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現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

カキクケコの無い生活から足を洗いました

2015-10-16 21:15:25 | 虚無僧日記

カキクケコの無い生活を売りにしていた私でしたが、

とうとう時代の波に抗しきれず、カキクケコ人生から脱却です。

すなわち、

カード 無い

キャッシュケース(財布)持たない

クオーツ(腕時計)持たない

ケータイ(携帯電話)無い

コンピューター(スマホ、タブレット)持たない

 

とうとう、ケータイ 持ちました。「ガラケイ」です。

090-96639-182 (くろう、むさくるしい、いやにぃ)です。

お控えください。

パソコンを利用するには、クレジットカードも必須。

メールもフェイスブックもブログも、おいおいタブレットに切り替えていきます。

Eメール: komuso67@gmail.com  (虚無僧67歳にしてのgメールの意です)

 

毎日、四六時間、携帯の着信と タブレットの操作に翻弄されています。

だからイヤだと云ったのに。


愛知学院大学で「特別公演」

2015-10-16 19:21:41 | 虚無僧日記

10/15 愛知学院大学の文学部日本文化科の石黒教授の

企画で「三味線・筝・尺八が奏でる和の音色(しらべ)」という

特別講座に招かれた。尺八:牧原一路、箏:水野静江、

地歌三絃:寺町日出美、新内・端唄:荻巣不二美。

石黒教授のゼミの学生だけでなく、他学部、一般社会人も

来聴可で、200名ほどが集まり、ホールは満席となった。

平均年齢20歳の若者に和楽器の しかも古典を聴かせる。

はたしてうけるのか、「つまらぬ、たいくつ」と、そっぽ向かれるのか。

緊張のスタート。しょっぱなから尺八を吹きまくって登場。

そして水野静江さんの筝と『春の海』を演奏。学生達の目が

こちらに集中する。

演奏の後で、「この曲を聴いたことがある人?」と問いかけると、

約半数の人の手が挙がった。「では、曲名は?」と聞くと、

20名ほどが「春の海」と。「それでは、作曲者は?」と尋ねると、

手は数名ほどに。指名すると「滝廉太郎」との回答。 

結局、正解者0????。もう「宮城道雄」も過去の人なのだ。

 

こうしたやりとりの後、古代の雅楽から中世の能・狂言までの音楽史を

かんたんに紹介し、江戸時代の音楽として、筝曲『六段』、地歌『八千代獅子』、

幕末の『千鳥の曲』の三曲を演奏。後半は荻巣不二美さんにより、小唄、

端唄、新内。一時間20分は、長いような短いような、またたく間。

 

一度 締めた後で、「和楽器バンドの『千本桜』を知っている人!」と聞いたら

なんと半数の人が手を挙げた。これには私の方がびっくり。

もうそういう時代なのだ。箏を弾く人が『千本桜』を知らない。箏も三味線も

尺八も和楽器のことは「全く知らない」という人でも『千本桜』は知っている。

「邦楽」は廃れても「和楽器」は残るのだ。

 

 


愛知学院の学生 150名のアンケート結果

2015-10-16 18:46:45 | 虚無僧日記

愛知学院大学で「三味線・筝・尺八」の特別講座。

聴講生にアンケートをお願いしたところ、155名から

回答を得た。文学部「日本文化科」の学生だからか、

邦楽への関心は意外にも高かった。

「筝を習っている(いた)」という人が3人。うち一人は、

「筝のアンサンブルに所属して活動している」と。

また、「高校の時、筝曲部で全国大会にも出た」という女性も。

「長唄、雅楽、能を習っている(いた)人」が各1名。

そして「太鼓のグループでプロ活動をしている」という男性も。

 

一方、「邦楽をほとんど知らない」という人10人。「尺八も知らなかった」

という人が7人。「津軽三味線」さえ「知らない」という人が8名。

「日本文化」を学ぶ学生が「邦楽を知らないとは」、「?」である。

しかし、そういう人たちとっても、今回、生で筝、三絃、尺八の演奏を

聞けたことは、「最高に良かった」という声しきりであった。


愛知学院、学生の感想

2015-10-16 18:24:30 | 虚無僧日記

愛知学院大学の特別講座「日本音楽の歴史」で、学生にインパクトを

与えたもの。

まず、『千本桜』の神永君よろしく、尺八を吹きまくって登場したのが

強烈なインパクトを与えたようだ。「邦楽はとかく眠くなる」という

イメージを払拭した。

アンケートでも「尺八の迫力に驚いた」「冒頭の尺八で“場”の空気が

一変した」と。

そして、『春の海』は、不朽の名作だ。このメロディーには、みな

心を和やかにする。「お正月の気分」というコメントが多数。

筝曲『六段』、『千鳥の曲』は、「はかなさ、ものさびしさ、哀しさ」に

「涙が出そうになった」との声も。

 

