現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

明暗寺看首児島抱庵師

2007-11-06 10:27:41 | 筝尺八演奏家
11/4京都東福寺塔頭明暗寺で「第105回尺八本曲全国
献奏大会」があった。主催は「虚竹禅師奉讃会」。

虚竹禅師は明暗寺の開祖。明暗寺は江戸時代は、妙法
院の裏山にあったが、明治になって普化宗が廃宗とな
った際、虚竹禅師像他什物が東福寺塔頭善慧院に預け
られた。その後、明治の半ばに東福寺が火災で焼けた
ことにより、尺八愛好家たちによって、東福寺再建の
浄財を集めるという名目で「明暗教会」が発足した。
そういう事情で、善慧院に明暗教会が置かれ、戦後
「宗教法人普化正宗明暗寺」として登記された。
善慧院は臨在宗の正規の寺であるが、虚無僧尺八愛好
家たちのよりどころとしての明暗寺としても機能して
いるのである。

明暗教会会員の多くは、正業を持ち、趣味として虚無僧が
吹いた曲を吹くのであって、虚無僧を生業にしているわけで
はない。

「尺八本曲大会」は、善慧院住職平住仰山師による「般若
心経」の読経ではじまり、続いて明暗寺看首としての児島
抱庵師の先導で「調子」を参加者全員で吹奏する。

その後児島抱庵師のご挨拶。滋賀県のお医者さんと聞いて
いる。もの静かな方で、淡々とした語り口にも、凛とした
気品がある。この落ち着き払った、すべてを捨て去ったよう
な悟りきった物腰。これこそ本物の“虚無”だ。私の究極の
目的とするところだが、なんのかんの講釈しているうちは、
到底近づきがたいと知る。


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