横浜地球物理学研究所

YOKOHAMA GEOPHYSICS RESEARCH LABORATORY
地震予知・地震予測の検証など

早川正士氏(地震解析ラボ)による地震予測の実態

2015年06月05日 | 地震予知研究(早川正士氏・地震解析ラボ)

ここのところ、電離層擾乱に基づいて地震予測を行っている早川正士氏(地震解析ラボ所長、電通大名誉教授)が、5月30日の小笠原での地震(M8.1)や、6月4日の釧路地方での地震(M5.0)などを、連続して的中させたとして、話題になっているようです。

ですが、よく調べてみますと、数々のハズレ予測を無視して、当たった(ように見える)ものだけを取り上げている、というだけに過ぎません。つまり、「下手な鉄砲」が当たっただけにしか見えません。以下に説明しましょう。


 ■

実は、早川正士氏ら地震解析ラボは、小笠原と釧路地方をはじめ、国内において地震が起きる可能性が高いエリアに対して、あちこちにずっと予測を出しているのです。

以下に、昨年9月から彼らが発表してきた地震予測を抜粋してみます(地震解析ラボのサイト内「予測情報アーカイブ」より引用)。いずれの予測も、予測期間は1週間程度ですが、当たらないともう1週間延長することが多いです。


↓昨年9月29日発表の予測

  


↓昨年10月23日発表の予測

  


↓昨年11月27日発表の予測

  


↓昨年12月8日発表の予測

 


↓今年1月15日発表の予測
 
  


↓今年3月9日発表の予測

  


(※今年の4月以降は未公開)


…いかがでしょうか。ほとんど毎月、釧路付近や小笠原を含め、日本中のあちこちに同時に予測が出ていることがわかります。このように、ほぼ常に予測を出し続け、ほとんどがハズレているのですが、今回の小笠原や釧路地方での地震のように、下手な鉄砲が功を奏してごくたまに当たったように見えることがあり、そのときだけメディアが取り上げるので、読者や視聴者は的中率が高いように錯覚してしまうだけなのです。

そもそも、今回の小笠原諸島付近の地震はM8でしたが、早川氏らの予測は「M6前後」ですから、規模の予測は全くハズレています。また、釧路地方の地震については、震源は阿寒湖よりもさらに北の位置でしたが、早川氏らの予測エリアは釧路・根室の海岸線をかすめているだけで、阿寒湖は完全に予測エリア外です。しかも、「6月6日以降」との予測よりも早く6月4日に地震が発生しています(詳しくは彼らの予測情報アーカイブを参照ください)。したがって、いま「的中した」と話題になっている小笠原や釧路地方に対する地震予測も、よくみると実はハズレているのです。


 ■

早川正士氏ら地震解析ラボによる地震予測は、ほとんどがハズレの山で、デタラメを有意に超えるような予測能力が見受けられないことは、既に何度か指摘しています。よろしければ、たとえば以下のエントリなどをご覧ください。

「地震解析ラボ、126件の地震予測のうち、震度5弱以上の地震発生は2件のみ」

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23 コメント

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驚きました・・・ (元通りすがり)
2015-06-05 20:49:18
ひさしぶりにお邪魔しましたら、コメントがふえていて驚きました。やはり、最近の地震や噴火のせいか、予知に興味をもつ人や、出鱈目の予知に騙されて踊っている人が、このサイトを訪れているのでしょう。

わたくし、最近まで、社会はなんと不公平で不平等なんだろうと憤っていたのです(苦笑)。ところが、こちらをのぞくようになってから、そうしたことをあまりおもわなくなりました。

世の中には、物事を冷静かつ客観的に見ることのできない人がこんなにも多いとは・・・。
人並みに成功できない人たち、うまく社会生活を送れない人たち。そうした人たちは、おそらく、ここで戯言をいったり、誹謗をしたりしている方たちとおなじようなものの見方をしているのでしょう。
滅茶苦茶な予知を新興宗教の信者のように追いつづける人がどうなるか・・・。気の毒ですが、非はその人たちにもあります。いわば自業自得です。

そうした人たちに科学(学問)のあり方を説いても、なかなか理解されないでしょう・・・。くだらないコメントを目にするたびに、日本の教育がうまく機能していないことをおもいしらされます。そして、さまざまな問題をかかえているであろう人の多さに暗澹たる気もちになります。

とはいえ、「知は力」ですし、「継続は力なり」ともいいます。日本語や数字が通じないことに、管理人さんもショックをうけておられるとおもいますが、どうか一日でも長くこのサイトをつづけられるよう希望します。勝手なお願いで恐縮ですが。
早川先生盛り上がってますねぇ (ばーど)
2015-06-05 22:41:08
昨年の今頃の「時の人」は、村井先生でしたが、今年は早川先生のようで。

しかしあれほど曖昧で不明瞭なものを的中と考える方々、それを売上に貢献すべき利用する日刊紙や週刊誌、見ていて馬鹿馬鹿しくなります。

私は文系の視点と知識しか持ち合わせていないので、ひたすらお話を伺う立場で、例えばSkullcrusher707様のように色々話を盛り上げることも出来ず心苦しく思います。

