槍と銃剣

近世西洋軍事と日々の戯言&宇宙とか色々

Amazon vs MacMillan騒動

2010年01月31日 22時40分28秒 | Kindleや端末など
少し前から、アマゾンとアメリカの大手出版社で、アップルのiPadに協力を表明しているマクミラン社との間で紛争が勃発してます。
少なくとも現時点で確実なことはアメリカのアマゾンのサイトから、マクミラン社が出版している紙書籍がすべて購入不能であるということ。

10年1月29日付報道
Apple対Amazonの電子書籍戦争ついに始まる、米大手出版社MacMillianがAmazonサイトから紙書籍を撤収

10年1月30日付マクミラン社発表
Amazon/MacMillan騒動、MacMillan社CEO「仕掛けたのはAmazon側」と初めて事情を説明

当初はアマゾンの安売りに対するマクミラン社の攻勢と思われましたが、本日のマクミラン社の発表によると、Kindle用電子書籍の9.99ドル固定価格に対してマクミラン社が拒否したところ、その対抗措置としてアマゾン側が、マクミラン社の書籍を排除したということです。

電子書籍の値段を巡って、大嵐の展開になる可能性が高まってきました。

アマゾンにしてみれば、ここで強い立場を維持しなければ、iPadにやられるという危機意識が働いたのでしょう。なにせiPadはまだ売られていない。アマゾンでは多くの利用客が本を購入し続けている。妥協のない戦いをする最後の時期という判断を下すには十分な状況です。

一方、マクミラン社もおいそれとは引き下がれないでしょう。ここで引き下がれば、アップル社との交渉でも不利な立場に追いやられる可能性があります。アマゾンに勝つためにアップルも同様の値段交渉を仕掛けてくるに相違ないからです。

