2018/11/23,共助、人生が複雑さを増すため、友人と一緒に過ごす時間を確保する定期的なアクティビティ、交友関係を広げるべき、地元のジムで汗を流している。同じメンバーの女性たちと月に一度ランチを共にしている。コミュニティーへの帰属
課題1:米メリーランド州ボルティモア在住のアラン・J・フィンクさん(64)は週に2、3回、母親の切実な声に耳を傾ける。一緒に外出できる仲の良い友人がほしいというのだ。 88歳になる母親にも、フィンクさん自身にとってもそれが目下の悩みだ。 「20年後、母と同じ立場になりたくない」。フィンクさん(64)はそう話し、もっと交友関係を広げるべきではないかと焦っている。「そうすれば、いずれお互いの存在が必要になったとき、いつでも連絡を取り合えるから」 医学的・心理学的・社会的な観点から、年を取るほど幸福には友人が不可欠なことを示す調査結果が増えている。一方、多くの人は年齢を重ねると交友関係を保ち続けるのが難しいと感じる。
課題2:「意図的に友人を顧みないわけではない」。友人関係や社会に役立つ技術革新について調査する豪企業、ヒンターランド・イノベーションのライアン・ハバード社長はこう指摘。友人を失うのは大抵の場合、人生が複雑さを増すためだと同氏は言う。課題3:年齢が高くなるにつれて、そうした親しい交流は人生の喜びをもたらすだけでなく、痛みや苦悩を伴うことが増え、時として大変骨の折れる作業となる。また一定のリスクもはらんでいる。解決策1:心理学やコミュニケーション学などの研究によると、友人のネットワークを強力に維持するためにできることは多々ある。人生のどの段階でもそうだが、友人を最も必要とする人生終盤には特にその重要性が高まる。 1つのシンプルな戦略は、ハバード氏の言う「容器」を作ることだ。友人と一緒に過ごす時間を確保する定期的なアクティビティを指す。例えばフィンクさん(64)は週に3回、生涯の友であるアルビンと一緒に地元のジムで汗を流している。
「あるスポーツクラブでは出入り禁止になった。しゃべってばかりでトレーニングをしなかったからだ」とフィンクさんは笑った。 解決策2:また妻のジュディ・ローサックさんはこの約10年間、同じメンバーの女性たちと月に一度ランチを共にしている。「その間に子どもたちは結婚し、孫が生まれ、さまざまな健康上の問題も起きた」と彼女は話す。「毎回レストランを出る前に、全員が自分の予定表を取り出し、次回のランチの日程と場所を決めることにしている」解決策3:「友情は本来、緊張を伴うものだ。お互いを選択する必要があり、それが失望に変わる可能性もあるからだ」。オハイオ大学のウィリアム・K・ローリンズ教授(コミュニケーション学)はそう指摘する。親しい関係を続けるため、時として多少の疑念には目をつぶり、思いやりを持ち続ける必要がある。 調査結果によると、会わなくても友情が長続きすることは往々にしてある。スタンフォード大学長寿センターのローラ・カーステンセン教授(心理学・公共政策)はそう指摘する。再会すれば、親密な感情がたちまちよみがえるのだという。 だが、連絡もなく何の説明もなく時間が過ぎてしまったときは、自分から連絡を取ることをローリンズ教授は勧める。「職場や家庭のことで何かお変わりありませんか。ぜひ話を聞かせてください」というふうに切り出すのもよい。
解決策4: 一方で、新しい友人を作ることは、人々が思っているほど難しいことではない。ハバード氏とともに現代社会の友情についての報告書をまとめたロビン・パーキン氏は、機会さえあれば、親友になり得るような同僚や顔見知りがいつも周囲にいるはずだと話す。同氏は身近なガーデニング用語を使い、そうした友情を育てるプロセスを「鉢の植え替え」になぞらえる。友情は生きた植物と同じように、最初の容器からはみ出して育つ可能性がある。例えば、仕事で培った古い友情が、引退後に興味や活動を共有することで新たな段階に発展することがある。ゴルフや料理、ハイキング、ガーデニング、写真、地域活動など何でもよい。 「仕事を通じて親しくなった場合、状況が変わると、新たな容器が必要になる。つまり、それを植え替える手段だ」とパーキン氏は言う。 だが例えば引っ越しなどで、友人関係がダブルパンチに見舞われることがある。残してきた友人と仲良くし続けるのが難しいうえ、転居先では新たな友人を見つけなければならないような場合だ。
ドリス・サランガさん(77)と夫のマイクさん(80)はそれぞれ仕事の都合で、カリフォルニア州とニューヨークを何度も行き来した。ドリスさんによると、引っ越すと必ずシナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)の近くで家を探した。コミュニティーになじみやすく、信仰の教えを守るのも容易だからだ。そのおかげで古い友人と交流しつつ、新たな友達も作れたという。
解決策5: 「コミュニティーへの帰属は、私にもマイクにも重要なことだった」と彼女は言う。「あちこちに引っ越す場合、そうした努力が必要になる」
