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川柳・ボートっていいね!北海道散歩

川柳・政治・時事・エッセイ

いすの上・・・金子みすず

2008年02月25日 | 川柳
               いすの上

             岩の上、まわりは海よ、
               潮はみちる。

               おおい、おおい、
                沖の帆かげ。
               呼んでも、なお、
               とおく、とおく。

                日はくれる、
                 空は高い、
               潮はみちる・・・。
                  (もういいよ、ごはんだよ。)
               あ、かあさんだ。

                いすの岩から
                 いせいよく、
                お部屋の海に
                とびおりる。

        日本語は世界で一番むずかしいという人が多い。
 ひらがな・カタカナ・漢語・呉語・和製英語・英語・ポルトガル語・ハングル語いろいろミックスされた「言葉のミックスジュース」のような、日本語。
        そして、こんな狭い日本なのに「方言だらけ」
         日本人の遺伝子は本当に受容能力が高い。
 けれど、あり余る言葉の中で、本当に人間を感動させるのは言葉の葉を削いで、削いで、小学校1・2年くらいの表現方法がとってもすてきだといつも思っている。
  誰もが、幼いころに椅子や机に上がって、この詩のような体験をしているだろう。

私の一番下の弟は、2階の窓から風呂敷をマントにして「飛びたい!」といって、ほんとうに飛び降りそうな気配でした。びっくりして2・3度止めたことがあります。
     子どもというのは現実と空想の境目がまだできていません。
   そんな子どもの世界のひとこまを、この詩は、ものの見事に表現しています。
   
 金子みすず・西条八十・北原白秋・野口雨情のすばらしい唱歌から軍歌に変わった、   昭和の15年間。金子みすずが亡くなったのは、昭和5年満州事変が
            勃発する前年であったようです。
      私は今、ほんのひととき、先人のすばらしい遺産である
          日本人のこころのお宿を探訪しています。
コメント
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