花との毎日 

~ときどき書き込み~

ジェンテの並木容子が綴る花との日々

手紙

2007-07-08 | 私的なこと
仕事柄でしょうか。

お会いしたことのない方々からお手紙をいただくことがあります。
そのほとんどは、私の本を読んで下さった方からの感想や
励ましのお便りです。

こういう場合は、メールよりもお手紙ということでしょうか。

丁寧に綴られた文字を読むと、
申し訳ないような、そして、うれしい気持ちになって、
元気が出てきます。


また、出版社に届く「読者カード」のお葉書も
すべて読ませていただいています。

ハガキの中に、小さな字がギッチリと並んでいるのを見た時も、
うれしくて、でも、胸がキューンとしてきます。



わざわざ文字を書いて、ポストに投函して下さるのですから、
その労力を考えると、ありがたい気持ちでいっぱいです。


もともとの筆無精と、慌ただしさの日々から、
思うように筆が進まず、申し訳ない限りなのですが、
遅ればせながら、細々と御返事を書いています。


お手紙をお送りくださったみなさま。
もう少々、お待ちくださいませ。






出掛けてきました

2007-05-04 | 私的なこと
花屋を始めてから、ゴールデンウィークというのは、休む時ではなくて、
母の日の準備期間として、忙しく働く時となってしまいました。

けれど、今年のゴールデンウィークは、いつもとちょっと違います。
先日、生産者さんを訪ねて、千葉まで行ってきたんです。


いいお天気で、空が青くて、雲が白くて、
そして、田んぼがとってもきれいでした。


     


田んぼの水がキラキラ輝いてます。
高く登っている太陽が、写り込んでいます。



       


まだ、明るかったけど、お月様が出てきました。
うっすらと空に、白いマルが現れました。



     


太陽が沈みます。
田んぼに夕日色が染み込んで紅くなりました。


吉祥寺にいる限り、絶対に見ることのない風景です。
ともすると、視野が狭くなりがちの日々の中で、
こうした何でもない素朴な風景が、
私をそっと優しく包んでくれる気がします。

私のゴールデンウィークは、この1日で終りましたが、
とっておきの1日になったことは、言うまでもありません。


あ、見てきたのはあくまで「花」であり、
田んぼを巡るツアーをしてきたわけではありませんので、あしからず。



すっかり春でした、、、

2007-03-28 | 私的なこと
本当に慌ただしかったこの3ヶ月。
一時はどうなるかと思ったくらい、時間が足りませんでした。
でも、最後の大仕事となった、
池袋西武での「お招きの花」展が終了してみれば、
世間はすっかり春爛漫でした。

うちの庭の片隅にも、5年くらい前に、
私がひっそりと植えたすみれが咲いていました。



「お招きの花」展では、過去最高の入場者数だったそうです。
本当にみなさま、ありがとうございました。

出展者の方々が全員本気で仕事をしてたのが
多くの方々にも伝わったのだと思います。

嫌になるくらい(笑)、全員が、本当に、「まじめ」でした。

でも、そのまじめさが、花を生き生きとさせて、
いっそうの美しさを導きだすのかもしれないと思いました。


不器用で、特別な才能にあふれているわけでもなく、
人付き合いがどちらかというと下手な私が、
こうしてこの仕事を続けて来れたのも,
生き物を扱うことの多少の「まじめ」さがあったからかもしれません。


「並木さんみたいになるにはどうしたらいいですか」
「花の仕事で独立したいんです」
「どうやって雑誌に載るようになったのですか」
いろんな場所で、たくさん受けてきた代表的な質問の数々です。

すべての質問に対して、明確な答えはまったくありません。
気がついたらこうなっていたんです。
でも、一つだけ言えることがあります。

「まじめ」であること。

どんな仕事をするにも、これが大切だと、本当に思います。










少し早いクリスマスプレゼント

2006-11-14 | 私的なこと
先日、大切なお友だちから、少し早めのクリスマスプレゼントをいただきました。
彼女は、折にふれ(心や体が弱っていたり、記念日となり得そうな日など)に、
本当に突然、さりげなく、心に染み入る贈り物をしてくれます。

