よろず淡日

淡海の日夏で 今どきよろずや
古道具と駄菓子、地域のものなど

長嶋康郎さんの本も扱っています!

2017-10-20 | 商品


古道具担当が敬愛する先輩方のお一人、東京・国分寺のニコニコ堂店主・長嶋康郎さん。
何かにつけてご紹介させていただいておりますが、
淡日では、長嶋さんの著書「古道具ニコニコ堂のなんとなくコレクション」と「ニコニコ通信」の2冊を置いています。
長嶋さんの本は、絶版になってしまったものもあるので、お願いしてお手元にある本を送って頂きました。
「ニコニコ通信」の出版社(正確には編集出版組織体)も、今は活動終了しており、
私共もそこそこ歳なので、もたもたしていては(実際スローなので)"ニコニコ"の視点を伝え損ねてしまう!と思った次第です。

「なんとなくコレクション」は、おっ!とか、えぇ~?という長嶋さんの"スダレ状"コレクションを、あいうえお順に紹介。
レイアウトも美しく、見ていて楽しい1冊です。帯の文は、ブルボン小林氏。

「ニコニコ通信」は、長嶋さんが以前、何人かの方々に手渡ししていたという手描きの通信をまとめたもの。
ページを開くと、密度の濃い"ヤスローの世界"が広がっていて、ほっこりしたり、バカバカしくて大笑いしたり、しんみりしたり。
就寝前のひと時、「ニコニコ通信」を読むのが日課となっている店番担当のお気に入りコラムは、
長嶋さんの大学時代の哲学の先生・土井虎賀壽先生(まず名前がスゴイ)の話です。
こちらの帯は、美術家・おかざきけんじろう氏。ともに豪華です。

「古道具ニコニコ堂のなんとなくコレクション」 長嶋康郎 新紀元社 1,700円(税別)

「ニコニコ通信」 長嶋康郎 アセテート 1,800円(税別)

なかなか窮屈な昨今、この本でこころにうるおいを。

【上記、完売御礼】
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11月の展示「巡らひの美し」よりご紹介 その4-かよちゃんの“わたし”

2017-10-19 | ギャラリー
小さい頃からずっと顔を描いているという佐野佳世子さん。
アトリエひこで、一番年上です。


「わたし」 48×65cm 紙にアクリル

「小さいわたし、ひとり」 2014 65×48cm 紙にアクリル

彼女の絵には、社会と真っ正面から対峙しているリアリティを感じます。
その時々の彼女の複雑な心持ちが反映された画面は、時としてしんどくて。
でも、やがてそこを抜け出して、恩寵であるかのような光を放っているのです。

ある日のアトリエでの様子・・・
佐野さんは、白い紙を前にしてもずっと描かないでいたので、“今日は描きたくないのかな”と思って見ていました。
ずいぶん時間がたった時に、近くにあった色鉛筆をそっと持って、
大きな紙の左端に、小さな顔を描きました。
蝶がひらひら飛んできて花に留まるような、そんな静がな一瞬でした。

「巡らひの美し 祈りと光 ― アトリエひこの作品より」
2017年11月3日(金・祝) -11月20日(月)
金、土、日、月曜日の11-18時(火、水、木曜日は休み)
よろず淡日のギャラリー


【アトリエひこの石崎さんと茶話会】
11月5日(日) 14時-16時頃
茶菓代 200円
*参加ご希望の方は、淡日までご連絡ください。受付中です。

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11月の展示「巡らひの美し」よりご紹介 その3-国ちゃんの美意識

2017-10-15 | ギャラリー
松本国三さんは、大阪・新世界、通天閣のすぐ下で育ちました。
文楽や歌舞伎、大衆演劇など、日本文化の美意識に親しんで過ごし、
美しくて繊細なもの、可愛らしいものをこよなく愛しています。
玉三郎、道成寺、モモンガ、リス、チップ&デール、日本むかし話、美術展のチラシ、キラキラのデコシール・・・

学校で字を書くことが習慣となり、いつしか日めくりカレンダーに字を書き連ねていくようになります。
それはスイス・ローザンヌのアール・ブリュット美術館に収蔵されるなど、海外でも高い評価を受けています。

好きなものを見ながら臨書された字は、日記のようでもあり、
家族や周りの人たちとの関係の中で抱えてきた、松本さんの思いが表れているように思えます。
美しいもの、可愛いもの、はかないもの、小さきものに囲まれている松本さんの字は、
繊細なやさしさを超え、複雑な思いの詰まったすごみ、生まれ育った大阪のカオスさえも感じるのです。


「あたるとしいわう長唄、はるこま」他 2000頃 ハガキにペン

「なんでやー、とおこっています」 2017 33×35cm 和紙にインク

「世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし 柿本人麻呂」他 1999頃 ハガキに墨

「大切なもの」 チラシ、メモなど


彼はひこにゃんも大好き。

「巡らひの美し 祈りと光 ― アトリエひこの作品より」
2017年11月3日(金・祝) -11月20日(月)
金、土、日、月曜日の11-18時(火、水、木曜日は休み)
よろず淡日のギャラリー


