西野了ブログ テキトーでいいんじゃない?

日々浮かんでくる言葉をエッセイにして・・・・・・。小説は「小説を読もう 西野了」で掲載中です。

「恐怖! 霊感のない僕が昨夜見たものは?」

2009-07-12 21:46:07 | Weblog
 メタボ検診で引っ掛かった僕は、最近夜散歩をしている。運動不足の体にいきなり激しい運動は禁物なので散歩から徐々に体をならして、いずれはジョギングに到達する予定である。
 コースは自宅を出てすぐ左折すると国道197号線にぶつかる。右折して国道沿いをてくてくと歩き、娘が通っていた保育所を右折し、突き当りの旧道を右折し、大きな銀杏の樹などを眺めながら自宅にもどるものである。
 散歩の所要時間は約15分で、途中でランニングをしたり、若干散歩の距離を伸ばしたりして、自分で言うのもおかしいがなかなか意欲的だ。自分自身、今回はこの体力づくりがかなり持続しそうな感触があるし、最終目標のジョギングまでたどり着くのではないかと、密かに期待をしている。メタボ検診に引っ掛かると、妻や娘、はてはお義母さんまで攻撃してくるのだ。(メタボ検診恐るべし!)

 さて事件は昨夜起こった。僕は四国の山奥に住んでいるので夜は暗い。外灯もない道もある。国道197号線は外灯も少しはあるし、自動車のライトでときどき明るくなるので問題はない。ところが保育所の手前を右折して旧道までは外灯がない。距離にして100メートルもない長さだが、暗い・・・・・・。月が出ているときは月明かりでかなり周囲を見渡せるのだが、昨夜はあいにく曇っていて相当暗かった。 
保育所の手前を右折して、少し歩くと途中に橋がある。川の水の音がざあざあと聞こえる。そこにぼんやりと何やら背の低いものがゆらゆらしているではないか!
「コワッ!」
 僕は自慢ではないが、霊感が全くない。だから幽霊も妖怪も物の怪もUFOも世間一般で言われる怪しいモノを一度も見たことのないニブチンである。人生50年にして、ついに幽霊と遭遇か! と感動するよりも恐かった。人間、暗闇で想定外のモノに出会うと本能的に恐怖というものが、足元からぞくぞくとせり上がってくるものなのだ。
「ギャー!」と叫んで逃げ出す手もあったが、恐いもの見たさでその横をさっさと通り抜けてしまった。(その怪しげなモノとはかなり距離をとりましたが・・・・・・)すると、そのゆらゆらする背の低いモノは、爺さんが幼児をおんぶしてあやしている姿だと判明した。しかし夜10時過ぎに、真っ暗な橋の上でそのゆらゆらする姿はかなり異様である。  僕はそこから離れたところで止まり、振り返って橋の上を見た。そのときもし二人がいなかったら、それこそ正真正銘のユーレイではないだろうか? しかし暗くてよく見えない。運良く自動車がやってきて橋の上をライトで照らした。
「いた!」
 一瞬黄色いヘッドライトが幼子を背負っている老人を浮かび出した。僕はようやくほっとしたけど、もしかして昔、あの橋から投身自殺した老人と孫ではないかという疑念がまだある。そして明日からあのコースを変更しようかと今も考えている。
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