新イタリアの誘惑

ヨーロッパ・イタリアを中心とした芸術、風景。時々日本。

上野歴史散歩㉟ 東博敷地内には変わったものがいろいろ。大名屋敷の門、鬼瓦、ジェンナーの像

2023-01-24 | 上野歴史散歩

 東京国立博物館の敷地内に堂々とした黒い門がある。これは旧因州池田屋敷の表門。

 因州(島根県)の池田家は、徳川家とも婚姻関係にある大名で、丸の内大名小路(今の丸の内3丁目、帝国劇場付近)に上屋敷があった。立派な門だけに明治になって東宮御所に移転、さらに昭和時代1954年に現在の地に移築された。

 大名屋敷の門が現在もそっくり残されているのは、東大の赤門(加賀藩)とこの黒門の2つだけで、重要文化財に指定されている。

 晴れた日、都美術館側から歩いて来ると、正面に風格を漂わせたこの門が見える。

 東博敷地内でこの門に近づくと、手前に大きな鬼瓦がデンと鎮座している。これは池田家とは無関係、福岡黒田家の江戸屋敷にあった鬼瓦が、ここに保存されている。

 建物の棟飾りに用いられたもので、鬼の面にはなっていない。大胆で複雑な雲文(雲の形をした文様)が特徴で、ちょっと見入ってしまった。こうした雲文は中国の美術工芸品に広く使われていたものが、我が国にも伝わってきていた。

 一方、東洋館の建物の横にひっそりと建つ西洋人の像がある。調べてみると、何とこれは種痘を発明したイギリス人医師ジェンナーの像だという。種痘発明百周年を記念して1896年に設立されたそうだが、どうして博物館の敷地内に建てられたんだろうか?

 台座にはジェンナーの名前が「善那」と漢字で記されていた。

 


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