ブログ「教育の広場」(第2マキペディア)

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議員の通信簿運動と社会運動デビュー

2007年02月20日 | カ行
 02月18日の朝日新聞に次の投書が載っていました。まず引用しま
す。

  (編集部で付けた題名)「議員に通信簿、市政が変わる」

 無党派の市民約60人でつくる神奈川県の「相模原市議会をよくする会」は、当選した市議が選挙後、どう働いているか、その働きぶりを議会の全部を傍聴してチェックし、市議一人ひとり実名で通信簿を作って、公開しています。

 発言の内容・回数、公約達成のための活動などについて、一度も質問しない「落第」、質問はしたが公約に言及しない「不可」、ある程度質問した「可」、質問回数が10回以上、公約への言及も多い「秀」などと評価。

 また、議員の調査力・行動力なども「努力を要する」「一層の努力を要する」と監視しています。

 活動には大変な勇気と努力が必要です。不偏不党の立場を堅持するのも容易なことではありませんが、市政をよくしようとする会員の熱意が、今回、2回目の通信簿に実りました。

 活動で、議員の居眠り・私語・内職・やじ・読書が激減。傍聴席も3倍に増えました。2003年の統一地方選では通信簿の影響で落選したと思われる市議(定数46)も2人現れ、市議たちは神経質なほど関心を寄せるようになりました。

 自治体の政治を変えるのは議員ではなく、選挙民であることを痛感しています。新しい市民参加の形でもあり、全国にこの風が広がることを期待します。(引用終わり)

 名前は「今野徳四郎」で「無職」とありました。年齢は68歳とありましたから、年金で生活しているのでしょう。

 以下に批判的な事を書きますが、この活動それ自体は評価していることを最初に確認しておきます。

 それを確認した上で感想を箇条書きにします。

 すぐにも思い出したのは、学生運動をやっていた頃の事で、いわゆる「実践」という言葉を使うのも大げさな事なのですが、それはともかく、何かの署名活動をしたとか、学科などで集まりを開いて人を少し集めたというだけで得意になる人が少なくなかったということです。

 とにかく、左翼では「理論と実践の統一」とやらが自明の公理で、しかもその意味が「マルクスを口にする人は政治ごっこをしなければならない」という意味であることも自明の公理でしたから、実践という名の政治ごっこをしていないと負い目を感じるし、逆に少しでもそれをすると得意になるという現象が沢山見られました。

 この投書にもその感じが出ていると思いますが、どうでしょうか。

 しかも、そうして得意になると、他者をオルグする訳です。つまり他の人にも「お前も俺のようにやれ」と言う、時には強要するのです。

 ここではさすがに強要はしてはいませんが、ほかの人に勧めているのは事実です。

 こういう人はたいていすぐに冷めてしまうものです。私も棺桶に片足をつっこむ年齢になりましたが、昔他人に実践を強要していた人がその後どうなったかは大体知っています。続けてきた人はごく少数です。もう生きていない人もかなりいます。

こういうあり方を反面教師として出てきたのが、宇井純さんや小田実さんの「一人でもやる」「一人でも止める」という住民運動のスタイルだと思います。

 では、こういう社会運動を始めた人が次にするべき事は何なのでしょうか。それは「全体の中での自分たちの仕事の位置(意義)を調査研究してみる」ことだと思います。そうすると、自分の仕事の意義と限界が分かると思います。

 そして、今後の自分の進むべき道を考えるのです。今やっている事を深める方法を考え、あるいは幅を広げる方法を考えるのです。もちろん自分の分を考えて、今のまま続けるだけにしよう、という選択肢もあるでしょう。

 今はインターネット時代でこの種の調査は昔と比べてはるかにやり易くなっています。

 とにかく、世の中の大きな枠組みは官の人々が作っているのであり、それは大きな組織になっていてとても強固で、議員の活動を監視したくらいではビクともしないものだという事くらいは知っておいた方がいいでしょう。

 以上、自分自身の多くの間違いの経験と少しの成功の経験を反省してまとめました。

 上に引用した方は今後どのように進むのでしょうか。

 これを書いたら、昨日19日には、印西市のオンブズの方が議員の政務調査費の使い道を調べて追及しているとの投書が載っていました。これをしている人はあちこちにいます。

 又、厚生労働省が病院のホームページにおける公開情報の基準を定めたので今後は患者が病院を比較して検討できる、とかいう記事もありました。

 私は先に、学校ホームページの必要条件を提案しましたが、有識者の皆さんはこういう事には気づかないようで、誰も言いません。

 やはり私は今後も「一人でやる」しかないでしょう。


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