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現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

H19.9/3(月)NHKFM「邦楽のひととき」

2007-08-04 22:38:13 | 今後の予定
毎週月曜日の午前11時~11時半、NHKFMラジオ「邦楽のひととき」。
邦楽家にとって、ここに出られることがステータスとなっている。
私は東京で2回出演しているが、名古屋に来て、筝の梶田昌艶先生に
見初め(みとめ?)られて、これで5回目の録音放送となる。通算7回目。
(昨年はモスクワに行っていて出れず。一回逃した)。今までの曲は

「春の曲」「宇治巡り」「楓の花」「千鳥の曲」そして今回は「秋の曲」

この番組は古曲専門なので、箏曲、地歌のみである。古曲なのだが、
梶田先生は、常に新しさを吹き込む努力をされる。一作年の「千鳥の曲」
は斬新だった。原曲を残しながら、そこに新しい手を加えて、一般の人が
聴いても楽しめる内容となった。

それに応えて、私の尺八も従来の楽譜にこだわらず、自由無碍に吹く。
まだ作譜中だが、録音は15日(水)放送は9月3日(月)午前11時~11時半。
ご期待くだされ。

米良美一の「よいとまけ」

2007-08-04 21:11:56 | Weblog
NHK「ラジオ夕刊」で米良美一の話を聞いた。
「もののけ姫」で一躍世に出たカウンターテナー(裏声と地声を
使い分ける)歌手である。天使の声のイメージとは裏腹に、その
半生は悲惨でみじめだったという。

生まれは、宮崎県の西都市の山の中。それこそ「もののけ姫」に
出てくるような生活。猪の肉も食べた。それに加えて、米良は
先天的に骨がもろく、すぐ骨折する難病で、背も伸びず、車椅子
に乗って養護学校に通う少年だった。それでいじめにも遭い、
ずいぶん人を恨み、世をのろったという。

それが、宮崎勉に見出され、大ヒット。
今度は「天使の声」という作られたイメージに沿うべく、障害者
であることを隠して、美しい自分を演じ続けなければならなかっ
た。それに疲れ、また障害や“おかま”であることをあくどく中傷
する記事も出て、声が出なくなり、悩み苦しんだという。

「もののけ姫」から10年。苦しんだ末に、「一切の自分をさら
け出し、ありのままを受け入れよう」と悟り、母の姿と重なる
「よいとまけ」をリリース、CDと「生きながら生まれ変わる」
という本を出した。現在36歳。

知られざる半生に驚かされ、そして流れた「よいとまけ」の歌に
心を揺さぶられた。圧巻である。「カウンター・テナーを技術的に
できる人はたくさんいるでしょうが、歌はその人の生きてきた
生き様、人生観に裏打ちされるもの」という言葉通り、「女性の
芯に秘めた強さのようなものを歌で表現していきたい」と。

私の尺八にも相通ずるものがある。尺八で「もののけ姫」をもう
一度メニューに取り込もう。歌の世界の流行も烈しく、今の子ども
たちは全く知らないが、“尺八の曲”として米良さんの思いを伝え、
広めていきたい。