時空人 goo blog「脳トレ宇宙論ー人類の見果てぬ夢」

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脳トレ宇宙論 脳トレ(brain-training)再考

2020-07-06 13:53:57 | 脳トレ宇宙論

脳トレ宇宙論 脳トレ(brain-training)再考

パスカル「人間は考える葦である」

脳トレの題材は勿論宇宙論ばかりではない、クイズでもパズルでも趣味でも他の学問でもよい。それは各人の趣向による。

ではそもそも何故、脳トレを行うのか再考してみたい。

現代は、科学技術、工学分野以外でも、私たちの生活や社会問題の対処には、常にしっかりした数学・科学の知識を要求するようになっており、社会人の必習科目でもある。

パスカルは「今日我々がもっとも必要としているものは物事を根本から考え直し、直接物事にぶつかって、借り物でなく、自分の頭で考える態度と、物事の実態を鋭く見抜き、本質的なものと、そうでないものとを見分ける能力である」と述べた。また単なる情報は知識とは言えない。大切なのは情報の根拠、論理的繋がり、知識の構造化である。孤立した知識はあまり役に立たない。

今や戦争においても白兵戦時代ではなく、レーダーやコンピュータ操作で行なわれる時代になっている。科学技術の進歩とりわけコンピュータの重要性は増大している。

現今コンピュータはスピード(情報処理の速度)、キャパシティー(記憶容量)、アルゴリズム(問題解決の手順、機械学習)の3つの技術が組み合わさって人間の脳力に迫っている。そこそこの知的作業はコンピュータによって急速に代替されつつある。コンピュータに代替されない能力を如何に身に付けるかを真剣に議論する段階にきている。

さて情報をまき散らすだけとか、情報を消費するだけの人ばかりになっている社会は、価値を生み出す意欲に欠けるため先行きが極めて暗い。学び続ける精神、知性・教養に対する敬意や憧れが無い人々が増えており、無知を肯定する社会に成りつつあることは恐ろしいことである。

・人生は遊び、学び、伝え合う旅である。遊びをとおして人はコミュニケーションを覚える。学ぶことで先人の知恵を自分のものとし、考えることによってさらに新しい知恵を付け加える。そしてそれらを伝え合い、教えることによって次の世代に渡していく。文化・文明は学習し伝承させる努力によって築かれ維持される。かくして我々人類の実りある豊かな無限の未来がある。

・無知は不幸の根源であり、人生を無駄にする。

・どんな粗末な頭でも自分の頭で考えよ(大河内一男、1905-1984)

・そこそこの稼ぎが無ければ、人生の半分を失うことになる(渋沢諭吉)。

・人生の選択肢は、お金が有ると増える(Financial Academy 金融広告)。

 


脳トレ宇宙論 Coffee Break ガンマ線バースト(GRB)

2020-07-05 21:27:30 | 脳トレ宇宙論

脳トレ宇宙論 珈琲時間

ガンマ線バースト (GRB:Gamma Ray Burst)

(2019年11月21日発表 東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構 )

世界初!! ガンマ線バースト残光から超高エネルギーガンマ線の検出に成功

2019年11月21日発行の英国科学雑誌「Nature」 に掲載
論文タイトル:A new very-high-energy component deep in the Gamma-ray Burst afterglow. 著者:H.E.S.S. Collaboration et al.

 HESS望遠鏡群

「ガンマ線バースト」は宇宙最大の爆発現象で、数秒から数時間にわたって閃光のように放出され、極めてエネルギーが高く、太陽が100億年間で放出するエネルギーを上回る。しかも1イベントで!

この現象は天球上のランダムな位置で、一日に数回起こっている。 超大質量の恒星が一生を終える時に極超新星となって爆発し、これによってブラックホールが形成され、バーストが起こるとされる。
しかし現在研究者の間で論争中、未解決とのこと。


太陽が出来て今50億年、あと50億年生きる
地球は35億年以上前に出来た
人類は700万年くらい
文明は10万年

人間は100年


GRB を英語で説明した動画、7分13秒(検索すればすぐ見つかる)。
Kingdom English で非常に分かり易いナレーション、用語説明、ストーリー展開。数回聞けば理解できるかも。


ガンマ線バースト残光、日本のアマチュアが観測に成功

【2003年3月31日 国立天文台・天文ニュース(627)】
2003年3月29日20時37分14秒(日本時)、かなり明るいガンマ線バーストがしし座の方向に出現しました。その約73分後には位置が特定され、ちょうど日本から観測可能な時間帯だったため、理化学研究所、東京工業大学、京都大学、宮崎大学、岡山県美星町の美星天文台などのグループが観測を行い、13等という非常に明るい残光が暗くなっていく様子を捉えることができました。今回の残光は、極めて明るかったため、都心の東京工業大学のグループは、校舎屋上での観測に成功しています。
それ以上に心強いのは、今回の残光が初めて日本のアマチュアによって観測されたことです。

