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怪異! 蜂女(仮面ライダー第8話)

2006-12-17 23:32:04 | 特撮:仮面ライダー
●「怪異! 蜂女」昭和46年5月22日放映 蜂女登場
 制作第5話 放映第8話 脚本:滝沢真理 監督:北村秀敏

 今回からオープニングに「仮面ライダー=本郷猛は改造人間である。彼を改造したショッカーは世界制覇を企む悪の秘密結社である。仮面ライダーは人間の自由のために、ショッカーと闘うのだ。」というナレーションが入るようになります。「世界征服」ではなく「世界制覇」なのですネ^^;
 そして、この時の映像での「さそり男」は、胴の部分のスーツを着ていません^^; そういえば講談社の特写スチールでもタイツのままです。紛失してしまったのでしょうか。

 このエピソードには「ケンちゃん」シリーズでもお馴染みの、高津住男さんがゲストですネ。ごくごく平凡な家庭が、メガネを壊してしまったことでショッカーの魔の手に堕ちていく‥‥。そんな「日常に潜む恐怖」を実感させてくれる素晴らしいキャスティングです。

 娘のサチコちゃんは、大人がアフレコしているのでしょうネ。妙に落ち着いていたり、声のトーンが高過ぎたり‥‥。
 メガネの音波催眠にかかった父親に向かって「パパ、病気なの?」と言うセリフは、子どもらしい発想の名セリフです。

 声のトーンといえば、蜂女の声をアフレコしている沼波輝枝さんは、シリーズを通してほとんどの女性怪人のアフレコを担当されています。感情を持たない、脳天から響いてくるような甲高い声は、ワザとそのようにしているのか‥‥。神経を逆撫でされるような声です^^;(これは演技に対する誉め言葉です。)
 あの声で「バカなやつ!」と言われると、ムカッときますネ(^o^) このセリフがPSのゲームにも使われるとは‥‥。

 最初にメガネに受像された蜂女の姿は、逆光で背中の羽根も美しい。

 一般人だと思って油断していた本郷が、サチコの父親に思いっきり突き飛ばされて大転倒してしまいます。本郷も日常生活の中では力をセーブすることができるようになったということなのでしょうか‥‥。いや、そういった描写は不要と判断されるようになったのでしょう。
 しかし、いざとなれば鎖を引きちぎるくらいの力はいつでも出せるようです。このエピソードでも、蜂女の毒針にやられて縛り付けられていた鎖をちぎっています。

 蜂女のアジトとして「お化けマンション」が初登場します。『仮面ライダー』をはじめ、第2次怪獣ブームの特撮ヒーロー作品には頻繁に登場する名ロケ地でしたが、平成3年に取り壊されたそうです。一度現地を見てみたかった‥‥。

 ルリ子さん1人がメガネ屋の様子を探りに行くことになりますが、本郷が行けない理由が「実験」のためだとは‥‥。きちんと社会生活を送りながらショッカーと闘っていたのですネ。それにしても、「研究」(本郷の生業)のためにショッカーによると思われる事件の探索を続けられないとは、妙に現実的です。探偵を職業としていた『月光仮面』や『七色仮面』を祖とする特撮ヒーロー作品の伝統からすれば、「大学の研究者」というのはかなり異色のヒーロー像です。
 その実験中にメガネの催眠音波の仕組みを推理する本郷は、科学者という設定を最大限に活かした描写です。

 今回は珍しくAパートでのライダーへの変身はありません。

 サチコの父親を救出して、アジトを脱出したところでルリ子と会うライダー。思わず差し伸べた手を引っ込める描写に、自分は実は本郷猛であり、改造人間であることを隠そうとしていることが表わされています。その後に畳み掛けるように本郷の手の平の傷口がみるみる消えていく描写と、「改造人間であることを知られたくない」という心情が吐露されています。
 このエピソードでは本郷は自分を「改造人間」とは呼ばす、「改造された部分を持っている」という表現にこだわっているようです。これは「大部分の肉体は元のままで、『一部』に人工的な改造が施されている」ということを信じているからなのでしょうか。

 蜂女→毒針→フェンシングという発想でしょうか。今回の戦闘シーンは剣戟です。これは大野剣友会の得意とするところでしょう。
 このエピソードの戦闘員は、アジトでは男性の声で喋るヤツもいましたが、この戦闘シーンでは姿は男性でも女性の声で「ヤァーッ」と叫びます。

  ●蜂女(岩本良子(瀬島達佳) 声:沼波輝枝)

 ショッカーベルトを着けることはまだ決定前なので、黄色い布を腰に巻いている姿が優雅です。第13話に再登場する時にもベルトは着けていませんでしたが、フーセンガムのCMではとうとうベルトを着けていました。
 初の女性怪人ですが、胸のデザインに女性らしさが現れています(?^^;)。女性怪人ということで、妙な憧れを抱いた男子児童も多かったのでは?
 戦闘シーンでは大野剣友会の瀬島達佳さんが演じていますが、それ以外のシーンは戦闘シーンでのアップカットも含めて岩本良子さんが演じられています。顔を半分露出させるデザインのマスクなので、頬のラインがキレイな女優さんでなければ務まらなかったでしょう。第13話でもガムのCMでも岩本さんが蜂女を演じられています。
 使命はメガネの催眠音波によるショッカーの人員確保と、毒ガス製造工場の責任者のようです。冷酷な性格のようで、冷たく言い放つ罵倒と高笑いが印象的です。本文中にも書きましたが、沼波輝枝さんの声が稀に見る徹底した悪役女性をさらに印象深くしています。

