忘憂之物

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             渋沢栄一

所在不明児童ら全国で1191人 都市集中 大阪は153人(産経新聞)>2012.4.15

2012年04月15日 | 過去記事
所在不明児童ら全国で1191人 都市集中 大阪は153人(産経新聞) - goo ニュース





昨年1月の産経新聞に「全国で小中学生326人が行方不明」と特集記事があった。産経が<調査そのものが空洞化し、実態は不明だ>と危惧したとおり、ちょっと調べたらとりあえず3倍以上に膨れ上がった。全国で1191人もいるとのことだ。

原因はいくつかあるそうで、先ずは「夜逃げ」だ。それと「DV(ドメスティックバイオレンス)」からの逃避、ネグレクト。それから「犯罪に巻き込まれた」とかになる。

楽観して言うが、その過半以上は「親の責任」だ。薄情の誹りを覚悟して言えば、それはもう、知ったことではない。夜逃げして名前を変えて生きていこうが、母親に連れられて暴力アル中オヤジから逃げ出そうが、まあ、それも運命共同体の結果、致し方がないことだ。それらを糧にして立派な人間に成長した例はごまんとある。

また、大阪でもあった「放置死」のようなネグレクトは、行政だけではなく「地域住民の監視」という観点の復活も要する。時間はかかるが対策はある。少なくとも何とかなる。あと犯罪に巻き込まれる、は北九州の監禁事件のような事例もあった。殺されているかもしれないし、拷問されてマインドコントロールされているかもしれない。コレも事件が発覚しない限りどうしようもない。ま、どんな国であれ多少の差異はあれども、とくに驚くようなことでもない。日本だけが突出しているわけでもない。

ナイジェリア南部アクワイボム州で「赤ちゃん工場」が摘発された。日本にも「赤ちゃん本舗」とか赤子用の服やら哺乳瓶やらを取り扱う店舗はあるが、この「赤ちゃん工場」はそのまま、産ませた赤ちゃんが商品だった。施設オーナーは女性を雇い、赤ちゃん一人産ませると7万ナイラ(約36000円)を支払っていた。世界のどこでも人権が落ちているわけでもない証左だが、日本もコレを笑えない重大、且つ、最悪の状態がある。拉致だ。

日本政府が何もしない、ということで拉致被害者家族が集まって「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会(家族会)」ができたのは平成9年3月25日だ。中学生がいなくなっても、学校や教育委員会に「探せ」とやるどころか、警察も政府も何もしてくれないのが現実だった。しかし、拉致被害者家族本人らが「北朝鮮に拉致された」と集まれば、あの犯罪者集団のことだ、証拠隠滅として拉致された被害者は殺害されるかもしれない。コレは親ならだれでも考える。テレビドラマの誘拐事件でも、親が子供の命を守るために警察に通報しない、というストーリーを理解しない親はいない。その相手が犯人ではなく、独裁軍事国家なのであり、その下部組織の朝鮮総連は全国至る所に存在する。どれほどの絶望感、どれほどの恐怖感なのかは察して余りある。

そしていま、家族会は未だに「署名活動」している。

<「私たちは今年を勝負の年として国民の皆さんにさらに訴えて、もう一度、10年前の皆さんの怒りを前面に出していただいて、北朝鮮との交渉を政府に促していこうと思っています」(増元照明さん)>

未だに国民世論を喚起させようと尽力せざるを得ないのが現状だ。世論が動かねば政治が動かない。あっさり言うと票にならなければ政治家は言わない。ましてや、この問題は金にもならない。旗を振り揚げても官僚が喜んでくれない。つまり、権力にもならない。メディアも取り上げない。だから、それでも動いている政治家は尊敬に値するわけだが、いまの日本の政治家先生の多くは馬鹿にされようが嫌われようが、票と金と権力しかいらないからやらない。これがもう十数年続く。

大阪で幼子が放置されて腐り死んだ。世論は瞬間、反応して怒った。テレビもやった。周辺住民はなにをしていたんだと、子供の声も聞いているじゃないかと。しかし、その親は「初海なう」だった。放置して殺すほどのネグレクトだった。拉致被害者家族はいなくなった子供を探せない。「いる場所はわかっている」からだ。13歳で連れ去られた娘を30年以上、待ち続けている夫婦がいる。毎食、拉致された娘のために「陰膳」を用意する夫婦がいる。世間、日本の世論はいつまでこれをネグレクトするのか。

政治家もそうだ。「全力で取り組む」「一日も早い全面解決を」「全員の帰国が使命」・・・・言葉はとても大事だが、そろそろ伴った具体的行動をみせねばならない。消費税ごときに「政治生命を賭ける」はもう結構、「不退転の決意」も遠慮する。それよりも「拉致被害者全員救出」を公約に挙げる政治家を希求する。そういう政治家が集まった政党に政権を委ねる。拉致被害者家族の方々があきらめていないから、我々もあきらめてはならないが、早くしろ馬鹿野郎、という声は我々からこそ挙げたい。




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