さて、どうなるか。
書店と出版社の力関係が大きく変化して数年、ついに決戦が始まろうとしているのかも知れませんね。

追記:
状況予測が「なるいのDRM進化論」でUPされてました。
本の価格は誰が決めるのか?Amazon vs MacMillan、不可思議な戦い

他の出版社には波及せず、双方歩み寄って収束するのではとのこと。
価格の話はまったくもってその通りで、とても勉強になりますね。

近世騎兵戦術の発展

2010年01月30日 10時16分23秒 | 大北方戦争+軍事史
ということで騎兵熱が高まったので、思いの丈を文章にしてみた。

 16世紀、ホイールロック式の短銃が一般化したことを受け、騎兵戦術はその形態を変更せざるを得なく なった。短銃を装備した騎兵は、従来まで騎兵の花形であった装甲槍騎兵に対して優位を獲得したのである。これは槍が敵騎兵を攻撃し得る至近距離において、取り回しに難のある槍よりも短銃の方がその威力 を発したことによる。短銃の射程距離は短く、至近でなければ狙ったところに当たらなかったが、それでも槍の届く距離においては、絶大な威力を発揮した。更に装甲の継ぎ目や馬を狙うことも発見され、重長な鎧が無効化されることとなった。これらにより短銃騎兵は、最終的に装甲槍騎兵を戦場から駆逐することに成功した。
 しかし、対騎兵戦に優れる一方で、短銃騎兵は歩兵に対する攻撃力を失っていた。槍を持たない彼らは 、地面に立つ歩兵を攻撃する手段としてカラコールと呼ばれる、縦深を深く取った陣形で各列が入れ替わり射 撃しては後退するという射撃戦術をとったからである。これは、明らかに、騎兵にとって効率の悪い攻撃方法 であった。そこで、装甲槍騎兵の時代、騎兵の最強国として名高かったフランスはアンリ大王の治世下、短銃騎兵に装甲槍騎兵のような突撃戦術を融合することを試みた。
 これは、敵に近付き射程距離内に入ると射撃を行い、抜剣して敵陣に突撃するという戦術である。この戦術は、対歩兵戦における騎兵の攻撃力の復活を意味した。
 また、この戦術は、対騎兵戦においても優位を獲得した。かつては至近距離で2~6挺の短銃を持つ騎兵が敵の騎兵の至近距離にまで接近して射撃を行い、乱戦に持ち込んで、装甲槍騎兵を撃破したが、これには 短銃を持ち変えるという無防備な作業が必要とされた。しかしこの時の敵は重たく取り回しの利かない槍 を武器としていたため、その欠点は致命的にならなかった。一方、突撃戦術は短銃から剣に持ち変える瞬間を除いて、攻撃を連続的に行うことが出来た。また剣は槍に較べて取り回しが利き、乱戦時、短銃の銃床で対応するしかなかった純粋な短銃騎兵は苦境に追い込まれた。更にまた、射撃の後に突撃を行うため 、敵により接近して射撃を行うことがより強調され、それが実施された。純粋な短銃騎兵においても、同様のことが強調されたが、近接しすぎたときの不安が先に勝ち、なかなか上手く実施できなかった。このため 、最初の射撃戦においても、その後の近接戦においても、この抜剣騎兵は優位に立つことが出来た。
 この戦術が大々的に有名になるのはスウェーデン王グスタヴ2世・アドルフによる勝利によってである。彼 の騎兵は貧弱であり、資金の不足にもたたられ短銃も少なかった。そのため彼は、縦列を少なくし、射撃戦術ではなく、射撃後、剣を抜いての突撃戦術を多用した。もっとも彼の敵、帝国軍騎兵指揮官パッペンハイ ムもすでに射撃した後に突撃するという同様の戦術を実施するようになっており、伝説に言われているほど、 グスタヴの騎兵が活躍したわけではなかった。
 最終的にこの戦術は3列程度の横隊を組んで並足あるいは速歩トロットで前進し、短銃あるいはカービンの射程距離まで近付いた後、一斉射撃を行い抜剣して突撃すると言う戦術となった。この方式はフランスや オーストリアなどで採用された。しかしこの方式は、純粋な短銃騎兵に比べれば遙かに突撃力を確保して いたにもかかわらず、射撃のために前進を停止せざるを得ず、突撃のモーメンタムの多くを犠牲にしていた。 火力信奉者らはこの方式を突撃力と火力の融合としてある程度評価していたが、突撃力信奉者は、これを生ぬ るいと感じていた。その結果、射撃を行わずに直ちに抜剣突撃する戦術が生まれた。
 この方式の利点は、突撃の威力を最大限発揮できることにあった。射撃時、そしてその後の抜剣時において 騎兵はどうしても速度をゆるめるか、あるいは停止しなければならなかったが、始めから剣を抜いているこの 騎兵は、速度をゆるめることなく突撃を行うことが可能だった。
 おそらく、この種の突撃騎兵を広めたのはテュレンヌ元帥であった。彼はしばしば騎兵に射撃を許さず突撃させ、成功を収めている。そして、彼の部下であったマールバラ公とスウェーデン貴族によってこの方式の突撃騎兵が、イングランドとスウェーデンにもたらされた。特にスウェーデンに関して補足しておくと、グスタ ヴ2世・アドルフが短銃の不足により射撃なしの突撃を行ったことはあったが、それは定着化せずその場 しのぎで終わっていたと現在では思われている。そのため純粋な抜剣突撃は、テュレンヌの下で働いていたス ウェーデン貴族がスコーネ戦争時に実施するまでスウェーデン騎兵の基本戦術ではなかった。
 テュレンヌの撒いた種は十八世紀初めの二つの戦争で、大きな華を咲かせた。スペイン継承戦争ではマールバラが、大北方戦争ではカール12世がそれぞれ純粋な抜剣騎兵突撃を実施し、フランス・ドイツ諸侯・ポーラ ンド・ロシアといった依然として短銃による射撃を行った後に突撃を行う騎兵あるいは旧来型の槍騎兵など、これまでの騎兵をことごとく撃破したのである。
 もっともマールバラとカール12世の騎兵とではその突撃方法は大きく異なった。両騎兵ともに突撃時の射撃 が禁じられていたことまでは同一であったが、それ以外の方式は全くの正反対であった。


疲れたので終わる。読み返してないので間違い多数かもしれない。
まぁいいか。

騎兵は死なず

2010年01月30日 10時08分14秒 | 大北方戦争+軍事史
アフガンでアメリカの特殊部隊が馬を用いているという話は知っていましたが、
詳しい話が
祖国は危機にあり 関連blogというブログで
21世紀の騎兵突撃
として紹介されていました。

不謹慎ですが、ワクワクしました。
確かに紹介にあるように、物語性が強すぎるけど、十分すぎます。
Horse Soldiers、買ってしまおうかな?