今回は、1年がかりで行っていた仕事がようやく一区切りついたところでした。
(といっても、1年かかってしまったのは、まったく私の責任なんですけれど)
「これ、少し早いけどクリスマスに」と言って、手渡しくれた、
和紙とかわいいリボンでくくられたプレゼント。
ラッピングをほどく前からドキドキして、手が慌ててしまって。

中から出て来たのは、「The 12 Days of Christmas」。

きれいなグリーンに赤いリボンをくわえた2羽の白い山うずらが表紙の絵本でした。

作者はRobert Sabuda。
後から調べると、ポップアップアートの世界では有名な方だそうで、
1ページ開く度に、
声をあげずにはいられない、楽しくて、うれしくて、驚きの、そして、幸せな、
そんな感動の連続でした。
そして、それは、何度見返しても変わることのない感動です。

真っ白の紙がおりなす、幻想の世界。
驚きと発見の連続。
開く度に、音楽や鳴き声や人々の笑い声が聞こえてきそうです。

心がワクワクするのはどうしてでしょう?
見終わった後、また再び1ページ目から開いてしまうのはなぜでしょう?
可愛らしくて、ほのぼのしていて、
それなのに、美しい。


こういう世界があったんですね。
空間が広がっていた心の引き出しの中が、少し埋まっていくのを感じました。

1年かかってしまった仕事を終えて、再び少しずつ、自分のペースを取り戻して、
12年目の花屋の生活をはじめていきたいと思いました。
あらたなジェンテのスタートだと思っています。


十三夜

2006-11-03 | 私的なこと
今日は十三夜。
とても、きれいなお月様です。
神々しくて、淋しげで、心に染み入ります。

以前、何かで書いたことがあると思いますが、
ある方から聞いた月のお話。

月は、以前、なにか悪いことをしたのでしょうか、
草も木も、水もない、本当に淋しい星ですが、
そのおかげでしょうか、
誰よりも一身に太陽の光を受けることが出来るようになったそうです。

太陽は、これまた、燃えて燃えて、誰もそばに寄ってこない淋しい星。

だから、太陽と月は、必然で絶対の関係なのだそうです。


お月様のきらきらと放つ光は太陽のもの。
太陽と月を感じながら、明日の結婚式のお仕事が上手くいきますようにと、
手を合わせました。
(他にもいろいろ個人的にお祈りしちゃいましたけど、、、)


3連休。
全く関係ないですけれど(笑)、
お月様の光があれば、頑張れそうです!!


久しぶりに

2006-10-10 | 私的なこと
オランダの話しはちょっと休息して。
久しぶりに自分のお話をします。


私は、花の仕事が大好きです。
今は、店、教室、イベント活け込み、婚礼、雑誌の撮影そして、本の出版。
花を通じて出来うる仕事をいろいろとさせていただいております。

私が店だけではなくて、こうしたたくさんの仕事をするのは、
自分自身の何かを表現したいというようなアーティスティックな発想ではなくて、
本当の花の素晴らしさを、一人でも多くのみなさまに、
あらためて気付いて欲しい、と思っているからです。


では「本当の花の素晴らしさ」とは何か。
この答えには正解はないのだと思います。
ただ、私自身はこんな風に思っています。

道に生える雑草や小さな花は、踏まれたり抜かれたりしても、
一生懸命生きていて、そして、また再生しようと頑張ります。
そういう、生命力、頑張る力みたいなものは、もちろん素晴らしいと思っています。

一方、それでは、ハウスの中で育てられた花たちには生命力はないのでしょうか。

私が花の仕事をしている理由は、ここにあります。
生まれた時から役割を担っているものがある場合、
その中で出来うる精一杯の努力ということももちろん必要ですが、
その役割を全うすることこそ、最も大切なことだと思うのです。

