放射線を追って-原子核物理学
左:キャヴェンディッシュ研究所
中央:J.J.トムソン(1856-1940)、 右:E.ラザフォード(1871-1937)
ウィルソンの霧箱は雲や霧の再現実験から発明されたもので、もともと放射線を見るために作られた装置ではなかったが、特別な放射線源を入れなくても大地や宇宙からの自然の放射線を観察することができた。その後、霧箱は改良がなされ、より放射線の細かな特徴が観察しやすなり、電子や放射線の研究者たちの重要な道具として用いられた。「百聞は一見に如かず」のとおり霧箱はまさに原子物理学の玉手箱になった。
当時、キャヴェンディッシュ研究所にはトムソン、原子物理学の父と呼ばれたラザフォードや優秀な物理学者が数多く在籍していた。この霧箱を利用した研究により、コンプトン効果、中性子、陽電子の発見、電子対生成と陽電子消滅など、原子物理学の進歩にとって多くの研究成果が挙げられた。
かくして物質は原子から構成され、この内部は原子核と電子から成り立っており、さらに原子核は陽子や中性子から成り、その陽子や中性子もクォークという素粒子から成り立っていることが分かってきた。
現在ではさらに究極の理論に迫っている。また宇宙線、天体物理学の分野でも同様である。この研究の途上において多くの研究者がノーベル賞を受賞した。以下年代順に放射線、原子核物理の主な発展を示す。
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