観測に成功したのは、滋賀県にあるダイニック・アストロパーク天究館の高橋進氏で 、観望会などに用いる60cm反射望遠鏡に冷却CCDカメラを利用したものでした。真夜中から明け方ま で、その光度変化を追い続けたということで、非常に貴重な例となりました。日本のアマチュアの活躍 は、天文ニュース(626)で紹介したように天体発見の分野でも続いています。これは観測や解析のレ ベルの高さを示しています。HETE2衛星の開発に携わり、またガンマ線バースト残光の観測も指揮する河合誠之東京工業大学教授は「日本のアマチュア天文家は、世界的にレベルが 高く、層が厚いはず。彼らの活躍で、初期の残光の性質がさらに明らかになる可能性があり、もっと多く のアマチュア天文家にガンマ線バーストの追跡観測に参加して欲しい」と述べています。


 時間 空間 人間  Cogito, ergo sum

宇宙とは常識的に想像できる範囲を超えたものであり、宇宙は壮大で常識を超えた視点で思考をする対象である。事実は小説よりも奇なりと言われるが、現代宇宙論で展開されている理論の多くは想像以上に突飛なものであり、SFよりも奇なりといえるものさえある。かつてブラックホール、重力波といった想像上の産物で眉唾に思われた概念も今や市民権を得たようである。何が正しい概念であり、何が正しくない概念であるなど断言することは出来ない。これは科学万能と言われる現代においても、予期せざる自然現象が存在することがある。このように思い浮かぶアイディアはどんなものでも、いかに珍奇に思えようとも十分掘り下げてみる価値があるといえよう。というのは現代においても今なお、人間の持っている現在の知識を総動員しても限界があるからである。


脳トレ宇宙論 Coffee Break 星座かに座話題

2020-07-04 14:05:15 | 脳トレ宇宙論

脳トレ宇宙論 Coffee Break 星座かに座話題

  

・星座に関する面白い話題が今でも有るとは思っても見なかったので紹介

東海大学海洋学部学生小島敦さんが、「かに座」の種の解明の成果が天文雑誌:星ナビ、2020年5月号、「海洋生物学で探る かに座の蟹の正体」)に掲載された。

黄道12星座の一つで、春に見ごろを迎える「かに座」。実は星座絵によって様々な姿で描かれている のを知っていますか?中にはエビのような姿をした「かに座」も。

星座の絵は制作者により様々な形、画風や色、星座の恰好、種類がそれぞ れ異なり、中でも「かに座」には絵によって全く異なる姿をしている。 ヨーロッパの学者が描いた3つの星図に焦点を当てて種の同定に挑み、海洋生物学の観点で星座絵の特徴を観察し、どの種類のカニなのかを解き明かした。

 小島さんは、星空の観測や 天文学史を研究してきた。今回雑誌に 掲載されたことで新しい研究分野として、多くの人に知ってもらえる機会となり、うれしく思います 。多くの幅広い年代の人が読むため、誰にでもわかりやすく、少しコミカルな内容になるように書きました。天文に興味がある人、絵を見ることが好きな人、海洋生物が好きな人など、皆にこの分野の面白さが伝われば、とコメント。また、うお座の種の同定にもチャレンジしたいと思っています。ギリシャ語の勉強も始めたので、古代ギリシ ャの天文学の文献を参考に、うお座の星図を調査していきたい、と新たな目標を語りました。

(参考 From Wikipedia)
星座( constellation)は、天球を赤経・赤緯の線に沿った境界線で区切った領域のこと。かつては、複数の恒星が天球上に占める見かけの配置を、その特徴から連想した人、神、動 物、などさまざまな事物の名前で呼んだものであった。古来さまざまな地域・文化や時代に応じ ていろいろなグループ化の方法や星座名が用いられた。 

天文学的には恒星同士の見かけの並びに特段の意味は無い。プレアデス(すばる)などの散開星団を除き、星座を構成する星は互いに天体力学的な関連をもって並んでいるわけではなく、地球からの距 離もまちまちで、太陽系の位置からたまたま同じ方向に見えるだけである。しかし、古来星座にまつわ るさまざまな伝説・神話が伝承されているため、これらの物語が宇宙や天体観測に興味を持つきっかけとなる人も多く、天文学の入門として広く話題に取り上げられ、親しまれている。 

