横浜地球物理学研究所

YOKOHAMA GEOPHYSICS RESEARCH LABORATORY
地震予知・地震予測の検証など

ハザードラボ(地震解析ラボ)の自己検証、またも大ウソだらけ

2013年05月22日 | 地震予知研究(早川正士氏・地震解析ラボ)
地震予測サービスを提供しているハザードラボ(地震解析ラボ)の、自己検証ページが更新されました(http://www.hazardlab.jp/know/info/details.php)。

地震発生頻度の低下とともに、予測の的中精度はどんどん下がっているようです。これまでに指摘した彼らのいい加減な基準で計算しても、3割台となりました。そして、今回更新された内容のなかにも、明らかなインチキがあります。以下に説明します。

 ■

まず、実際に発生した地震の震源が、ハザードラボが発表した予測円から明らかに外れていたにもかかわらず、「的中」とカウントされているものが、3件もあるのです。

まず、3月6日 5時32分ごろ に発生した 沖縄本島近海を震源とする地震(M5.0)を、ハザードラボは「予測成功した」としています。ですが、これは明らかに嘘です。この地震はほとんど沖縄本島直下だったのですが、彼らがこの期間に発表していた地震予測では、予測円は奄美大島にさえも届いていません。完全に、震源は予測円外です(以下、彼らが発表していた予測円を黄色で、実際の震源を赤の十字で示します)。


同様に、3月10日5時11分ごろに発生した釧路沖を震源とする地震(M5.1)を、予測成功したことになっていますが、これも嘘です。このとき彼らの予測円は青森県東方沖を中心とする(彼らにしては)小さい円で、震源の釧路沖は完全に円外です。


また、3月16日 1時49分ごろに発生した鳥島近海を震源とする地震(M5.1)も、ハザードラボは的中させていたとしていますが、これも大嘘です。彼らの予測円は八丈島にやっと届くくらいのものです。なお、鳥島は八丈島から約300kmも南にあります。


なお、念のため追記しておきますが、彼らは該当期間に上記地域にだけ予測を発表していたのではありません。たとえば3月10日には、青森県東方沖のみならず、九州南部、宮城~小笠原諸島、北海道北西部と、あわせて4つも大きな予測円を同時に出していたのです。ほとんど列島の半分が入るほどの予測円を出していたのですから、予測円からズレたものは誠実に「的中」から除外して欲しいものです。でなければ、ほぼ全ての地震が「的中」になってしまいます。

気象庁の地震データと、彼らの予測履歴とを照らし合わせてみれば、彼らの不誠実さが良く分かると思います。興味のある方は、ぜひご自分でもチェックしてみてください。

 ■

さらに言えば、今回更新された情報のなかにも、1つの予測に対して起きた2つの地震をダブルカウントするインチキがあります(沖縄本島付近の地震と、奄美大島北東沖の地震)。この汚い手法は、相変わらず改めるつもりはないようです。

また、予測に失敗した3月7日の択捉島南東沖(東経148度8分)の地震を、「予測範囲外」だとして集計から除外しています。これまで千島列島の地震を予測していた場合、択捉島よりも東だろうが、彼らは「的中」にカウントしていたはずなのに、です。たとえば、昨年11月27日には、択捉島からはるか東の東経155度44分(!)の地震を的中させたとしてカウント(しかも重複してカウント)しています。

このように、明らかな嘘や、自己に都合の良い情報の取捨選択を駆使しても、的中率は下がって3割台となったわけです。そういえば今回は、1ヶ月ほど自己検証ページの更新が遅れていたようです。まともに検証すると的中精度がとんでもない数字になってしまい、姑息な手段を講じるのに時間が掛かったのかも知れません。



これだけ誠実さが感じられないサービスを見せつけられると、怒りを通り越して本当に情けなくなります。少なくとも、客観的な態度をとるべき科学者にあるまじき姿勢ではないでしょうか。

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3 コメント

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検証の検証ページ (とおりがかりびと)
2013-06-07 19:39:44
ハザードラボの検証ページをそのままコピーし、これを訂正する形の検証の検証ページを作られたらどうでしょう?

こうすると、元のページのどこが悪いのか普通の人でもわかります。ただし、判断基準を明確にする必要があります。

誤りが酷いと、それは関係する企業のコンプライアンスの問題にもなるかもしれません。
Re: 検証の検証ページ (横浜地球物理学研究所)
2013-06-10 16:18:10
とおりがかりびと様、

貴重なご提案、誠にありがとうございました。ご指摘のとおりだと感じましたので、早速ながら、ハザードラボの検証を検証したエントリをアップしてみましたので、よろしければご参照ください。

そのまま彼らのサイト画面をハードコピーするのが一番良いのでしょうが、なかなか難しいので、まずはテキスト形式で上げてみます。

また何かご提案等ございましたら、何卒宜しくお願い致します。
検証の検証ページ (とおりがかりびと)
2013-06-16 12:34:19
作業ありがとうございます。いくらかわかりやすくなったと思います。ただ、多く方に理解してもらうためには、元の表は触らず、コメントを追加する方法がやはり良いように思います。作り方ですが、ハザードラボの検証ページの表部分をコピーしてExcelに貼り付ける。ExcelをどこかのHPにアップ、ブログから参照する。

再評価ですが、”サービス範囲外”となっている領域が多くありますが、実際に予測が出ている択捉島より西、三陸沖、福島県沖、八丈島より北は検証対象としても良いのではないでしょうか?


別の話題ですが、ハザードラボ自体による評価を"月単位"で調べてみました。

   的中 総数  的中率(%)
3月   4   12   33
2月   3   18   17
1月   4   13   31
12月  13 25 52
11月  6 10 60   

(総数 30 78 38  数が1つ合いません?)

1.11-12月と1-3月の結果には大きな差があります。これは、大地震発生後の余震である小さな地震を的中として数える、他の理由によると思います。現在のように大地震が発生しないとこのような事が出来ないので的中率は下がります。

2. 1-3月の平均は26%ですから、今後、現在の状態が続けば、ハザードラボ自体の検証結果もこの値に近づいていくと思います。

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