騎兵という兵種のしぶとさを感じてしまった。
やっぱり中央アジアには馬が似合う。
乙嫁語りとかね(笑) 全然、騎兵じゃないけど。

ということで久々に騎兵熱が高まりました。
なにか書こう。 よし書いた

ちなみに坂の上の雲は見ませんでしたが・・・・・・

KindleがiPadに負けない10の理由

2010年01月30日 09時30分40秒 | Kindleや端末など
こんな記事が出ている。
Apple iPadがAmazon Kindleに勝つ10の理由

まぁ言いたいことは分かるが、イマイチ納得できない。
Steve Jobsの審美眼? 
アップルがセクシーだって?
あの携帯電話としては馬鹿でかすぎるiPhoneを見てそんなこと言っているの?

iBooksストア?
日本では紹介ページが削られてたよ。
iPad日本版ページがオープン。3月から発売、iBooksの記述なし

互換性?
Calibreを使えば問題なくePubもコンバートできますが、なにか問題でも?

マルチ機能?
Kindleは本ですよ? 映画じゃない。 僕は本が読みたいんです。

とまぁ色々と言いたいことはある。
大体が、この二つを比較するのは電卓と手帳を比較するようなものだと思います。

で、上の記事には
KindleがiPadに負けない10の理由
という英語の記事のリンクもあったので、適当に翻訳してみました。


***************
今日、TechCrunchに「Apple iPadがAmazon Kindleに勝つ10の理由」という記事が投稿された。

確かにiPadは幾つかの点でKindleと競合している。特に489ドルのモデルでは。しかしそれはKindleを殺すものだろうか? まったくもってあり得ない。ではKindleがiPadに負けない10の理由をここにあげよう。

1)値段:Kindleは269ドルだ。でもiPadは499 ドルだ。しかも269ドルのKindleは本を読むという点で非常に素晴らしい出来だ。そしてもし、アマゾンが199ドルまで値下げしたら・・・・・・もう勝負にもならないね。

2)e-Ink:読むのが楽しくなる出来だ。これはもう言い尽くされている。

3)眩しさ:バックライトのあるiPadの液晶で長時間の読書をするなんて考えられない。目が疲れて大変だろうさ。加えてKindleは日光の下でも問題なく読める。iPadで試してみな。

4)3G通信:Kindleにはこの機能があって、しかも無料だ! そして世界中どこでも使える。一方、iPadはまず130ドル追加しないと3G通信機能は付いてこない。次に月30ドル(または15ドル)をAT&Tに支払わないと3Gを使うことが出来ない。おまけにサインアップと支払いが面倒くさくて、しかもAT&Tの接続性は最悪だ。

5)Amazon vs iTunes:Amazonにある殆どの本はダウンロード可能だ。そしてApple/iTuneの鎖にずっと繋がれるようなことはない。Appleはあらゆる点で、自分がコントロールできなくなることを嫌っている。そして近い将来においてもこの態度が変わることはない。

6)大きさ:KindleはiPadよりも小さくて持ち運びやすい。まるで普通の本のようにどこにでも手軽に持ち運べる。iPadはと言えば、携帯性があるといっても、ノートパソコンを持ち運ぶようなものだ。

7)重さ:Kindleは約270g、一方iPadは約680g。Kindleの方がどこへでも持ち運びやすい。おまけに片手で長時間持っていても疲れることはない。iPadで試してみたまえ。

8)バッテリー寿命:Kindleは一回の充電で約2週間。これは長時間の飛行機移動や長い休暇で本を読むのに最適だ。iPadは10時間だと言っている。多分、実寿命はこの半分程度だろう。