【アトリエひこの石崎さんと茶話会】
11月5日(日) 14時-16時頃
茶菓代 200円
*参加ご希望の方は、淡日までご連絡ください。受付中です。





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11月の展示「巡らひの美し」よりご紹介 その2-ひこくんの仕事

2017-10-13 | ギャラリー
一雨ごとに秋が深まりますね。
11月に行う淡日の展示「巡らひの美し 祈りと光 アトリエひこの作品より」に向けて、少しづつご紹介してゆきます。

まずはアトリエひこの“ひこくん”、大江正彦さんの作品です。


パグ 2014 紙にオイルパス 27×38cm


ピアノ 2015 紙にボールペン、マーカー 24×33cm


ねこ FRP製(参考作品)

大江さんの作品は、キャンバスにアクリル絵具を塗り重ねていくことで知られていますが、
今回ご紹介する紙の作品も、画面全体を触るようにずっと手を動かして、線、色を重ねていきます。

オイルパステル、マーカーなどで描いたところに、どんどん重ねてゆく。
撫でているように、ずっと画面に触れています。
色面が、ボールペンでだんだん黒くなってゆく・・・

描いていくことと、消していくことが、いつしか重なってひとつになる、そんなふうに思います。
(立体作品は参考のため非売ですが、その他は販売いたします)

「巡らひの美し 祈りと光 ― アトリエひこの作品より」
2017年11月3日(金・祝) -11月20日(月)
金、土、日、月曜日の11-18時(火、水、木曜日は休み)
よろず淡日のギャラリー


【アトリエひこの石崎さんと茶話会】
11月5日(日) 14時-16時頃
茶菓代 200円
*参加ご希望の方は、淡日までご連絡ください

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11月の企画展「巡らひの美し」のお知らせ その1

2017-10-06 | お知らせ

10月に入り、秋がまた進んできました。
ちょっと気が早いかもしれませんが、チラシもできましたので、秋の淡日企画をお知らせします。
タイトルは「巡らひの美し 祈りと光 ― アトリエひこの作品より」、“めぐらいのかなし”と読みます。
2013年に東京・西荻窪のギャラリーブリキ星での展示「そこここ 遊通してひとつ」を踏まえての展示です。

アトリエひこは、大阪市・平野区にある知的障がいのある方の造形スペース。
1994年に、ダウン症と重い心臓疾患のある大江正彦さんのご自宅から始まりました。

・・・・・
日々を暮らしている中で、えー、これは!とか、
これはすごいなぁ、と思わせてくれること、
もの、人に巡りあうことがあります。
そしてそれと呼応している内心があります。
そこには『伏在する真の形』(彫刻家・山本恪二師)が
あるのだと思います。
内からの光とも言える大切なものを
きちんと見て取ること(見取り)をしないと、
申し訳ないことになる。
古道具もアートも福祉も村づくりも
そんな本来になってほしい。

かつて日本の古い言葉では、
しみじみと慈しむことを『かなし』といい、
愛し、美し、とも表したそうです。
『かなし』には、美しいことと悲しいこと、
両義的な感情が詰まっている。
どちらか片方だけではないのです。

知的障がいのある人のための
造形スペース・アトリエひこ。
戦時から現在までの
真摯な縁に恵まれたその在りようは、
誰にもおし寄せる現在の不安や畏れを、
その最前線で計らいのない美しさとして
巡らせてくれているように思います。
どうぞ直にご覧になって確かめてください。

祈りの街道、戦国と和平、自治の地 日夏にて

・・・・・

なお、11月5日(日)には、アトリエひこに携わっておられる石崎さんとの茶話会をいたします。
個々に日頃気になっていることを交えて、気軽に話せる場になればと思います。
参加ご希望の方は、メール、お電話で淡日までご連絡ください。

ブリキ星での展示から4年・・・その時は、まだ淡日はありませんでした。
それからバタバタと開設準備をして・・・
小さくて(大都市から)遠くて、古くて、開いてても電気が灯っていても薄暗い(笑)よろず淡日が、皆さまのおかげで何とか出来上がりました。
沢山のアトリエひこの作品から、今回は8名の方の作品を、淡日らしくご紹介したいと思います。
ご来廊どうぞよろしくお願いいたします。

「巡らひの美し 祈りと光 ― アトリエひこの作品より」
2017年11月3日(金・祝) -11月20日(月)
金、土、日、月曜日の11-18時(火、水、木曜日は休み)
よろず淡日のギャラリー


【アトリエひこの石崎さんと茶話会】
11月5日(日) 14時-16時頃
茶菓代 200円
*参加ご希望の方は、淡日までご連絡ください
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