国際天文学連合 (IAU) が定めた88の星座には、境界線は定められている[3]が、星のつなぎ方(星座線)は定められていない。 

現在の88星座の原型となったのは、アメリカの天文学者エドワード・ピッカリングが1908年に刊行したハーバード改訂光度カタログ (Harvard Revised Photometry Catalogue) である。


脳トレ宇宙論 第31話 宇宙はどこから来てどこへ行くのか

2020-07-03 16:38:49 | 脳トレ宇宙論

脳トレ宇宙論 第31話 宇宙は どこから来て どこへ行くのか

宇宙論パースペクティブ ― 宇宙進化の軌跡と未来

(アンドロメダ星雲)

人間はなぜ宇宙に魅かれるのか。宇宙は学問、芸術、社会、意識・・・など、人類の活動全般について何を如何に変えてきたのか。

人類は遠い昔から空を見上げ宇宙について考えてきている。宇宙は無限に広がっているのか、宇宙は無限か有限か。宇宙はどんな構造か。宇宙はどんな形か。宇宙はどのように膨張しているのか。ビッグバンの前に何があったのか。再びビッグバンが起きるのか。・・・

現在宇宙について何が分かっているのか、何が分かっていないのか。

20世紀の後半から量子力学 素粒子物理学 天体物理学 原子核物理学 現代宇宙論 量子重力理論 電波天文学 天文観測機械の技術進歩 飛翔体観測 計算機械技術などの急速に発展した宇宙科学は、ビッグバン理論や多宇宙論、ブラックホールや暗黒物質の理論など、さまざまな発想や考え方によって非常に華々しい進展を遂げつつある。私たちの宇宙は138億年前に誕生して、現在まで膨張しつづけてきた、「進化する宇宙」だと言われている。この宇宙進化の過程のどこかで銀河が生まれ、さらに太陽系が生まれ、そして地球上に生命が誕生し、最後にとうとう意識をもち、いろいろなことを考え、それを伝えあって知識や科学理論を蓄積し、発展させる生命、つまり人間が生まれた。

ここでは大雑把に歴史的進展を見ながら、見てみよう。

物理学・天文学の歴史のあらまし

270BC頃 地球の大きさの測定エラトステネス(ギリシア)

129BC 「ヒッパルコス星表」の完成ヒッパルコス(ギリシア)

1543 「天体(球)回転論」発刊,地動説の提唱コペルニクス(ポーランド)

1609-10 天体望遠鏡による諸発見(ガリレオ衛星,月面模様,天の川の正体,太陽の自転など)ガリレオ(伊),ファブリチウス(独)ほか

1609-19 惑星運動の法則の発表 ケプラー(独)

1610 「星界からの報告」出版 ガリレオ(伊)

1668 反射望遠鏡の製作 ニュートン(英)

1672 太陽視差の測定 カッシニ(伊)

1678 光の波動説の提唱 ホイヘンス(蘭)

1687 ニュートン『プリンキピア』(万有引力の法則、運動の3法則)
1704 光の粒子説の提唱 ニュートン(英)

1718 恒星の固有運動の発見 ハレー(英)

1728 光行差の発見 ブラッドレー(英)

1755 島宇宙説と太陽系の星雲起源説の提唱 カント(独)

1783 太陽系の空間運動の測定 ハーシェル(英)

1785 宇宙(銀河系)の形と大きさの観測的決定 ハーシェル(英)

1796 太陽系の星雲起源説の提唱 ラプラス(仏)

1838-39 恒星の年周視差の測定 ベッセル(独),ヘンダーソン(英),ストルーヴェ(露)

1842 恒星のドップラー効果の予測 ドップラー(オーストリア)

1850頃 天体写真術の確立 ボンド(米),ド・ラ・リュー(英)

1856  恒星の光度-等級関係の定義 ポグソン(英)

1869 元素の周期表(メンデレーエフ)

1886 ラジオ波の検出(ヘルツ)

1887  マイケルソン-モ-リーの実験 マイケルソン(米),モーリー(米)

1890  天体の視線速度(ドップラー効果)の測定 フォーゲル(独),シャイナー(独),キーラー(米)1901 恒星スペクトルのハーバード分類 キャノン(米),ピッカリング(米)

1895 X線の発見(レントゲン) 
1896 ウラン放射能の発見(ベクレル)

1897 電子を発見(トムソン)
1898 ラジウム発見(キュリー夫妻)
1900 量子論(プランク)

1902  星間ガスの重力安定性理論 ジーンズ(英)

1903 原子崩壊説を提唱(ラザフォードとソッディ)
1905  巨星と矮星(星の区別)の発見 ヘルツシュプルング(デンマーク)

