花との毎日 

~ときどき書き込み~

ジェンテの並木容子が綴る花との日々

きれいなんです!

2007-04-29 | 花のこと
この間も書いたばっかりでちょっと気が引けますが、
トルコキキョウ、すごくきれいなんです。



ね?
きれいでしょう?




ね?ね?
きれいでしょ?


お客様が驚いて下さる率NO.1が、トルコキキョウです。

「え?この花なあに?」
「何てきれなバラ!」
「シャクヤクかしら?」

みんな、トルコキキョウを見たお客様がつぶやいた言葉です。

「こちらは、トルコキキョウなんです」と語るスタッフの説明を
『しんじられない』という顔つきで聞いて下さいます。



普通に生活していると、なかなか心を大きく動かされることってないと思うんです。
そんなに、毎日心を動かしていたら、疲れますしね(笑)。

でも、花には、そういう力があるんですね。
「うわ!」って叫びたくなるような驚きや、
「はぁ~っ」って幸せのため息をつくような香りや
「すごいわねぇ」って心からの感動や、、、。



そういう花の美しさを、トルコキキョウから感じたお客様が今日は多かったようです。
明日からは、何の花からどんなことを感じていただけるかな?



透ける花

2007-04-23 | 花のこと
このごろ、思うことがあります。
透け感のある花びらの美しさは格別だと。

季節感からなのか、
周りにぎゅっとしたアレンジが多いからか、
ただのひねくれ者なのか、
とにかく、世の中のアレンジメントの流れは、
マスの花をキュッと寄せたものが主流ですが、
そうなればなるほど、空気感や光の透け感が欲しくなるのです。

    

モンローウォークです。
生成りともピンクとも言えるこのスプレーバラの、
光を通した花びらの透け感は、美しいですね。


    

フラジールです。
ちょっと、色が抜け気味ですね、ホントは「幸せピンク」です。


いずれも、はらはらしてて、消え逝きそうな切なさを感じます。
お家に飾る花は、こんな感じがちょうど良いみたいです。



世田谷ストリートライブ

2007-04-21 | 思うこと
今日は、いつもお世話になっている世田谷市場の仲卸組合が主催する
「世田谷ストリートライブ」のイベントがありました。

仕事が終わってから、環八をひとっ飛び(?)して、
スタッフと市場へ向かいましたが、
残念ながら到着したときはすでに、ライブはほぼ終っている状態でした。

このイベントの第1回目のデモンストレーションを担当させていただいたのは、
かれこれ、もう5年くらい前のことです。
あれから、月日は流れ、世田谷花卉も大勢のお客様でにぎわっていて、
今日のイベントも大盛況でした。

今年のライブは、岩井淳さん、ローラン・ボーニッシュさん、中川聖久さんの
デモンストレーションで、ジャズの生演奏とともに、
素敵なアレンジをたくさんつくられていたようです。
ゆっくり見たかったです、、、、。


今年は、大勢の生産者さんがお見えになっていて、
ご自慢の花々を紹介するブースがたくさん並んでいました。
その全部を見切れる時間はなかったのですが、
大勢の生産者さんと一堂に会して、お話が出来る機会は、
そうそうあるものではありません。

本当にたくさんの熱心な方々と、ほんの少しの時間ですがお話が出来て、
すごく刺激を受けました。
私はもっともっと頑張らなければいけないと思いました。


そんな中で、一つ残念な出来事がありました。
数日前にこのブログにも載せた、バラのサーシャ
とても繊細で、神経を使う花だろうなとは想像はしておりましたが、
とっても立派に、かつ、大変きれいに作ってきて下さる生産者さんが、
この「サーシャ」をつくることをやめてしまったそうです。
それも、ここ数日のことだとか。

先日、水曜日に仕入れした花が最後だというのです。

もう、もう、もう、もう!
「えええええ~~~っっ?」
って感じです。

「どうして?」
「どうして?」
「どうして?」

困らせてはいけないと、思いつつ、出てくる言葉は、つい、、、。
「残念です」以外の何ものでもありませんでした。


花を作るというのは、我々が想像する以上に大変なんだと思います。
そして、サーシャはそんな中でも、かなり作りにくい品種だったようです。
(理由をいくつかお聞きしました)
そう考えると、そんな大変な株なのに、
あんなにきれいに仕立てて、届けていただいていたんだなぁと、
胸がいっぱいになりました。

そして、「美しくて、いい香り!」などと、
勝手な意見を言ってばっかりの自分を反省して、
「いつか、また幸せの花と出会えるかな」と自分を盛り立てて、
誰のせいでもない、このどうしようもない状況を受け入れるのでした。


