【スノードーム】
Nikon D90 + AF-S DX Nikkor 35mm F1.8G
~つづき~
早朝のモスバーガーは寒い。
開店したばかりで暖房が行き渡っていない所為なのか、店内はひどく冷えていた。
“車で送って行くだけだから”と、シャツに薄手のセーターしか羽織って来なかった為、上着の持ち合わせも無い。
その寒さたるや「…こんな事なら自宅から上着を持って来れば良かった」と後悔した程である。
いやいや、だからその家に入られへん、っちゅー話しだ。
1時間が過ぎても一向に暖かくならない店内。
寒さが限界に達し、「車に戻って待機していよう」と思った丁度その時、携帯に連絡があった。
到着見込み10分前になったら連絡してもらうよう、担当のお兄さんにお願いしてあったのだ。
自「もしもし?」
鍵「こんにちはカギ屋です。あと10分位で着きます。」
…80分程前に電話で話したお兄さんとは違う人だった。少し不安になってきた、、、。
自宅に戻るのとほぼ同時にカギ屋さんも到着。
小柄だが悪い人ではなさそうな男性(推定38歳/ダウンタウン浜田似)は、名刺を差し出すが早いか、
「ではちょっと拝見させていただきます。」と言って玄関の方へと足早に移動した。 …浜ちゃん、意外と良い人そう♪
一通り見渡した後、困惑の表情を浮かべながら「…他に『勝手口』などはありませんか?」,He said。
「そんなワガママそうなモノはmy家族だけで十分なのでありません」、I said。
すると浜ちゃんのクチからため息とともに衝撃の事実が告げられた:
・玄関についている2箇所のカギは、ピッキング対策がされているモノなので開錠は不可能
・窓を揺すって開けることも可能だが確率は低い/ロック機能付きのカギならば100%不可能
・結論としては、“窓ガラスを割る”か“玄関のカギを壊す”か以外には方法は無い
・ ・ ・ て へ っ ♪
いや、「てへ♪」とか言っている場合では無い。
どちらの方法を選ぶにせよ、費用も精神的ダメージも計り知れない。
他に方法が無ければ出張料をお支払いしてでもお引取り願う:女子ズの帰りを待つつもりで、
最後に家の周囲を全て見ていただくことにした。
周囲を歩きながらいただいた名刺をあらためて見てみるとこの浜ちゃん、愛知県からお越しである。
不思議に思いそのワケを聞いてみると、こちらの『カギ屋さんシステム』について話してくれた。
まずは電話での対応。
自分が104にお願いした条件は「家のカギを開ける/自宅に近いところ」という2点。
その条件からお隣の町にある“24時間365日対応”のカギ屋さんを紹介されたのだがこのお店、
届出住所こそお隣の町になっているものの、電話が繋がった先は“大阪にある本部会社”で、
全国からの問合せを一括して受け付けているのだそうな。
そのオペレータ兄さんがmy自宅周辺の登録・協力業者に順次連絡し、
連絡がつながった相手=愛知県の業者さんが来ることになった=到着まで1時間30分という時間はその移動時間である、と。
次いで開錠方法と料金体系。
電話で開錠を依頼した際、凡その金額を聞いたのだが、それによると“カギ一箇所につき8500円”ということだった。
が、それは最も簡単なカギの場合で、
my自宅のような“ピッキング対策がされているカギ”だとその2倍以上の金額になるのだそうだ。
『のぞき窓(魚眼レンズ)』から器具を差し入れて開錠するらしいのだが、その穴が無いmy自宅のドアではその方法は使えなかったらしい。
…使えても計37000円なんか払えんぞ、、、。
そんな話しをしながら周囲を見て回っていると、
“思いもよらない場所”を“思いもよらない方法”で開ける事を提案してくるでは無いか。
セキュリティの関係上、詳しく書くのは憚られる為省略するが、実際にその方法で無事、侵入に成功した。 …すげーっ。。。
結局、料金表には無いイレギュラーな方法だった為、浜ちゃんの裁量で“その他”の項目の最安値の金額にしてくれた。
ま。それでも10500円(税込み)なわけだが。。。
もっか最大の問題は、あと数時間後に帰ってくるmy妻に対し、
“この事を正直に打ち明けて家計で処理してもらう:でも尊厳は失う”か、
“隠し通しすことで名誉を守る:でも料金は自分のお小遣いで処理する”のどちらを選択するか、だ。 【完】