https://diamond.jp/articles/-/186486
課題1:米メリーランド州ボルティモア在住のアラン・J・フィンクさん(64)は週に2、3回、母親の切実な声に耳を傾ける。一緒に外出できる仲の良い友人がほしいというのだ。 88歳になる母親にも、フィンクさん自身にとってもそれが目下の悩みだ。 「20年後、母と同じ立場になりたくない」。フィンクさん(64)はそう話し、もっと交友関係を広げるべきではないかと焦っている。「そうすれば、いずれお互いの存在が必要になったとき、いつでも連絡を取り合えるから」 医学的・心理学的・社会的な観点から、年を取るほど幸福には友人が不可欠なことを示す調査結果が増えている。一方、多くの人は年齢を重ねると交友関係を保ち続けるのが難しいと感じる。
課題2:「意図的に友人を顧みないわけではない」。友人関係や社会に役立つ技術革新について調査する豪企業、ヒンターランド・イノベーションのライアン・ハバード社長はこう指摘。友人を失うのは大抵の場合、人生が複雑さを増すためだと同氏は言う。課題3:年齢が高くなるにつれて、そうした親しい交流は人生の喜びをもたらすだけでなく、痛みや苦悩を伴うことが増え、時として大変骨の折れる作業となる。また一定のリスクもはらんでいる。解決策1:心理学やコミュニケーション学などの研究によると、友人のネットワークを強力に維持するためにできることは多々ある。人生のどの段階でもそうだが、友人を最も必要とする人生終盤には特にその重要性が高まる。 1つのシンプルな戦略は、ハバード氏の言う「容器」を作ることだ。友人と一緒に過ごす時間を確保する定期的なアクティビティを指す。例えばフィンクさん(64)は週に3回、生涯の友であるアルビンと一緒に地元のジムで汗を流している。
「あるスポーツクラブでは出入り禁止になった。しゃべってばかりでトレーニングをしなかったからだ」とフィンクさんは笑った。 解決策2:また妻のジュディ・ローサックさんはこの約10年間、同じメンバーの女性たちと月に一度ランチを共にしている。「その間に子どもたちは結婚し、孫が生まれ、さまざまな健康上の問題も起きた」と彼女は話す。「毎回レストランを出る前に、全員が自分の予定表を取り出し、次回のランチの日程と場所を決めることにしている」解決策3:「友情は本来、緊張を伴うものだ。お互いを選択する必要があり、それが失望に変わる可能性もあるからだ」。オハイオ大学のウィリアム・K・ローリンズ教授(コミュニケーション学)はそう指摘する。親しい関係を続けるため、時として多少の疑念には目をつぶり、思いやりを持ち続ける必要がある。 調査結果によると、会わなくても友情が長続きすることは往々にしてある。スタンフォード大学長寿センターのローラ・カーステンセン教授(心理学・公共政策)はそう指摘する。再会すれば、親密な感情がたちまちよみがえるのだという。 だが、連絡もなく何の説明もなく時間が過ぎてしまったときは、自分から連絡を取ることをローリンズ教授は勧める。「職場や家庭のことで何かお変わりありませんか。ぜひ話を聞かせてください」というふうに切り出すのもよい。
解決策4: 一方で、新しい友人を作ることは、人々が思っているほど難しいことではない。ハバード氏とともに現代社会の友情についての報告書をまとめたロビン・パーキン氏は、機会さえあれば、親友になり得るような同僚や顔見知りがいつも周囲にいるはずだと話す。同氏は身近なガーデニング用語を使い、そうした友情を育てるプロセスを「鉢の植え替え」になぞらえる。友情は生きた植物と同じように、最初の容器からはみ出して育つ可能性がある。例えば、仕事で培った古い友情が、引退後に興味や活動を共有することで新たな段階に発展することがある。ゴルフや料理、ハイキング、ガーデニング、写真、地域活動など何でもよい。 「仕事を通じて親しくなった場合、状況が変わると、新たな容器が必要になる。つまり、それを植え替える手段だ」とパーキン氏は言う。 だが例えば引っ越しなどで、友人関係がダブルパンチに見舞われることがある。残してきた友人と仲良くし続けるのが難しいうえ、転居先では新たな友人を見つけなければならないような場合だ。
ドリス・サランガさん(77)と夫のマイクさん(80)はそれぞれ仕事の都合で、カリフォルニア州とニューヨークを何度も行き来した。ドリスさんによると、引っ越すと必ずシナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)の近くで家を探した。コミュニティーになじみやすく、信仰の教えを守るのも容易だからだ。そのおかげで古い友人と交流しつつ、新たな友達も作れたという。
解決策5: 「コミュニティーへの帰属は、私にもマイクにも重要なことだった」と彼女は言う。「あちこちに引っ越す場合、そうした努力が必要になる」
https://diamond.jp/articles/-/186486