9)タッチ:iPadはタッチデバイスだ。これはページをめくるたびに指紋が画面に付くので、頻繁に画面を拭く必要があるということだ。こんな問題はKindleにはない。

10)壊れやすさ:最後に、僕は5才や10才の子供にKindleを気軽に与えることが出来た。だって落っことしたりして壊す心配をしなくて良いからだ。iPadの高価そうで壊れやすそうなパネルを見てごらん。だからKindleは子供たちが毎日学校に持って行く重たい教科書の束に代わることが出来るんだ。


如何でしょうか?
まぁこじつけもありますね。
でも僕はKindleの方が好きです。
これで拡大縮小機能やPDF機能を充実させてくれれば言うことないです。

電子ペーパーの表示速度?
本のページをめくるのと大差ないよ。






iSlate改めiPad

2010年01月28日 21時30分38秒 | 大北方戦争+軍事史
遂に発表されました、アップルタブレット。
その名もiSlate改めiPad。

でもやはり、欲しいと思えませんでした。
要するに、大きいiPhoneのようです。
Flashも動かない。USBポートもSDスロットもない。
カメラもないので、仮想現実も楽しめない。
マルチタスクにも非対応。
アップルの縛りがガチガチに結ばれていそうなのも、残念でした。

値段が思ったよりも安かったのが唯一良かったくらい。
あと、連続10時間の駆動は良い。
ただ実際の使い方で何時間か分かるまでは何とも言えない。

加えて電子書籍を読むにしても、液晶だと疲れるので、余り好みではない。

というわけで喜んでいるのはアップル好きの人々だろうと思いました。
i-Phoneのアプリがそのまま使えるのはi-Phoneユーザーにとっては大きな利点だろうけど、
もってない私には関係のない話である。

以上のことから、個人的には残念でした。

もっとも、世間はきっと称賛するんでしょうね。

さて、これに対してアマゾン・キンドルはどうするのか?

こんな記事があります。

iPad vs Kindle:Amazonはどう応じるべきなのか?

単一機能でいくのか、エンターテイメント路線に梶を切るのか?
興味深いところです。

おそらく次のキンドルに採用されるだろうミラソルディスプレイの出来次第なのかなと思います。
今の電子ペーパーの実力ではカラーにしたところで、
液晶採用のタブレットPCとエンターテイメント路線で勝負しても
勝負にならないのは目に見えていますので。

追記:
タブレットPCを買うとしたらChrome OSが入った奴を買うでしょうね。
少なくとも、i-Padより自由度が高いはずだから。

Kindleで漫画発売

2010年01月27日 23時10分45秒 | Kindleや端末など
ついに正式に日本語の漫画がKindleストアで販売されたようです。
ハーレクインの漫画の英訳は前に売られていましたが、日本語の漫画はこれが初なのかな?

日本初?の Kindle マンガが登場 - うめ「青空ファインダーロック」

解像度などで色々と制約があるし、見開き設定なんかも厳しい。
まだまだ発展途上のようです。
また、通信費が割高なのがネック。

試しに買ってみようかと考えています。
「AOZORA」で検索すると良いらしい。

しかし遂に、来るべき時が迫ってきているような気がします。

アップルタブレットが発表されれば、この流れはさらに加速するのでしょうか?

Kindleを使った新人売り込み

2010年01月25日 22時08分16秒 | Kindleや端末など
面白い記事がありました。
著者の知名度向上のため、電子書籍端末「Kindle」上で作品を0ドル販売する出版社が急増中

無名の新人を売り込む手段としてタダで本を配るというわけです。
アメリカの場合、読み捨てが多いと聞くのでこれもありなのでしょう。
もっともアメリカ国内でも問題に上がっているとのことなので、一般化するかは不明。

ただ、電子出版が一般的になって、印刷コストがかからなくなってくると、こういうやり方は増えるかも知れませんね、たしかに。

ニコニコなど動画の世界では既に、無料の世界で有名となってプロになるということも発生しているし、あながち間違った戦略とも言えない。

書籍の世界でもオンライン小説やケイタイ小説などであった話。
最近は余り聞かないけど。

しかしこういうのが一般的になってくると、
自分の小説サイトを開いたり既存の小説投稿サイトに投稿するのと同じ感覚で、
手軽にKindleでゼロ円出版して読んでもらって評価をもらうなんてことが
普通になるのかもしれない。
(ダウンロード料金とか、アップロード料金とか今後どうなるか次第ですが)