講演の方では、

「琵琶、筝、尺八は奈良時代に、中国、朝鮮から伝わったもの。

三味線も江戸時代の少し前に沖縄か中から伝わった。すべて

外来のものだが、日本で独自の改良が加えられて伝承された。

中国では、日本と同じ楽器は存在しない。

そして、唯一、日本生まれの楽器は「大正琴」くらいなもの。

「大正琴は名古屋の大須が発祥」という話に、みな驚いたようす。

 

雅楽とともに伝わった古代尺八はドレミファソラシドの7音階だったが、

中世の尺八はドレミソラの5音階。日本文化のひとつの特徴は

「省略」にある。そして江戸時代、近世の邦筝は「ミファラシド」の5音

を基調にして、押し手であとの2音を作る。などなどに興味を示す

人も多かった。

 

そして、『千鳥の曲』の作曲者「吉沢検校」も名古屋の人、と云うと

関心はより深まったようだ。

筝、尺八の特徴としては「音と音の間の音、そして間(ま)を楽しむ」と

説明して、筝の「ヒキイロ」「後押し」「ユリ」などを実演。尺八の「スリ上げ」や

「二段メリ」を実演。「風鈴は、チリン、チリンの音を聞くのではなく、チリン

と鳴ってから、次のチリンまでの間(ま)を聞くものだ」という説明に、

みな納得。「邦楽の聴き方、楽しみ方が間(ま)にあると知って、理解が

深まった」という感想が多数。

アンケートの感想欄は、「音の数が少ないのに、それを感じさせない

繊細な技法、美しい音色に涙が出た」とか「あまりの格好良さに鳥肌が

立った」とか「今まで聞いたことがなかったのがもったいないくらい」

「やってみたくなった」と、うれしいコメントばかりでした。


北京で詩吟と尺八を披露

2015-10-16 17:06:31 | 虚無僧日記

愛〇〇〇大学の△准教授からの依頼で、10月12日、

急遽、中国北京に。

詩や五経などに節をつけて歌う全国大会で、日本の詩吟を

披露して欲しいとの要請で招かれた。石原氏を伴って参加。

石原氏の吟に私が尺八伴奏。そして私も「白帝城」を吟じた。

石原氏は漢詩も作る。漢字の読みは中国と日本では全く

違うから、言葉は通じないが、漢字の筆談で何とか通じ合えた。

中国側の参加者は文部省のお役人、漢籍の学者先生、

古書籍の図書館長、そして小中学校の教師。

「日本には唐代の建物が残されている。すごいことです」と。

法隆寺や東大寺、正倉院のことか。尺八も中国伝来だが、

現代の中国には遺されていない。

「日本での漢字の読みは、唐代の読みをそのまま伝えて

いるのではないか」とも。

中国語は「ぱぴぷぺぽ、しゃしゅしょ、ちゃちゅちょ」などが

多く、詩を歌うときれい。日本語はガギグゲゴ、ダヂズデド」

ザジズゼゾ」と濁音が多い。「峨眉山月」も「ガビサンゲツ」と

濁音が三つもある。

日本語の母音は「あいうえお」の五つしかない。詩吟の

音階もミファラシドの5音階しかない。そして、文節の最後の

母音に節廻しをつける。「千里、鶯 鳴いて」は「せんりイィー、

鶯鳴いてエェェェェェ」となる。

 

日本の詩吟界の現状は、平均年齢80歳。小中学生や

若い人をどうやって引き込むかが課題。

中国も 文化大革命で古典が壊滅したが、それを今、

文部省が学校教育の中で、節をつけて歌い、詠ずる

ことで普及しようという政策を打ち出したとのこと。

日本も多いに見習いたい。