ブログ「教育の広場」(第2マキペディア)

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教育の広場、第263号、地方政治の3条件

2007年03月17日 | 政治関係
教育の広場、第263号、地方政治の3条件

 この度、Aさんたちが「浜松・日本未来研究会」を立ち上げたそ
うです。立派なお仕事だと思います。この際、地方政治だけでなく
、一般に政治の条件というものを考えてみました。それは3つある
と思います。

 まず、政治は何かの政策を実行するものです。しかるにその政策
立案が事実上官僚に任されています。わが浜松市長の北脇さんを含
めて、首長の多くは自分で政策を考える能力がなく、幹部職員に丸
投げしています。

 職員は自分たちの仕事と予算の確保を第1目標として、「適当な
」政策を提言します。首長はそれを受け入れます。議会も役所とつ
るんでいますから、それを承認します。こうして、市民不在の政策
が実行されていくのです。

 ですから、その政策について自分たちで研究して提言しようとい
う試みは評価するべきだと思います。

 しかし、政策提言はどんなに立派なものでも、それだけで実行さ
れるわけではありません。議会を通らなければならないのです。し
かるに、その議会を構成している議員の大多数が「生きた屍」であ
り、自分の地位を守ることだけに執心しているのです。

 静岡県でも湖西市とか熱海市とか、改革の情熱に燃えた市長が誕
生しましたが、議会対策で手こずっています。

 従って、政治を変えようと思うならば、適材を生み出し、その人
が議員になれるようにしなければならないということになります。
実に松下政経塾はこれをしてきたのです。

 かつて私は論じた事があるのですが、今の日本にもし松下政経塾
がなかったら、国会を初めとする日本の政治風景はどんなに貧しい
ものになっていたことでしょう。

 地方議会に適材が進出しやすくするためには、議会のあり方を変
えることも役立つでしょう。分かりやすく言えば、議会の開催を週
日の夕方以降にするとか、土日にするとかして、サラリーマンが退
職しないで議員を勤められるようにすることが大切です。

 その時には議員の給与も今の半分くらいにし、しかるべき政務調
査費を出すべきだと思います(ヨーロッパではこうなっている国も
あるようです)。

 最後の条件は政策の実行を見守ることになります。つまり、情報
の公開であり、公務員や議員の活動を監視するオンブズ活動の確立
です。

 日本では残念ながら、まだオンブズが十分に認識さておらず、そ
れに携わる人が少なすぎます。しかし、退職者たちが「議員の通信
簿」をつける活動をして、だらけた議会を活性化させ、選挙で2人
の落選者を出したという神奈川県相模原市の例も報告されています


 公務員の活動を監視する様々な活動が展開されるべきです。

 以上のように、政治を改革するには、政策提言、議員適任者の養
成、公務員の監視、の3つが必要ということになります。

 最後に、この3条件の特徴というか性格を考えてみましょう。

 1番目の政策提言は調査研究能力を必要とするだけでなく、創造
力(想像力)も必要でしょう。本当のシンクタンクならお金もかか
るでしょう。

 2番目の議員適任者の養成は最も根本的な対策だと思います。適
任者がいても選挙に出ようという気にならないのが今の日本の状況
です。特に、地方政界ではそうです。そのために議会がなかなかま
ともにならないのです。

 それに、この議員適任者の養成はお金がかかるでしょう。松下政
経塾は松下さんの寄付した株の配当などで賄っているとか聞いてい
ます。

 3番目の行政や議員を監視する活動はかなり即効性があると思い
ますが、徹底的にやるには人手がかかると思います。

 しかし、ネットという手軽な手段が与えられた現代では、市民が
取りつきやすい方法ではあると思います。

 どんな事にも困難は伴うものですが、工夫をしてそれを乗り切り
、多くの市民が自分に合った形でこれらの活動に参加してゆくなら
ば、公正で住みよい社会になっていくと思います。

 現に我々がこのようにネットで議論をしている事自体も、そうい
う活動の1部になっていると思います。

  (これも或るブログへのコメントです)