あの空の向こうに・・・

音楽 自然 日々の出来事 
感じるがままにつづっていきます

小林愛実&チョンミョンフン「マーラー交響曲第5番」

2016-02-27 21:24:49 | 音楽
2016年2月26日
サントリーホール
指揮・チョン・ミョンフン
ピアノ 小林愛実
モーツァルト/ピアノ協奏曲第23番
マーラー/交響曲第5番
東京フィルハーモニー交響楽団




モーツァルトピアノ協奏曲はチョンミョンフンさんの弾き振りだったが、指の調子が悪く直前で小林愛実さんに変更

小林愛実20歳
「後悔が無いから怖いんだよ」
ショパンコンクールに密着した「情熱大陸」
ファイナリストに残るもあと一つで入賞を逃してしまった彼女の言葉が忘れられない

知名度もある彼女がショパンコンクールに出るって、結構勇気ある選択だったと思う。

今回 数日前の急な代役
そんな事を感じさせない熱演はさすが
恋を経験した後の彼女のピアノの音色を聴きたい。
アンコールはショパンノクターン第20番遺作
情感豊かで引き込まれた

そしていよいよメインディッシュ
マーラー交響曲第5番
第一楽章
葬送行進曲
トランペット一本で始まる不吉な冒頭ファンファーレ
とにかく迷いなく突き進む
凄い力量

葬儀に向かう重い足取り
心の痛みが弦の音色から伝わってくる。

第二楽章
激しい嵐のような音楽
ティンパニーそしてシンバルの音が雷のように聴こえた。

第三楽章
舞曲
三拍子の明るいサウンドが光を導いてくる。
第四楽章アダージェット
どこまでも美しい旋律
波そして涙粒のような旋律
これを聴くとテレビドラマ「のだめカンタービレ」を思い出してしまう。
指揮者として成功していく千秋先輩に追いつきたくて、肩を並べたくて
でもコンクールに出ることもビエラ先生にダメと言われのだめがパリの街をさまよう。
このシーンに、この楽章が使われた。この旋律を聴くたびに、のだめのさみしそうな横顔が浮かんでしまう。

でもこのアダージェットは、マーラーが恋人アルマに求婚するため作ったらしい
マーラーはアルマにこの曲を送り求婚し
アルマの応えはもちろん
マーラーにとっては愛の詩
でも聴く人にとってはこの楽章は自分の人生を重ねて聴いている人も多いのでは

とにかく美しかった。
穏やかな波の上に佇んでいるようで
こんなにまろやかでゆったり美しい旋律を聴いたのは初めて
本当に聴けてよかった。
そして最終楽章
ホルンの音色
ラー🎧
の一音
明るい未来の風景が見えるような、とっても温かい音色だった。
そして後半になるにつれ、指揮者チョンミョンフンさんが何かに取り憑かれたように勢いを増していく。それに負けじとついていくオケも凄い。もうドキドキ

大喝采
そしてブラボーの嵐

チョンミョンフンさんは「マーラーを演奏すると一生分生きた気がします。そしてとても疲れます」と以前語ってた。

私も一生分生きた気持ちになった。
でも疲れるどころか活力が湧いてきた
チョンミョンフンさんそして東フィルのみなさん
エネルギーを吸い取ってしまいごめんなさい

マーラーの曲にはストーリーがある。
人生の喜怒哀楽、そして人として生きていく全てが詰まっている。
これを聴いて、感じて、たくさんの心が動いた

チョンミョンフンさんと東フィルの相性抜群
そして先日2016年~2017年東フィルの定期会員 申し込んでしまった。
初の定期会員
これで私もクラオタの仲間入り
しかし定期会員が金額的にかなりお得だったという事を初めて知った。
びっくり❗️
特に9月 チョンミョンフン&ショパンコンクール優勝のチョソンジン「ベートーベン皇帝」が今からワクワク楽しみ

バレンボイム&シュターツカペレベルリン@サントリーホール

2016-02-11 07:58:03 | 音楽
東芝グランドコンサート35周年特別企画@サントリーホール

管弦楽
シュターツカペレ・ベルリン ~ベルリン
国立歌劇場管弦楽団
Staatskapelle Berlin
指揮・ピアノ:
ダニエル・バレンボイム
Daniel Barenboim

演奏曲目
2月9日(火) ツィクルス1
ソリスト ダニエル・バレンボイム(ピアノ)
モーツァルト ピアノ協奏曲第27番 変ロ長調 K.595

ブルックナー 交響曲第1番 ハ短調



私にとって初バレンボイム
彼の指揮&ピアノは以前から興味あり、YouTubeなどで鑑賞
映像を見まくるとなぜか不思議と演奏会が寄ってくる。
とにかくこの巡り会いに大感謝

モーツァルトピアノ協奏曲第27番
バレンボイムの弾き振り
そっとピアノに寄り添うような演奏
汚れを知らない無垢な少年が演奏している錯覚に陥った。
大人になっても(73歳)子供心があるからこれほど美しいモーツァルトを奏でられるのかもしれない。
あまりにも美しすぎた。雲の上にまったり乗っているような気持ちになった。
何度もカーテンコール
舞台袖に戻る時、必ず2階席に手を振る姿
可愛かった。ペンギンみたいだった

後半はブルックナー交響曲第一番
私にとってブルックナーはあまり馴染みがなくて
ブルックナー交響曲を演奏会で聴くのは
2011年 ベルリンフィル来日公演以来2度目

シュターツカペレベルリン
凄い重低音
心にドス~んと入ってくる。
これでもか、これでもかって
最後は心の毒がドーンと落ちたって感じになった。演奏会で厄落とし
ブルックナー凄すぎ
そしてオケの実力凄い。そして団結力
やっぱりドイツのオーケストラ好き


そして1500円で購入したパンフレット
内容盛りだくさん
買ってよかった。


ダニエルバレンボイム
ユダヤ人
歴史の渦に翻弄されながらも、ユダヤ人としてベルリンの地に根を張り生きている。そこに音楽の力の凄さがある。
過去を受け止め、過去と真剣に向き合いそして今を生きる。
前を見て、前だけを見て生きていくってこういう事なのかもしれない。


またベルリンの空に会いたくなった。
ベルリンの風を感じたくなった。

そうだ!ベルリンへ行こう