2009年も残すところあと1週間あまり。
私の選ぶ2009年のMIP(Most Impressive Player)は、WBCを連覇した原ジャパンでもなく、Wシリーズで日本人初のMVPを獲得した松井秀喜でもなく、年間最多勝記録を更新した白鵬でもなく、世紀の政権交代を実現した民主党や鳩山首相でももちろんなく(笑)、そう、ピアニストの辻井伸行さんです。
世界でも屈指のピアノコンクールである「ヴァン・クライバーン国際コンクール」 に今年の6月に日本人としてだけでなく、アジア人として初優勝。
このドキュメンタリーを1ヶ月ほど前にNHKで見て、最近にない感動を覚えました。震えましたよ。
このコンクールは、原則4年に一度しか行われない権威のある大会で、世界から若くて才能のあるピアニストが集結します。
優勝すれば、賞金2万ドルに金メダル、銀製トロフィーに加え、アメリカ内外での3年間のツアー契約と録音契約が与えられ、今後の活躍の場が保証されます。
書類審査、地方予選を勝ち抜いた29名が、テキサス州フォートワースでの本戦に出場。
ここから熾烈を極める戦いがスタート。
本予選(55分のソロリサイタル)でまずは12名に絞られ、セミファイナルでは60分のソロリサイタルと室内楽のコンチェルトで競い、半分の6名に。
最後の決勝は、55分のソロリサイタルとフォートワース交響楽団との協奏曲。
これをわずか2週間あまりで行うなんて、あんまりです(笑)。
ある女性ピアニストは、「決勝に向けてどう準備しますか?」と聞かれ、「筋力トレーニングをします」と真面目な顔で答えていました(笑)。
スポーツの大事な要素に「心・技・体」という言葉がありますが、このコンクールは「心・技・体」を極限まで高めていないとまず完走できません。
他のピアニストで、最後の協奏曲を終えた後、とにかくやり終えたことに感極まって、自分の感情を抑えることのできないシーンがありましたが、心底本音の部分でした。
そこでの辻井伸行さんの金メダル。
辻井さんは若干20歳の若き青年。
しかも、知られている通り生まれつき全盲であり、右手と左手を別々に弾いてもらったのを耳で聞き、覚えるとのことで、凡人には全く理解できない学習能力。
最近は、あまりの難曲のため、片手ずつでも弾きこなせるピアニストが少ないとか。
主催者であるヴァン・クライバーンも「奇跡としか言いようがない」「まさに神業」と高い評価をし、最も印象的だったのがフォートワース交響楽団の指揮者であるコンロン氏の「聞く・感じる能力が図抜けており、普通よりコミュニケーションがよくとれた」というもの。
録画を3回くらい繰り返し見ましたが、ピアノが好きな人はもちろん、興味がない人も一度目に、耳にすると、何かを感じることができると思います。
私も、実は昔ピアノを習っており、ここ数日前から触発されて再びピアノを触り始めました。全くもって単純ですが...(笑)。
最後は、この写真で。
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