1904 原子模型の理論を発表(長岡半太郎)
1905  特殊相対性理論の提唱 アインシュタイン(独,スイス)

1905  光量子仮説(光の粒子性) アインシュタイン(独,スイス)

1911 原子構造についての研究(ラザフォード、ボーア)
1911-12 宇宙線の発見 ヘス(オーストリア)

1913 原子構造の量子論(ボーア)
1914  恒星のスペクトル型と絶対等級の関係(H-R図)の出版 ラッセル(米)

1915-16 一般相対性理論の提唱 アインシュタイン(独)

1919 原子核崩壊の実験(ラザフォード)

1920-21 干渉計による恒星直径の実測 アンダーソン(米),マイケルソン(米),ピース(米)

1923 コンプトン効果の発見(コンプトン)
1924  物質波の概念の提唱 ド・ブロイ(仏)

1924  恒星の質量-光度関係 エディントン(英)

1924  渦巻星雲の正体の解明(セファイド変光星の発見) ハッブル(米)

1925 量子力学の創始(ド・ブロイ)

1927  銀河系の回転の観測オールト(蘭),リンドブラッド(スウェーデン)

1929  銀河の速度-距離関係の発見 ハッブル(米)

1930  冥王星の発見 トンボー(米)

1930 サイクロトロンの建設(ローレンス、リビングストン)
1931  チャンドラセカール限界質量の提示 チャンドラセカール(インド,米)

1931  宇宙電波の発見 ジャンスキー(米)

1932 陽電子の発見(アンダーソン)
1932 中性子の発見(チャドウィック)
1934  超新星の性質の解明 バーデ(米),ツヴィッキー(米)

1934-35 中性子星の理論的予測 バーデ(米),ツヴィッキー(米),エディントン(英)

1935 中間子理論(湯川秀樹)
1937 中間子の発見(アンダーソン、ネッダーマイヤー)
1938 ウランの核分裂の発見(ハーン、シュトラスマン)

1939  恒星質量ブラックホールの理論的予測 オッペンハイマー(米),ヴォルコフ(米),スナイダー(米)

1939 核反応による星の熱源の説明(ベーテ)
1942 核の連鎖反応(フェルミ)
1945 原子爆弾(米国)
1946  ビッグバン理論 ガモフ(ロシア,米)

1957  最初の人工衛星スプートニク1号(ソ連)

1961-63 クエーサー(準恒星状電波源)の発見 シュミット(米),マシューズ(米),サンデイジ(米)

1962  X線星の発見 ジァッコーニ(米),ガースキー(米),パオリーニ(米),ロッシ(米)

1964 クォーク理論の提唱(ゲルマンら)
1965  宇宙マイクロ波背景放射の予言 ディッケ(米),ピーブルス(米),ロール(米),ウィルキンソン(米)

1965  宇宙マイクロ波背景放射の発見 ペンジァス(米),ウィルソン(米)

1967  パルサー(中性子星)の発見 ベル(英),ヒュウイッシュ(英)ほか

1967  電弱統一理論 ワインバーグ(米),サラム(パキスタン),グラショー

1969  人類の月面到達(アポロ11号) (米)

1971-72 確かなブラックホール候補(Cyg X-1)の同定 小田 稔(日),ウェブスター(英),プリングル(英)ほか多数

1973  ガンマ線バーストの発見 クレバサデル(米),ストロング(米),オルソン(米)

1975  連星系をなすパルサーの発見 ハルス(米),テイラー(米)

1987  超新星1987Aからのニュートリノ検出 小柴昌俊・カミオカンデ・グループ(日)

1998  銀河系中心にブラックホールが存在する証拠 ゲッツ(米),クライン(米),モリス,ベックリン(米)

1998-99 宇宙の加速膨張の発見 パールムッター(米)ほかSCPチーム,シュミット(豪),リース(米)ほかHizSSチーム

2000  すばる望遠鏡運用開始(日)

2001  ハッブル定数の高精度決定 フリードマン(米)ほかハッブル宇宙望遠鏡キープロジェクトチーム

2003  宇宙論パラメータの精密決定 スパーゲル(米)ほかダブリューマップ(WMAP)衛星チーム

2016  ブラックホール連星合体時の重力波の観測 LIGOチーム(米)

・・・

以上100弱の項目を示したが、この他の成果もこれらの数十倍から数百倍あるいはそれ以上であろう。宇宙科学も多くの数知れない人類の英知と精密な実験、観測を営々として積み上げてきた成果である。今後将来にわたってこれらをさらに読み解き、さらなる進展を期待し、希望が膨らむ。かくして我々人類の実りある豊かな無限の未来がある。

 

  

我々は何者か?

    

ETIは本当にいるのか?