忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

脱原発 首長会議が発足 東京で設立総会(河北新報)>2012.4.30

2012年04月30日 | 過去記事
脱原発 首長会議が発足 東京で設立総会(河北新報) - goo ニュース

<福島第1原発事故を受け、原発に依存しない社会の実現を目指す全国の市町村長らが28日、「脱原発をめざす首長会議」を発足させた。住民に近い基礎自治体の目線で原子力政策や再生可能エネルギー、福島への支援策などについて勉強会や視察を実施し、政府や国会に政策を提言する。
 桜井勝延福島県南相馬市長や根本良一元福島県矢祭町長らが呼び掛け人となり、35都道府県の現・元市町村長計69人が名を連ねた。東北からは山本正徳宮古市長、門脇光浩仙北市長、鹿野文永旧宮城県鹿島台町長ら7人が参加。顧問には佐藤栄佐久前福島県知事らが就いた。
 東京都品川区で開いた設立総会では、世話人として桜井市長ら3人を選んだ。拙速に原発再稼働をせず地元住民の合意形成を求める決議や、政府が今夏にも策定する新エネルギー計画に「原発ゼロ」を盛り込むよう求める決議も採択した。
 記者会見した桜井市長は「地域住民が棄民にされる不安を感じる中、どうして再稼働なのか。福島で起きたことを全く学習していない。原子力政策を大きく転換しなければならない現実を全国に知ってほしい」と訴えた>




1950年代もイランは困った国だった。勝手に石油を国有化するとやったから、イランと石油メジャーの確執は高まった。国際社会は経済制裁をした。イギリスは軍艦を中東に出した。外貨が手に入らないイランは困った。そんなとき、イランのアバダンに入港するタンカーがあった。「日章丸」だ。

1953年4月5日。出光佐三は自前のタンカーをイランに入れた。国際社会の世論を無視して、極秘にイランと輸入協定を成立させた。外貨が欲しいイランは飛びつく、という出光の判断だった。戦勝国からなる国際連合は怒った。自分らのことは棚に上げて足並みを乱すなと。枠組みを壊すなと。また建前ながら、危ないじゃないか、とも言った。乗組員に何かあったらどうするんだ、と心配してみせた。それを受けて出光は記者会見で言う。

「いち出光のためという、ちっぽけな目的のために、五十余名の乗組員の命と日章丸を危険に曝したのではない。国際カルテルの支配を跳ね返し、消費者に安い石油を提供するためだ」――――少し前の日本には、こういう企業家や政治家や学者がたくさんいた。




―――そして現在、NHKの「日曜討論」をみる。原発賛成派の学者と反対派が議論していた。朝メシ喰いながら観ていると、賛成派の学者らはエネルギーの専門家、あるいは現場を知る経済の専門家だった。反対派は専ら環境問題の分野で喰う人だった。節電しか言わなかった。要すれば「安定した供給ができないなら需要を減らせば安定する」という馬鹿の理屈だ。そういえばテレビでも、節電で薄暗い繁華街を映して「シックな感じでいいですね」と馬鹿を言っていた。薄暗いのは反日思想だけで充分だろうに。

それから左翼学者だった。慶應義塾大学経済学部教授の金子勝氏だ。氏は経済学者でありながら湯浅誠と「日本の貧困」を書いたり、日本をくさすために上野千鶴子や田原総一郎や佐高信らとも本を出したりする。反グローバリズムはともかく、菅内閣で総務大臣を務め、あの「鳥取県人権侵害救済推進及び手続に関する条例」を可決させた片山善博とも仲良しだ。お里が知れる、とはこのことだ。

大阪の橋下市長もおかしなことを言い出した。節電した企業にインセンティブを支払う、自家発電した企業にもお金を差し上げます、ということだ。そのための財源には「新税」を使うのだと。橋下市長は反対だけなら反原発運動、きちんと責任を果たしましょう、とやった。御立派なことだが、昨年、あれほどテレビで「電力は足りる。夏も乗り切ったじゃないですか」と言っていたはずだが、どうやら今年の夏は危ないらしい。電気は使えないわ、税金は取られるわ、ということで人や企業を関西から追い出したいらしい。若者よ、大阪には来るな、就職はないぞ、ということだ。それに橋下市長はぶれていない。昨年の11月、まだ府知事だった橋下市長は、ちゃんと「新税」も言っていた。ただ、その理由は節電ではなく、太陽光発電の普及促進のためだった。

橋下市長は知事時代、ちゃんと関西の住民に「電気代に上乗せするぞ」と言っていた。もちろん、それを受けてのダブル選挙圧勝だったわけだから、大阪人はたこ焼きを止めてでも払わねばならない。人が少ない方が太陽光パネルも敷き易かろう。人はいなくなるし、土地は下がるし、税収は減るだろうが、私は京都府民だから関係ない。

ま、いずれにしても「脱原発」がブームだ。「脱原発をめざす首長会議」にも69人もの首長が集まった。再生可能エネルギー(※このネーミング変じゃないか?それは永久機関のこと?)やら政府が策定する新エネルギー政策が成れば「原発ゼロ」の世の中になるという。払える金額で電気が使えれば何でも結構だが、この数日前、スイスの研究機関の「世界経済フォーラム」いわゆる「ダボス会議」では東日本大震災の打撃を受けた日本に対し<急激に脱原発へかじを取ればエネルギー安全保障を危機にさらす恐れがある>として<長期的には原発の安全性強化を図っていくべきだ>と提言する報告書を発表している。

「ダボス会議」といえば、反グローバリズム活動家から「資本主義とグローバル化が貧困を拡大し環境を破壊している」と抗議され続ける研究会だ。つまり、日本の脱原発、反原発の「活動家」と同じ穴のなんとかになる。先述した金子勝もいる穴だ。

私は「ダボス会議」に一票だ。喧伝される「脱原発」の中には、あまりにも「日本弱体化」という目的が透けて見える。出光のような日本のエネルギー問題のために、日本の消費者のために、などまったく見えてこない。代わりに見えているのは腐ったイデオロギーだけだ。もちろん、民主党政権が言う「安全です」には何の信頼もないが、別に民主党の連中が原発を管理、運営するわけではない。やはり、私は日本の企業を信頼したい。




コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。