ニルス・ビールケ伝

2010年01月24日 09時14分53秒 | 大北方戦争+軍事史
随分と昔にブログで取り上げた人物、ニルス・ビールケ陸軍元帥。
英雄にして悪臣
その簡単な伝記です。
無断転載しないでくれると嬉しいですが・・・・・・

ニルス・ビールケ(1644年2月7日ストックホルム-1716年11月26日)

1678年陸軍中将、1679年-82年駐フランス大使、1687年ポンメルン総督、1690年陸軍元帥。1687年にBielke af Åkerö として伯爵に叙せられたことから、その一族の開祖となった。

 男爵トゥーレ・ニルソン・ビールケとその妻クリスティーナ・アーナ・バネルの長男である。1648年に5月11日に父が亡くなると、翌1649年、クリスティーナ女王は正統フィンランド州沿岸の群島にあるコルポ(Korpo)の男爵領をこの幼子が相続することを認めた。彼は1661年から62年の間、クラエス・トット(Claes Tott)に従って外交使節の一員としてフランスに赴いた。その後、帰国すると数年間、太王太后の宮廷に出仕した。
 1669年、彼はエヴァ・ホルン伯爵令嬢と結婚した。彼女はビョルネボリ家系の伯爵グスタヴ・ホルン元帥と彼の二番目の妻シグリッド・ビールケ(1620-1679)の間の一人娘で、その女相続人であった。

 29歳の時、親衛騎兵隊(Livregementet till häst)の隊長として大佐に任命され、スコーネ戦争に参加する。スコーネ戦争中(1675-79)、彼は組織者として、また指揮官として重要な役割を担い功績を立てた。特に1676年のルンドの戦いにおいて、親衛騎兵隊550騎を率いて目覚ましい働きをした。カール11世は戦いの後、デンマーク騎兵を退却に追い込んだ彼の突撃を評して「私の王冠はビールケの王冠に掛かっていた。神に次いで、ビールケと彼が率いた我が親衛騎兵隊に、この勝利を感謝したい」と述べている。
 これらの戦いの功績により1678年陸軍中将に昇進する。翌年、平和が訪れると彼はフランスへ大使として派遣される。大使に任を終え祖国に戻ると、外国で軍務に付く許可を得て、1685年ハプスブルク家による対トルコ戦争に参加する。彼はここでも様々な戦いで功績を立て、1686年、帝国陸軍大将となり帝国伯となる。スウェーデンに戻ると僅か1年後の1687年に国王参事、ポンメルン総督、王国陸軍大将、そして伯爵に叙せられる。

 しかし彼は土地回収政策で打撃を受けた貴族の一人であり、親フランス派として当時、対フランス大同盟寄りの中立を維持していたスウェーデンの外交方針と対立していた。またポンメルン総督の地位は彼に多くの富をもたらしたが、これは土地回収政策の実施側に付くということでもあった。
 こうして徐々に、カール11世への影響力は薄れ始め、1690年代初頭の個人外交の結果ついには寵愛を失することとなった。その後、カール12世がスウェーデン王となると、1698年、彼は逮捕され種々の権力乱用で訴えられることとなった。王命に叛いたこと、悪貨を作り私服をこやしたことなどが罪状である。長い裁判の末、1705年に彼は法廷において死刑が宣告され、名誉と所領も没収と決まった。しかし太王太后やヘードヴィク、ウルリカ両王女の取りなしにより彼は王命によって死刑を免ぜられた。

 しかし彼はハンガリーでの戦いで得た動産や、その他の所領などを全て失った。また、ストックホルムの在住や宮廷への出仕を禁じられた。妻の所領であったために唯一残ったゲッデホルム(Gäddeholm)とサーレスタッドの領地に彼は引きこもり、おそらく心臓の病でサーレスタッドで1716年11月に亡くなった。72才だった。この裁判の裏にはビールケと敵対していた王国官房の策謀があったとされる。