良い花って、ホントは、どんな花なんでしょう。
そんなことも、再び考えさせられました。








リベルラ

2007-04-19 | 花のこと
青いバラが開発されたそうですが、まだ直接は見たことがありません。
ものすごく青いんでしょうか?
バイオ技術の最先端としての開発という点においては、
素晴らしい出来事なんでしょうね。

もしも、青いバラが市場に出回ったら、私は仕入れするのでしょうか。

     

このバラは「リベルラ」。
花時間の4月号に、新しいバラとして、載っていました。
(表紙もリベルラが使われています)

花びらのうねりが中世のヨーロッパの女性のスカートみたいで、
「マリーアントワネット」の世界を彷彿とさせます。


「リベルラ」という名前については、花時間にこう書いてありました。

『~リベルラは、ギリシャの山間の澄んだ泉に住むトンボの名前だとか。
かすかに、ピンク色を感じる淡い紫の花色は、
神秘的な雰囲気を感じさせます。~』


「ギリシャの山間の澄んだ泉」。
神々の住むオリンポス山の泉のことでしょうか。
この話しは、どこかで聞いたことがあります。
また、このトンボの映像は去年テレビで見ました。

細い糸とんぼの羽が、紺青色に透き通っていて、
その場面は神秘的で幽玄で、やるせないくらい素敵でした。

そんなわけで、このバラを見つけたので、
はじめて仕入れしてみました。

花びらが、ひらひら、ふわふわ、さまよう様は、
トンボのリベルラと一緒でしょうか。
ただ一つ、トンボとちがう点は、
花には香りがあって、日々変化して行くということです。
見るだけで、香るだけで、
幸せな気持ちにさせてくれるということです。

花は、いつでも、美しくて、儚いのです。









小さな花々

2007-04-17 | 花のこと
みなさまご存知「三宅花卉」さんの球根系の草花たち。

そろそろ出荷のピークは終わりになる頃でしょうか。
いや~、今年もたくさんお世話になりました。

「三宅花卉」の大きな箱を見るたびに、わくわくして。
開けてから「うわ~!」。
花を取り出して「うわわ~!」
一段目の段ボールを外して、2段目を見て「うわ~ん!」。
そんな日々を繰り返しておりました。

     

三宅さんと言えば「アルストロメリア」ですよね。
私は通常ではあまり積極的に仕入れをしない「アルストロメリア」ですが、
この時期ばかりは、たくさん使わせていただきました。
原種系の小さな花々が繰り広げるドラマを感じながら、
色々な種類の小さなアルストロメリアたちを楽しんでいます。


 
今年、もっとも「抱きしめたかったで」賞は、

     

アネモネの原種です。
今見てもかわいい。
ホントにかわいい。



それから、こんな花も私の気持ちをウキウキさせてくれます。

     

ラペロイジア。
いろいろな種類があるんですけれど、
なんだか、とっておきの宝物って感じなんです。


草花たちは、私の心をウキウキさせてくれます。
ふわーっと風が吹くような、楽しみがその先に待っているような、
そんなアレンジが出来れば良いなって思います。



すずらん

2007-04-13 | 花のこと
すずらんのアレンジメントのお仕事をいただいたとき、
正直なところ、どうしたものかと思ってしまいました。

1~2個のアレンジなら大丈夫ですけれど、
変化を付けながら8パターンくらいという先方の希望に、
どう答えていいのか、活路を見出せずにおりました。

すずらんという花は、うつむき加減な姿の可憐さと、
ベルのような形のかわらしさと、
葉っぱの萌葱色と花の純白の清々しさが特徴で、
大好きな花であるにもかかわらず、
アレンジメントとなると、かなり手強い相手でもあります。

まよって、まよって、、、、。
でも、世田谷花きのSさんが勧めて下さったすずらんを拝見したとき、
一気にその迷いは吹き飛びました。

「うわ~!なんてきれい!」
「なんて、はかない!」
「なんて、美しい!」

心の底から思いました。

凛として、気高くて、それでいて、どこか淋しげで。
「孤高のピアニスト」という言葉が頭に浮かびました。

花のつき方が音符みたいだったからかもしれません。


他の花はなんにもいらない!
すずらんだけがあればそれでいい!
と、思いつつ、仕事ですからそうもいかないわけで、、、、


     


ライラックと、グリーンアイスを入れて、
シルバーの器で、凛としたイメージを強調しました。

他に、いくつかのすずらんを使ったアイディアという形で、
6パターン掲載させていただきました。
機会がございましたら、せひ「婦人画報」5月号をご覧下さい。
(印刷の加減でしょうか、ちょっと、クリーム色になってしまったのが残念です)