つまり、ハウスの花は、市場を通じて切り花として使われる、という役割を担っていて、
道ばたで踏まれたり、子供に抜かれたりすることのない代わりに、
大空の下で太陽を浴びたり、風に吹かれて気持ちよくなったり、
全身で雨を受けとめたりする機会もないのですが、
それぞれの場所で、例えば私の店に来れば、
その花に最もふさわしいと思われる花瓶に入れて飾られ、
私やスタッフの手によって、他の花と組み合わされて、
より美しく、そして、輝けるようになって、
お客様の手へと渡されていくのです。
そして、その花だけでは表現しきれなかった何か
(喜びや楽しみや慰めや)を他の花との組み合わせによって、
よりパワーアップさせて、人々の心を動かすことが出来るかもしれない。

それこそが、ハウスで育てられた花の役割であって、
そして、その役割を十分に全うさせてあげること、それが私の仕事なのです。


自分を表現するために花の力を借りるということは、素晴らしいことだと思います。
でも、私は、自分より、まず「花」ありき、なのです。


だから、自分の目で選んだ花を店におくために、自分で仕入れをし、
スタッフには花の扱いを充分説明し、
お客様から質問されれば、どうして、この花をおいているのか、
この花の美しさ、見所は何処なのかを、
掛け値無しにお話しさせていただくのです。


それでも、どうしても、店先で命の最後を迎えてしまった花は、
なにかに使えるものはもちろん使って、
それでも、ダメな場合は、介錯のつもりで花を捨てるのです。
介錯するには、同情心や涙はかえって相手に失礼です。
敬意をはらって、感謝を込めて、そして、おそらくとても厳しい顔で、
心の中で「さよなら」を言うのです。













猫の道案内

2006-08-22 | 私的なこと
猫の道案内3









生産者さんをお尋ねすると、そこで飼っている犬や猫やヤギに出会います。
それも私の楽しみの一つ。
なかなか仲良くさせてもらえない時もありますが、
猫とは上手くいく時が多いようです。
今回は、こちらの猫ちゃんたちが我々を案内してくれました。



猫の道案内2
「では、ハウスへ行きましょう」のかけ声に、ささっと、部屋から飛び出して、庭の柵の上で我々を待っている子。
かわいいですね。




猫の道案内









そうして、全員が外に出て来たのを見計らって、
すっと柵から降りて、ピンと立てたしっぽで、
我々をハウスまで道案内。
と、思いきや、ハウスとは逆方向でした。

でも、何かを教えてくれようとしてたと思います。
それが何かはわからなかったけど、
こんな風に素直に自分に戻れるのも、
生産者さんのところで、素敵な花を見て、
大事なお話を聞かせていただいているからだと思うのです。







こんなものが

2006-07-31 | 私的なこと
今日は、来年度の雑誌の連載分の撮影でした。

すっかり梅雨があけて、気温も高すぎず、湿度もあまりなく、
スタジオの中は明るくて、涼しくて、気持ちよくて。
ゆったりした時間が流れ、ぼんやりと室内を見ていたら、、。

こんな子がいました。

この子はどうして、阿波踊りを踊っているのかと、
不思議でならず、そっと携帯で写真を撮りました。


(阿波踊りを踊っているのではなく、
ドアストッパーだったんですけれどね)


夕日前

2006-06-29 | 私的なこと
今日は、久しぶりにいいお天気。
夕方、首都高を走っていたら、夕日前の太陽が強烈な光を放ってました。
携帯で写真を撮ったら、こんな風になりました。
昼間の青空の残るもとでの、沈む前のまぶしい太陽の光。

なにごとも、最後まできちんと成し遂げないといけませんと、
教えられた気がしました。


梅雨なので

2006-06-24 | 私的なこと
本格的に梅雨ですね。
湿度が高くてむしむしして、体調崩している方が多いようです。


今日、自転車を走らせていたら、
道ばたに「ポトッ」と音がして青い梅の実がころころ落ちて、
その奥に、ほんのりピンク色の頬をしたアジサイがしっとりと輝いて、
梅雨のほんの一時の幸せを感じました。

梅雨もいいもんです。





お出迎え

2006-06-08 | 私的なこと
草花園さんにお邪魔した時、車をおりる瞬間から「熱烈歓迎」してくれた、
ヤギのブリ。

ちっちゃくて真っ白で、かわいらし過ぎます!
ずーっとずーっと鳴いていて、私達を呼び続けてくれます(←と、解釈しました)。
そして、カメラを向ければ、必ずこちらを見てくれます。

ほら、口元を見て!
なんか、しゃべってます。


草を食べて、鳴いて、ひまわりを見て、愛に包まれて。

そうして、植物と動物は、すくすくと育っていくのですね。



実は、ブリのとっておき「舌だし」画像もあったのですが、
スクープ写真的規模で、珍しいものだったそうで、
草花園ご夫婦にのみ、お送りしておきました。
だって、かわいすぎるんだもん!


