僕の家内は招き猫が好き

個人的なエッセイ?

姉の電話

2016年08月26日 | 日記
「ねぇ、聞いてくれる。」
姉が、私に、そう尋ねました。

姉は、新日鉄に努める義兄と、私の実家のお寺のそばに住んでいます。
義兄は、島根出身です。

故郷には、空き家となった家と、先祖代々のお墓があります。
何代も続いた家ですので、土葬をふくめて、数多くのお墓が、山に点在しています。

年をとったせいか、最近義兄が、お墓を整理したいと言うようになりました。

「墓じまいをして、菩提寺の永代墓に入れたいのよね」

墓じまい・・・その言葉は、悪いけど、使わないでくれる。
すごく、気分が悪くなるよ。

墓じまいって、要するに、お墓の移転のことでしょう。
そんなことは、今までも、よくあったことじゃない。

実家のお寺を見てごらん。
無縁墓だって、昔から、たくさんあったんだよ。

永代墓に入れるのもいいけど、言葉は悪いけど、ある意味、自分は何もしないって、言うことでしょう。
それだったら、今のままと、変わらないじゃないの。

今のままで、島根に行ける限り、きちんとお墓の掃除をして、
お詣りして、維持していけばいいんじゃないの。

いずれ、できなくなる時が来るかもしれないけど、そのときは、そのとき、なんだって。
お墓は、いつか自然に還るものなの。

年老いて、お墓詣りができなくなった子供たちを、恨む先祖なんかいないよ。
先祖(親)は、僕たちの幸福を願っているわけでしょう。

怠けることはいけないけど、誠意をもって接する限り、バチは当たらにと思うよ。

「夫には、そう言っとくけど、多分、永代墓に入れると思うわ。」

私のような考え方は、少数なのでしょうね。
先祖を守ることは、大変だなって、今さらのように思いました。






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