蜘蛛網飛行日誌

夢中説夢。夢の中で夢を説く。夢が空で空が現実ならばただ現実の中で現実を語っているだけ。

午餐

2005年09月15日 03時27分39秒 | 彷徉
仕事の都合で、このところ立て続けに八重洲に通っている。所番地は八重洲だけれども実質的には京橋に限りなく近い。で、気が付いたのだが安価なラーメン屋がほとんどないのだ。それと立ち食い蕎麦屋も回転寿司屋もほとんどない。これは意外だった。高い店は何軒かあるが、安い店が圧倒的に少ない。店舗の賃貸料が高いからそれが商品に転嫁されているためなのだろうか。
立ち食い蕎麦屋Kはいつも満員で入れないし、同じ立ち食い蕎麦屋Nは回転が速いためか比較的空いているのだが、店内が臭い。中国人スタッフで営業されている中華料理屋Sは味付けが気に入らない。いや気に入らないにもなにも、わたしたちが普段食べ慣れているような味付けがなされていない。これを美味いと感じている客もいるようだが、少なくともわたしには合わない。ではなぜ入るのかというと、他に食べるところが無いからだ。しかしさすがに盛夏の時期にはそんな店々にも入る気にもならず、昼餐を抜くことが週に二三度はあった。そんなこんなで、わたしは精神的および肉体的にすっかり消耗してしまったが、このような状況も今月末までの辛抱。それにしてもたかが昼飯でこれだけ悩むなどという馬鹿げたことは金輪際願い下げだ。
八重洲といえば広い地下街があり、そこには何軒もの飲食店が入っているので食事する場所に困ることはない、と思われるかもしれないが、何軒店があったとしても昼食時間中に利用できなければまったく無意味なのだ。それになにより値段が高い。わたしは偶さか東京を訪れる旅人ではないのであって、一回の昼食に出費できる金額の上限は七百五十円といったところ。いやこれでも多すぎると思う。もっと倹約したいところなのだ。おまけに八重洲ブックセンターも比較的近いときている。二日と空けず各フロア―を視察しているので、必然的に本を購入する機会も多くなる。これでは倹約しろと言うほうが無理だ。先月もドイツで出版されているナチズム関係の本を何冊か買ってしまった。昔に比べると安くなっているとはいえ、それでも痛い出費だった。
今回も相変わらず取り留めのないはなしになってしまったが、要すればわたしは客に行列を作らせるような食べ物屋は大嫌いなのだ。そもそも味自体の差なんて素人にはそうそうわかるとも思えない。そしてなにより味は気分に左右されるものなのであってみれば、待たされたあげくのいらいら状態でたべたって、美味い不味いがわかるわけがない。いくら繁盛しているとはいえ、客が店の前に並ぶようなったら店主はそれを歓ぶのではなく、客の感じているであろう不満にこそ配慮すべきなのではないか。
またも真夏日になった今日、昼食に何を食べたらよいのか悩みながら、わたしは八重洲の街を徘徊しなくてはならなかった。

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