流へ向けて、出発!のつもりだったが、どうもおかしい、この当たりは川も狭く、深く、岩だらけ、カヌーが出来る状態では全くない。上りすぎたので、もう少し下流で上下架の場所を探すが、見つからない。また、ずっと下流でも、川幅も150mほど、非常に小さい川だ。で、おかしい、おかしいと思っていたら、これは相坂川で通称、奥入瀬川で、目的の高瀬川ではなかった。

 急遽、もう一つ北側にある高瀬川へタック(方向転換)。
 この高瀬川は変なので、地図で見るとずっと上流は高瀬川、中流は七戸川、それが小川原湖へそそぎ、その後、再び高瀬川となって、太平洋に注いでいる。その七戸川、見ると川も小さいが、川原は葦のジャングル、人の入れる状態じゃない、勿論川原へ降りる道も見えない。川沿いの道のほとりで、畑仕事している人に、『この辺で川原へ降りれるところありますか?』 『この上にある、でも、今、工事しているから、どうかな?』行ってみると、確かに工事しているし、下りることも出来る。但し、本流でなく「赤川」と言う支流だ。
 では、ゴールはと言うと、やはり高さ2m余りもある葦のジャングル。暫く下って行ったがやはり、ジャングル。降りれない。『エーイ、止めだ!無理だ!』そんなことで、結局、この高瀬川は止めた、次。高瀬川と言えば、森鴎外の有名な小説と同じ名前だから、やりたかったのだが…。
 では、どうするか?よーし!北海道へ行こう。と、バウを青森へ向けた。が、暫く走っていて、ふと考えた。『待てよ、ここからだと一度は行ってみたいと思っていた恐山へ行って、大間から、函館へ渡り、帰りに青森へ着いた方が効率的だ。』と、バウを恐山へ変えた。丁度、県道8号線を北上中だったから、左へ折れないで、そのまままっすぐ、北へ向かって、GOだ!

 今日は天気が非常に良く、風も無く、野辺地町(読み方をご存知?私は今まで「のべち」と、思っていたが間違っていた。「のへじ」が正しかった。)から、陸奥湾のゆるい弓なりになってる海岸線がくっきりと見えるし、海は鏡のように真平、晴天の今日、泳ぎたい気分だが、ままよ、と我慢して、そのままどんどんと北上。
道端に立つ角巻きしてもらった石仏達
 むつ市の街を過ぎ、恐山が近づき、山道に入ると、所々に石仏が立っていて、角巻きの様に顔に白い布が巻かれている。
 仏が寒かろうと、角巻きをしてあげるのだそうだ。
 恐山の近くまで来た頃、道路沿いに、フキが沢山生えていて、大きな葉が見える。やった!これ、今夜のおかずにしようと数本、太いのを刈り取った、普通は葉も戴くのだが、今日は旅の最中、葉は切り落とした。

 暫く進むと、何と霊験新たかな水がどうどうと流れ落ちている。先ほど、十和田の道の駅「奥入瀬」で水道水を少し汲んでいたけど、そっくり入れ替えて、全てのタンクやボトルを満杯にした。これで、暫く水の心配は無くなった。

三途の川の渡り口の石仏
 恐山に到着したのは、もうほんのりと暗くなりかけていた。
 日本三大霊場の一つ恐山本殿から500m程手前、三途の川を渡るまでの宇曾利湖畔の駐車場に今夜の泊地を決めておいて、三途の川を渡り、あの世に踏み込んだ。
 が、時間も遅いので、門は閉じられ、売店も終了、事務関係の人もいない。外の写真だけ撮って、
 隙間から内部を覗きこんでおいた。
あの世とこの世の境目だ

 また、三途の川を逆戻り、下界へ帰り、テント設営、「雨は降らない」と、確信はあったが、シートをかけた。まあ、こうしておけば間違いない。

 今日、道の駅「奥入瀬」で買った「ツルムラサキ」どんな味がするか、楽しみだ。
 早速、野菜炒めの準備にかかり、肉が無いので、シーチキンの缶詰め、キャベツ、たまねぎ、ニンニクとツルムラサキの軸や大きな葉を使った。他は、冷奴、ツルムラサキの細い軸や葉はおしたしに、そして、納豆。豪華な夕食だぞ~!
霊場入り口
仏像群
 ところが、ツルムラサキ、一寸粘りっ気があって、炒めたら、実に美味い。ベリーグーなのだ。ツルムラサキ、大いに気に入った。福山近辺でも育つのかな?
 そうそう、野生の蕗(ふき)硬くて、硬くて、食べれるような代物では無かった。蕗は苦味があって、大好きなのに残念!その後、聞いた話では、蕗は4、5月頃は柔らかいけど、夏になると硬くなるのだそうだ。

《恐山泊》

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