応援しておりますので、これからもどうか頑張ってください。
あとここで嫌がらせかいている奴、地震学の入門書読め。

それではまた。
Unknown (一般人)
2015-06-07 02:58:02
信頼しうる地震予知研究ってやはり無いんでしょうか
フジテレビ (クリティカルシンキング)
2015-06-07 22:46:55
酷い内容でした。
Unknown (Unknown)
2015-06-07 23:23:32
今日のミスターサンデーがあれだったので来ました。

予知ビジネスってこの精度で成り立つんだから
3つぐらい組織を作って、お互いに予知が被らないようにすれば必ず儲かるような気がしてきました。
「予知」ビジネスはたぶん簡単です (元通りすがり)
2015-06-09 21:45:49
善意(人びとのため、被害をすこしでも減らしたい)と非営利(お金がほしいのではない、でも研究のために有料メルマガに登録して支えてほしい)を前面に出せば、ある程度うまくいくでしょうね。有料メルマガに登録することによって、あなたも間接的に人びとを助けることになると強調するのを忘れてはなりません。

あとは、過去の実績を強調することですね。もちろん、お涙を頂戴し、人びとの義憤を喚起することも重要です。有望な研究だからこそ大学や学会から冷遇され、つぶされかけていると訴えるのです(アカデミーの閉鎖性、権威主義を暴露し、いかに税金を無駄に使っているか、扇情的に書けばよろしい)。

オカルト関係でもなんでも、それなりに影響力のありそうなブログやホームページの管理人を抱き込むことは欠かせません。多少の謝礼は必要かもしれませんが、初期投資です。もしマスコミ(三流でもなんでも)に知り合いがいたら、とにかく接待しましょう。

人びとはアカデミーを嫌っているのに、権威には弱いですから、できれば旧帝大出身者に顧問になってもらえば万全です。知名度等の低い大学関係者の運営している「予知」ビジネスは、それだけでかすんでしまうでしょう。

予想は簡単です。地震が起きる場所はほぼ決まっていますから。強震モニタでも見て決めるのもよいかと。満月・新月は要注意。黒点情報もこっそり見て警告を出しましょう。地震が起きなければ、適当な言い訳(データには変動があったといった)をして、何回でも警報を出せばいいのです。

ある程度有名になれば、あとはマスコミが勝手にとりあげてくれます。

ここの管理人さんに協力してもらえば、なかなかボロの出ない最強の「予知」ビジネスが可能だとおもいます(笑)。
Unknown (Unknown)
2015-06-11 14:11:20
 良い占い師とは良いカウンセラーのようなものだと思います。
 デマと苛立ちと狂信者しか生み出さないエセ占い師に存在する価値などありませんし、金を出すべきでもありません。
確率論的な地震予知ですね (伊牟田勝美)
2015-06-15 01:58:34
私も、早川氏の地震予知について、調べてみました。
はっきり言って、確率論的にみて当らない方がおかしいってところでしょうか。
例えば、早川氏の予知情報の中で、年だけを別の年に書き換えても、予知の成功率に大きな違いは見られません。
逆に言えば、氏の地震予知は、規模と対象地域の選定が上手い(?)のでしょうね。
Re:確率論的な地震予知ですね (横浜地球物理学研究所)
2015-06-15 09:23:43
>伊牟田勝美様

ご指摘のとおりだと思います。少なくとも、何らかの地域の「選定」があることは間違いないようです。

早川氏ら地震解析ラボのサイト内の「予測情報アーカイブ」における「簡易説明」のなかに、以下の記述があります。

「予測情報を発表するために使用したパスだけを掲載しております。異常を観測したすべてのパスを掲載しているわけではございません」

・・・つまり、異常をみつけても地震予測を出さない地域があるわけです。推測するに、九州の西側や、東シナ海や日本海の海上など、「地震が起こりそうもない地域」で電波伝播異常をみつけても、地震の前兆ではないと判断していると思われます。

もし仮にそうだとするなら、「地震が起きない場所にも電波伝播異常が起きている」=「電波伝播異常は地震の前兆ではない」ということを、客観的に判断して欲しいと思います。
M6以上を予測しないんですよね (伊牟田勝美)
2015-06-16 01:22:28
続けてのコメントですみません。

早川氏の地震予知は、年間100件以上も出していますが、M6以上を意識した地震予知は極端に少ないですね。
彼自身の2013年の検証結果を見てみると、102件の予知情報を出していますが、M6以上を予測した予知情報は6件しかありませんでした。
2013年はM5以上の地震が112回あり、その内の20階がM6以上でした。
正しく地震予知ができているなら、ほぼ同率でM6以上を予測するべきなので18回はM6以上に限定した予知情報があるべきですが、それができないのは、地震の規模の予知ができていない証拠と思います。

ちなみに過去92年分の地震情報から計算すると、102回中の6回しかM6以上の地震が発生しない確率は1%未満です。
予知できていれば、絶対にこんな少ない割合にはならないということでしょう。

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