武市 瑞山の生家をたずねる その3

「花は清香に依って愛せられ、
人は仁義を以って栄ゆ。
幽囚、何ぞ恥ずべき、
只赤心の明らかなるあり。」
そして、次のような手紙を添えて妻に送った。
「‥‥さて、自分絵をかき候ところ、ちとちと男ぶりが好すぎて、ひとりおかしく候。鏡で見てみると、ますます痩せて、口ひげは伸び、頬は角が出て誠にやつれ申し候。されど、心は大丈夫にて候まま、こればかりはお気遣いつかわされまじく存じまいらせ候。‥‥」
一方で、「アア、けしからぬ世の中にて候。」
と、しきりに憤慨しながら、慶応元年5月、遂に切腹の断罪が下り、三つ文字に腹かき切って果てた。満36歳であった。





「花は清香に依って愛せられ、
人は仁義を以って栄ゆ。
幽囚、何ぞ恥ずべき、
只赤心の明らかなるあり。」
そして、次のような手紙を添えて妻に送った。
「‥‥さて、自分絵をかき候ところ、ちとちと男ぶりが好すぎて、ひとりおかしく候。鏡で見てみると、ますます痩せて、口ひげは伸び、頬は角が出て誠にやつれ申し候。されど、心は大丈夫にて候まま、こればかりはお気遣いつかわされまじく存じまいらせ候。‥‥」
一方で、「アア、けしからぬ世の中にて候。」
と、しきりに憤慨しながら、慶応元年5月、遂に切腹の断罪が下り、三つ文字に腹かき切って果てた。満36歳であった。




