西野了ブログ テキトーでいいんじゃない?

日々浮かんでくる言葉をエッセイにして・・・・・・。小説は「小説を読もう 西野了」で掲載中です。

街で遭遇した3つの出来事-パグ・三毛猫・黒ぶち猫

2024-02-01 09:36:43 | Weblog

 隣町から愛車のニッサンSRVで街に帰ってきたときのことである。国道を南下して市内に入ってきた。左に「TUTAYA」右に「牛角」が見える交差点で停車した。(信号が赤だから)
 右手を見ると横断歩道を渡ろうとしている老人がいた。かなり高齢のおじいさんだ。しかしグレーのスラックスは折り目がきちんとついており、辛子色のブレザーに紺色の紐タイも決まっている。帽子もイタリア製かと思われるほどお洒落で、白い口ひげは思慮深そうな印象を与えている。(なんとなく名探偵といった感じだ)
 そのおじいさんの右手には茶色いリードが握られており、その先にはパグが大人しく座っている。上品なおじいさんに賢そうなパグ──なかなか絵になる光景だ。横断歩道の信号が青になりおじいさんは歩き始めた。けれどもかなり高齢なので足元がおぼつかない。ゆっくりとしたペースで横断歩道を渡っている。しかし彼のお供のパグは賢そうなので、飼い主の歩調に合わせるだろうと僕は安心していた。
 だがその後の光景に僕は目を疑った。ナント! そのパグは飼い主のおじいさんよりも歩くのが遅いのである。よたよたと短い足を左右に揺らしながら辛うじて歩いている。おじいさんはパグの鈍足にイラついているのか、リードを無理やり引っ張っているようにも見える。意外と短気な年寄りなのだ。
 それにこれって動物虐待?
 よぼよぼのおじいさんよりもさらによぼよぼのパグ。 

 僕がよく行くレストランの日替わりランチはハンバーグ定食だった。実は僕はハンバーグが好物である。カレーライスも好きだしパスタも好きだ。こう書くと、まるで子供が好きな食べ物ばかりのようであるが、僕は味覚も感性が若々しいのだ。まあそれはいいとして、その日ハンバーグ定食を食べて満足した僕は、駐車場の愛車のドアを開けた。
 そのとき目の前の市道をおんぼろのスクーターが紫の煙を吐き出しながら横切った。ブーという間の抜けた音でとろとろ走っているのだが、運転手のおじさんはなぜかスタンディングポジションなのである。つまり立ったまま運転しているのだ。そしてその首には三毛猫が乗っている。
 なぜ? 立ったままスクーターを運転していて首に生きた猫を巻いて、はたしていいことがあるのだろうか? 普通に座って運転しているよりも重心が高いぶん、転倒しやすくなるリスクは高くなるが・・・・・・(肩には猫が乗っかっているし)。あのおじさんは危険を求めるアブナイ野郎だったのか? それにしてはスクーターのスピードが出ていなかったが。それともあの行為はドライブ好きの猫のためなのだろうか?

 時刻は午後6時半を回っている。世界はすでに夜の帳が下りている。僕は帰宅するため愛車を飛ばしている。するとそのとき右脇からなにやら白い物体が! よく見ると白黒のぶち猫である。ぶち猫は交通ルールを守らず、無断で道路を横断しようとしたが、僕の鋭い反射神経のおかげで一命をとりとめた。僕は無言でぶち猫に今度は気をつけろよと声をかけた。
 それから100メートルも車を走らせてないところでまたもや右脇から同じような物体が! またしてもぶち猫である。
(今度の猫は黒ぶち猫かどうかは定かではない)
 午後6時半を過ぎるとぶち猫は道路を横切る習性があるのだろうか? またしても僕の反射神経に救われたぶち猫に「気をつけろよ」と若干イラつきながら無言で声をかけた。
 30分後、自宅に着き愛車をガレージに入れようとすると、なにやら生き物の気配が! そこにはしばらく姿を見せなかった我が家の白猫メイの宿敵黒ぶち猫(メイのご飯を食べちゃう猫)が悠然と歩いていた。
 黒ぶち猫は、きっと僕に嫌がらせをしているのだ。

 世界は小さな謎に満ちている。


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