新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

階段紀行・ヨーロッパ オーストリア編③ シュテファン大聖堂の説教壇、オットー・ワーグナーの螺旋階段

2021-05-25 | 階段紀行・ヨーロッパ 

 ウイーン中心部に高さ137mの尖塔がそびえる。ゴシック様式のシュテファン大聖堂だ。18世紀から19世紀に栄華を誇ったハプスブルク家の元で帝国随一の大聖堂として世に知られた教会だ。

その身廊の中ほどにアントン・ピルグラム作の豪華な説教壇がある。16世紀初頭、中世末期の製作だが、階段の手すりを見ても繊細な装飾が施されているのがわかる、また、4人の教会博士の迫真のレリーフもあり、数ある各地の説教壇の中でも最高級の価値が認められている。

 ステンドグラスの光を受ける主祭壇は、聖堂の名前にもなっている聖シュテファンの受難のシーンが描かれた祭壇画が飾られ、豪華な装飾に満たされている。

 ここではモーツアルトが結婚式と葬儀を行ったことでも知られるが、葬儀に関しては失意の中でひっそりと小さなチャペルで行われた。そして墓はなく、教会裏側の地下室にわずかに銘板が置かれているだけだった。

 そうそう、テーマの階段に話を戻そう。ウイーン最大の市場ナッシュ・マルクトの近くに集合住宅マジョリカハウスがある。ウイーンにおける19世紀末の新しい芸術運動ユーゲントシュテールの中心的存在となったオットー・ワーグナーの設計による建築だ。

 壁一面に張り巡らされたマジョリカ焼きのタイルに、花模様を中心とした華やかな装飾が施されている。

 現在も居住者のいる住宅なので中に入ることは出来ないが、ちょうど一階部分が開いており、その階段を観察することが出来た。

 金属的なきらめきを見せる階段入口付近。

 階段とエレベーターが一体化している。中央の吹き抜け部分はエレベーターシャフトになる構造だ。

 階段を見上げる。まるで飴ん棒細工のような絶妙な螺旋具合と手すりの装飾にほれぼれする。

 最後に、あのカラヤンも8年間指揮を執ったという国立オペラ座。夜の食事からの帰り、ライトアップされたオペラ座の姿に出会ったが、その華やかさは見事なものだった。

 

 

 


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