監視の目

　わたしが家にいるときは常に、監視の目が光っている。
遠くから・時にはすぐ近くで、今もパソコンの下から目がランランと
輝いてている。出かける用意をしていると、いつの間にか玄関に先回りして
わたしの後ろ髪を引っ張るのです。

「生 花」

　コンサートの帰り、友人が「お茶行こう」と誘ってくれた。
わたしは、空腹だったのでその辺のファミレスで、ざるそば　でもと
想像したが、方向音痴の私は　連れられるままについて行った。
某ホテルに入った瞬間その場の雰囲気と、
自分の服装のアンバランスにとまどったが、ここまできたら、
あとへ引けず通されるまま奥へと進んだ。
ロビーには植物園のような大きな緑や花が置かれてあり、
どれを見ても新鮮で目を見張った。
一流には縁遠いわたしは、そっと緑の葉っぱをつまんでみた。
これだけたくさんの植物はみんな本物の生の花である。
百貨店のディスプレイなどは造花もあるが　やはり一流のこだわりとは
こういうものなのだと、ケーキやお茶の味の印象よりも心に残った。