オペラ座の大階段を 上っていると
踊り場の空間に 何かピラミッド形の
装飾物が置かれているのに 気付いた
近づいて見ると あらこれはバレエシューズ
そうだ この建物はオペラ座と呼ばれているが
今は姿を変えているのを 思い出した
1989年にバスティーユ広場に オペラバスティーユが建設され
そちらがオペラ公演の 主劇場となったため
この劇場は バレエ公演がメインの場所となっている
百足以上のシューズが見事に組み合わされて 長い円錐柱となって積み上げられ
独特の輝きをさえ放っている シューズの山
オブジェと一言で片づけられないような 神々しささえ感じる
世界でもトップクラスの この劇場でのバレエ公演で
トップに上り詰めるには 大変な試練が 待っているという
まずオペラ座バレエ学校への 入学が必要だ
卒業しても研修生になれるのはは 5~20%
さらに年1回の昇進試験にパスしなければ 正式団員になれない
団員は5階級に分けられ 最高位のエトワールに君臨できるのは
たった10数人という ごく少数の限られた人だけだ
そんな華やかな舞台の裏には 厳しい競争があることを思うと
このバレエシューズの山にも 汗と涙が染みついているのだろうか
と錯覚してしまう 自分だった