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川柳・ボートっていいね!北海道散歩

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金魚のお墓・・・金子みすず

2008年02月27日 | 川柳
              金 魚 の お 墓

              暗い、さみしい、土のなか、
              金魚はなにをみつめてる。
               夏のお池の藻の花と、
               揺れる光のまぼろしを。

              静かな、静かな、土のなか、
              金魚はなにをきいている。
              そっと落ち葉の上をゆく、
              夜のしぐれのあしおとを
            
              冷たい、冷たい、土のなか、
              金魚はなにをおもってる。
              金魚屋の荷のなかにいた、
            むかしの、むかしの、ともだちを。

                  

      今まで、私は何匹の金魚のお墓を作ったかわかりません。
一番記憶に残っているのは、父が30匹くらいの金魚を持ってきて(買ったのか・・もらったのかはわかりませんが・・)
 たらいに金魚を放し、父は針金と和紙で金魚すくいをたくさん作ってくれました。
金魚すくいきちがいの私には、こんなうれしくてすばらしいことはありませんでした。
       父は「好きなだけやりなさい・・」と、うれし顔でした。
 お金も時間も気にしないで夢中になって、あきるまで金魚すくいを楽しみました。
そして、また明日やろうと庭にたらいをおいたままその夜は過ぎました。
朝起きて、庭に出てみるとたらいに金魚が赤白くなって、プカプカ全部死んで浮いていました。
びっくりして、声も出ませんでした。こころのなかでは、とんでもないことになった,
金魚を全部殺してしまった犯人のような気持ちになり、金魚に取り返しのつかない罪悪感を感じたものです。

   そんな、誰でもが記憶にある「金魚のお墓をつくった」その後の心境の詩です。



             
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