Kindleの次の一手

2010年01月21日 23時39分45秒 | Kindleや端末など
どうやらアマゾンはKindleの覇権を簡単にアップルに譲る気はないようである。
そして当然、出版業界と消耗戦をすることもいとわないと決意したようだ。
もともと、対決姿勢はあきらかだったが、ここに来て、さらに一歩進んだ決定を下した。

Amazon、Kindleのデジタル出版に新しく70%のロイヤルティ契約を用意
米Amazon、電子書籍端末「Kindle」で著者の印税率を70%に引き上げ発表、Appleタブレット対策か?

これはかなり、著作者にとって有利な話であるし、出版社から見れば著作者の一本釣りとも取られる行為である。
しかしその一方で、アマゾンにとっても利益率が減るため、下手をすると収益を悪化させるだろう。
この決断の裏にアップルのタブレットPCがあることは疑いない。
吉と出るか凶と出るか、それはKindle Booksの売り上げ次第である。

また、書籍だけでなく、アプリケーションの世界にもアマゾンは足を突っ込んで、
アップルに代表される多機能製品に対抗するようである。

電子書籍端末「Kindle」用のゲームも開発できる? 米AmazonがKindle Development Kitを発表

これが現在のKindleに付いている五目並べのような単純なゲームのみなのか、
それとももっと色々と役立つアプリの開発まで可能なKitなのかは不明であるが、
このアプリもまた、Kindleストアで購入でき、70%のマージンを受け取れるようである。

仮に使い勝手の良いさまざまなアプリが開発できるならば、
(例えば青空キンドルをkindle上で利用できるようにするアプリなど)
Kindleの利便性、汎用性は格段に向上していくだろう。
アップルストアを意識しているのかも知れないが、
もし、役立つアプリが沢山生まれる余地のあるならば、
Kindle離れを食い止める最良の一手になるだろう。

Kindleの覇権は揺らぐのか?

2010年01月20日 22時03分49秒 | Kindleや端末など
さて、日本では大同団結してアマゾンのKindleに対抗することでほぼ一致しましたが、
世界的にはどうなのでしょうか?

CES 2010における電子ブックの話題、あれこれ

こちらの記事にあるとおり、現在の電子書籍形式の趨勢は
アマゾン主導のKindle独自形式
vs
Google Bookでも採用されたEPUB連合
となる。
アマゾンお膝元の北米外ではEPUBがかなりの勢いを持っているのは、
その汎用性から言って当然なのかも知れない。
グーテンベルクプロジェクトもEPUBである。
最近になって、ACCESSが
携帯端末向け電子書籍閲覧サイト開設
しているのもその勢いを現している。

はたしてアマゾンはこれに対抗し続けられるのか。

その対策の一つが門戸を広げて誰でもKinlde形式で
電子出版してストアにならべられるようにすることだろう。
このことはやはりよく理解していると見えて
既に、
無料電子出版サービスKindle DTPが英、独、仏で利用可能に

というように、アマゾンの影響力が少ない欧州への出版サービスを展開し始めている。

今後更に世界展開させてシェア確保を狙うだろう。
実際、出版社を通さずに作者が直ぐにビジネスに展開できる簡便性から、相応の効果が発揮されると想定される。
日本でもブラックジャックによろしくの作者がネット直販を行っており、
こういった著作者にとって、Kindleでの自作出版は一つの選択肢となる。

しかし問題、データ形式だけではない。
端末そのものについても未来は不確定である。

電子書籍端末としてのKindleは所謂、電子書籍特化型だが、
これの完全対抗として、もうすぐAppleのタブレットが発表される。
個人的には書籍端末は特化型が良いと考えているが、
Appleの影響力は非常に大きく、端末市場に与える影響は計り知れない。
一夜にして勢力図が塗り替えられることもありえるだろう。

仮にAppleのタブレットが3月に発売され、
これも噂があるアマゾンのKindle3も夏頃には発売されるだろうから、
どちらのタイプが市場でより評価されるのか
今年の終わりまでに勝負の行方は大体判明するだろう。