母の日前に

2006-05-11 | 私的なこと
母の日前でとっても忙しいはずの日々ですが、
疲れてる体をパキッとさせてくれるような占い結果が
パソコンの画面に現れました。
Yahoo! の画面を出すと、今日の占い結果が現れるようになっています。


きょうの占い
かに座:総合運87点
あなたがこれまで努力してきたことが報われる日になるでしょう。
応募していた作品が入賞したり、地位や立場がアップするようなことがありそうです。


なに?
「地位や立場がアップ?」

急に気を良くして、書類の整理をして、銀行に行き、
明日着でご注文いただいている母の日のアレンジをたくさん作り、
ラッピングして、箱詰めし、掃除をし、在庫の花の水をすべて丁寧に変えて、
ゴミをまとめ、明日の仕入れとアレンジの準備をして、WEBの変更を行い、、、、、

あれ?
いつもより、こまめに労働していませんか。。。。

地位や立場はアップすることなく、慌ただしく一日が終わろうとしています。





2006-05-03 | 私的なこと

数日前の仕入れの朝、まるでスモークを焚いたような霧で、
道路が全く見えなくなっていました。
最初は「火事?」と思ったくらいです。

こんなに霧がでることって、あるんですね。

昔、北海道の釧路で、朝起きた時に、
周りが霧で一面覆われていたのを見ましたが、
こんなにもやもやしていませんでした。

この霧は何だったのでしょう?


しあわせ

2006-02-26 | 私的なこと
2月25日、仲良くしていただいている市場の仲卸のカップルの
素敵な結婚式がありました。
場所は、逗子マリーナ。
10年以上前は、よくユーミンの夏のコンサートのために来ていました。
(冬は苗場です。なんかバブルを感じます)

今は、リビエラさんが管理されていて、昔ボーリング場だったところがレセプションとして使われていました。
また、ユーミンの実質のコンサート会場であったプールの周りに、
チャペルと披露宴会場が増設されていました。

私はブーケを作らせていただいたため、皆さんより少し早い時簡に搬入があったので、
開始の時間まで小坪の海を30分ほど眺めていました。
釣りをしている少年やバイク自慢のために集まった70歳代のおじいさまたちのおしゃべりをBGMに聞きながら、
ぼんやりと海を見つめていました。
鳶が大空を飛び回り、波の波動がゆらゆら揺れて、きれいな模様を描きます。
葉山の先でウインドサーフィンをしている姿が見えます。
現実なのか幻想なのかわからなくなるくらい(単に眠かっただけかもしれません)、穏やかな湘南の海。
こんな時間を持つのは、何年ぶりでしょうか。


チャペルでは、挙式が始まる時にはすべてに白いブラインドのような布がかかっていて、
新婦入場と共に、そのブラインドが一斉に開きます。
すると、180度見渡せる逗子の海が目の前に広がります。
気持ちのよい空間でした。

披露宴会場からも水平線が見渡せて、本当にきれい。
この写真は、楽しい披露宴が終わって、帰る時にあまりにきれいな夕日を撮ったものです。
逗子マリーナのある小坪の海は、漁船の出入りがあるので泳ぐことができません。
船のせいなのでしょうか。
海の上に描かれたのは、今まで見たことのない、不思議な模様でした。

二人の有り余るくらいの幸せな気持ちが伝わって、
そして、素敵な時間を持つこともでき、
なにより、大好きな海を間近に感じることができて、
本当に幸せでした。

「けいちゃん、とっこちゃん(みんながそう呼んでいたので)、ご結婚おめでとう!」