 怒りの「ライダーキック」で倒されました。

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6 コメント

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影村めがね店 (月見家)
2006-12-18 02:55:31
>このセリフがPSのゲームにも
あのゲーム、一時期長男と一緒にしょっちゅうやっていました。
敗戦後にこのセリフを聞かされるとムカつくんですよね…。
あと、ピラザウルスの「きーよしー」も意味なく流行りました。
返信する
そうだったんだ! (麻宮)
2006-12-18 03:07:33
第8話の制作時期はそんなに早かったんですね。今まで知りませんでした。大変勉強になります。
蜂女は、以後の大半の怪人とは違って、怪人=怪しい人 のイメージが強いように思います。顔が露出しているデザインも逆に良かったですね。
沼波さんの声、耳に残りますねー。「おまえのようなヤツは絶対に許さん!!」と仮面ライダーに言われた後に

「な~にをこしゃくな!!」

と言うのが印象に残ってます。個人的には沼波さんの声聞くとなぜか「ノコギリトカゲ」になってしまいますが(笑)。
メガネの秘密を解明するところは科学的で良かったですね。可聴周波数帯域が20~20000ヘルツあたりというのが妙にリアルで納得してしまいました(以前音を扱う仕事をしてましたので)。
改造人間であることをルリ子さんに知られたくないという描写も印象的でしたね。まだ「元の体に戻れる」という希望をもっていたところも切ないです。

自由人大佐さんのこちらのブログ、私のブログからリンクはらせていただいたのでご報告しておきます。何か不都合がありましたらお知らせくださいませ。
返信する
PSのゲーム (get_better4u)
2006-12-18 19:58:35
 あははは! 我が家も全く同じです(笑)

 発売の頃にはまだほんの赤ん坊だった現在8歳の次男が、ゲームをできるようになって『仮面ライダー』も好きになると、「きよし~」をよく真似していました。

 PSのゲームは『V3』の方がよくできていると思います。
(我が家には『クウガ』『アギト』のゲームもあります。)

 そして何といっても、PS2の『ウルトラマン』が断然面白いですヨ。
返信する
リンク、ありがとうございます (get_better4uまたは自由人大佐)
2006-12-18 20:20:03
>自由人大佐さんのこちらのブログ、私のブログからリンクはらせていただいたのでご報告しておきます。何か不都合がありましたらお知らせくださいませ。

 ありがとうございます。こちらからも麻宮さんのブログへリンクを貼らせていただきます。

 この放映第8話は制作第5話ですが、他にも制作時期と放映時期が大きく離れているエピソードがあります。

放映順  制作順  登場怪人
24・25  16・17  キノコモルグ
 18    22   ヒトデンジャー
 19    23   カニバブラー
 33    29   アルマジロング
 34    26   ガマギラー
 40    46   スノーマン
 41    47   ゴースター
 46    51   ベアーコンガー
 50    45   カメストーン
 53    57   ジャガーマン
 57    53   ドクモンド
 65    61   カブトロング

 一文字隼人やゾル大佐の服が、制作順だと同じデザインで連続していることがわかります。
 放映が後回しにされたのには、それぞれさまざまな理由があります。
 (2話連続エピソードが接近している、梅雨を回避するための遠方ロケ、本郷猛復帰を正月の目玉にする、本郷再登場エピソードを分散させる、急遽タイアップ先が決定した などなど)
返信する
そんなことでどうするんだ! (月見家)
2006-12-19 00:48:56
おぉっ、本当に似たような環境ですね(ウチの長男はもうすぐ7歳)。

>PSのゲームは『V3』の方がよくできている
ライダーマンのロープアームとサイタンクの飛び道具、そしてデストロン首領…これらは対戦で長男が好んでチョイスしてました。
こちらとしては、手を抜いてやっているとはいえ、格闘ゲームでいうところのいわゆる「ハメ」状態におちいる羽目になる(シャレか!)ことも多いため、よく、マジでムッとしたりしてました。
「おい、それズルィよ!」なんて…(恥)。
返信する
それはおやっさんのセリフですネ (get_better4u)
2006-12-19 19:56:19
 PSの『仮面ライダー』ゲームのスゴイところは、TVの音声を取り込んで、本郷、一文字本人の声で「いくぞ!」というところでした。だから「きよし~」も「バカなヤツ!」も本人の声でした。
 それに、カードの中には懐かしの「変身ベルト」や「ライダースナック」のCMも入っていて嬉しかったです。

 『V3』の方では、風見志郎の声は宮内洋さんご本人の新録音だそうです。「おやっさん」の声は映像作品からの取り込みでしたが、ライダーマン=結城丈二の声は他の声優さんによる新録音。いろいろと不思議な措置がとられていますが、BGMが入っていないシーンから取り込まなければならず、山口暁さんや宮内さんの適当なセリフの声が無かったのでしょうネ。

 私は真面目にプレイしたいのに、息子たちが「キッズモード」にして頭デッカチにするのが不満でした。

 最近は次男もゲームが上手くなったので、私はちっとも勝てなくなりました‥‥(泣)。
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