花との毎日 

~ときどき書き込み~

ジェンテの並木容子が綴る花との日々

2007-01-15 | 思うこと
手をよく見ます。
自分の手、誰かの手。

手相にも、ちょっと興味があって、わざわざ見せてもらうこともあります。
でも、ホントは手相より「手」そのものが好きなんだと思います。

一番好きな手は、大きくて、ごつごつしてて、ちょっと色が黒くて、
爪の先に土など入っていると最高です。

今まで大勢の方の手を拝見させていただいて、(といっても、偶然かいま見ただけですが)、
「ステキ!」「惚れてしまいそう!」と思うような方々もたくさんいらしゃいました。


そのうちの一人は、市川バラ園の市川さん。
ハウスにお伺いした時、作業場でロワイヤルの茎についた棘を、
素手で、ざざ~っと一気に取り去って、その葉と棘を捨てるために、
ぱっと開いた手のひらの、それはそれは美しかったこと。
バラの脂で黒ずんだ手のひらは固そうで、柔らかそうで、
でも、バラの香りを含んだ優しくあたたかい手だと思いました。


そして、もうお一方は、やはりバラの生産者さんである、
堀木バラ園の堀木さん(お父さんの方ですね:笑)。
ハウスの中で作業をしている時に、
あまりにもつやつや、ごつごつ、ふわふわしているその手先の様子に、
思わず「手を見せて下さい」と、意味不明なお願いをしたのでした。
「俺の手かよ」と苦笑いしながら、そっと開いて下さった両手のひらは、
ふくふくとしながらも、深くて濃い手の模様が、
過酷で、且つ喜びあふれる過去の日々を物語っているような気がして、
その日中、ずーっと頭から離れなかった、そして、今でもよく覚えている、
まさに、「本物の手」という感じでした。


女優さんのような、節もなく、すーっと細く流れる、いわゆる白魚のような手は、
きっと、それを維持するための努力の賜物でもあるのだろうと、
それは、それで美しいと思います。

でも、私は、やっぱり、大きくて、ごつごつしてて、ちょっと色が黒くて、
手の筋がはっきりとした、働き者の手が大好きです。
そういう手は、また、手先の動きが非常に細やかで、繊細だったりもするのです。




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2 コメント

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ありがとうございました。 (手の綺麗なほうの堀木です)
2007-01-28 15:34:41
 市場の小南さんに教えてもらって拝見させてもらいました。
 父は恥ずかしそうに喜んでました。

 ちなみに今度、生産者と会う機会があれば、目を見てください。いい生産者は目をみればわかります。
 っと言うのも長年、太陽の下で仕事をしている方は紫外線などの影響で黒目の色素がうすくなって茶色くなっています。
 父のご師匠さんは80歳過ぎで現役で生産をされてますが、もうすっかり黒目の色が落ちて、まるで琥珀のようです。
 先代がたの弛まぬ努力が日本の農業の高技術を育んだのだと、静かにその琥珀の瞳が物語ります。
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あ! (なみき)
2007-01-28 22:27:29
あ!手のきれいな方の(笑)堀木さんだ!
というか、堀木さんの手も、素敵だったじゃないですか!
そして「いつか、オヤジみたいになりたい!」って話してくれたこと、
今でもすごくよく覚えてるし、堀木さんのお人柄を感じましたよ。

それから「目」のお話、ありがとうございます。
確かに私がお会いする生産者さんは、みなさん、目が青灰色でした。
ヨーロッパ人みたいだなって思ってたんです。
吸い込まれそうな、灰色の瞳は、そのまま花への情熱の証だったんですね。
「琥珀の瞳」が今の高品質の花を作りだしている、、、
う~ん、なんて素敵なお話でしょう。

堀木さんも、日々のたゆまぬ努力から、いつの日かきっと、
それはそれは美しい手と琥珀色の瞳を持つようになるんでしょうね。
お父様に負けないように頑張って下さい、いつでも応援しています。

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