すずらん、見れば見るほど、魅き込まれます。

     


美して、はかなくて、凛として、気高くて。
こんな女性になりたかったです、はい。



ジャルダンパフュメ

2007-04-08 | 花のこと
以前にも、このブログで紹介したことのある「ジャルダンパフュメ」。
やっぱり、独自の世界を築き上げていて、素敵だなって思います。

     


市川バラ園さんから届く、ジャルダンパフュメの入った箱。
開けた瞬間に、あたりにふわ~っと香りが漂って、
どんなにやさぐれた(?)朝でも、幸せな気持ちになります。

     

この香りを独占するのはもったいないと思いつつ、、、、
、、、独占しています、すいません。


     

婚礼のブーケを、ジャルダンパフュメだけで、というご希望がありました。
曲がった茎も利用して、キュッと集めてナチュラルステムにしました。
お届けした瞬間、ヘアメイクさんや介添さんから
「うわ~!」と歓声が上がりました。
花嫁さんからは「幸せの独占」を感謝するお便りをいただきました。
花嫁さんのお母様からは、
プレゼントされたブーケを10日以上飾り続けたとお電話いただきました。



みんなを、こんなに饒舌にしてしまうバラの香りの力。
そして、色々なバラを集めて、香りの世界を作られた市川さん。
お互いの力のコラボレーションとも言えるのが
「ジャルダンパフュメ」なのかもしれません。
その発想に、市川さんの熱い熱い情熱を感じて、
そして、その思いに私は賛同しています。

     

色の幅も広いので、今は、淡めの色もミックスでお願いしてます。



トルコキキョウ

2007-04-05 | 花のこと
トルコキキョウには、格別の思いがあります。

といっても、トルコキキョウについて考えだしたのはここ数年のこと。
多くのお客様がおっしゃるように、
私も昔は、トルコキキョウはすぐにしおれてしまう花だと思っていました。
事実、活け込み等に使ってクレームを受けたこともありました。

ところが、ここ数年、
世田谷市場の仲卸で花の仕入れをするようになってから、
その考えは大きく変化することになるのです。

トルコキキョウって、長持ちして、最後まで咲くんだ!と。
そして、その後、八重咲き品種がたくさん出てきて、色の幅も増え、
その豊富さに驚かされるくらいになりました。

世田谷花きのK氏を通じて、産地へおうかがいする機会もあり、
さらに、生産者さんともお話しする機会も増えて、
その情熱とまじめさと、トルコキキョウへの想いに、
新たな可能性をものすごく感じています。


先日の池袋西武のイベントでも、
本来ならバラだけを生けるという方向性だったのですが、
どうしても多くの方にトルコキキョウをご覧いただきたくて、
バラのような扱い方で、トルコキキョウを生けさせていただきました。



     

     4種類のトルコを並べて飾っています。



     

     ダブルアップピンクです。
     こうして花だけを見ると、バラのようにも見えますが、
     バラにはない花びらの薄さとはかなさがあります。


     

     ロジーナイエローと、バラのデザートをざっくりと束ねています。
     このクリーム色はバラにはない色です。


     

     春うららとスーパーマジックラベンダーを生けました。
     透明感があって、初夏より少し前の春を感じる透け感が美しいです。


ホントは、一番今好きなトルコキキョウ「コサージュ」シリーズを
お見せしたかったけど、きれいな写真がありませんでした。

これは、また後日の宿題ということで。

今、気になる花  その1

2007-04-03 | 花のこと
少し、仕事に余裕ができてきたので、
このところで、気になる花たちを紹介していきたいと思います。

      

まずは、バラの「サーシャ」。
つぼみの時は、こんな色(真ん中のバラです)。
ベージュというか、黄土色というか。
(ちなみに上のライトパープルは「オーシャンソング」、
 下のピンク色は「トワユニークカップ」です)


で、咲くと、これがまた、、、、。
 
      

花びらのうねうね感と、ほんのり色づくモーヴピンクが大人っぽくて。
細めの茎の先に咲いた、揺れる大輪のレースのような重なりの花びらは、
誰をも乙女チックな気持ちにさせてくれます。

その上、サーシャ一番の魅力ともいえるのが、独特の香り。
ちょっとスパイシーで、ツンとして、
一生忘れられない香り、とでもいいましょうか。


ホンワカしてるけど、ツンとした、
優しいのに、凛とした、
かわいいけど、大人っぽい。


2面性を併せ持つ、ある意味、上級者のためのバラだと思います。