忘憂之物

男はいかに丸くとも、角を持たねばならぬ
             渋沢栄一

もしもシリーズ①「もし朝日新聞がデロリアンを開発したら・・・」

2011年06月27日 | 過去記事
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110624-00000325-oric-ent
<ドラマ『JIN』最終回はシリーズ最高視聴率26.1%で幕~瞬間最高は31.7%>

<俳優・大沢たかお主演の人気ドラマ『日曜劇場 JIN-仁-』(後9:00~ TBS系)が26日に最終回を迎え平均視聴率26.1%、瞬間最高視聴率は31.7%を記録した(ビデオリサーチ・関東調べ)。2009年に前作が放送され同じく最終話でクール最高の25.3%を記録し、同年の「ドラマ年間視聴率TOP10」で2位を獲得した人気作。完結編となった今回の最終話で全シリーズを通じて最高平均視聴率をたたき出し、盤石の強さを見せつけた。

原作はシリーズ累計680万部を超えた村上もとか氏の同名タイトル漫画。天才外科医として現代を生きてきた主人公・南方仁が江戸時代へタイムスリップし、医療器具もままならない時代のなかで“命”の尊さと向き合って行く物語。医術を通して幕末の英雄・坂本龍馬(内野聖陽)らと出会い、自身も激動の歴史の渦に飲み込まれていく仁先生の姿は原作にもひけをとらない、大反響を呼んだ。

続編となった今回は、前作での全ての謎が解き明かされるとあって、放送前から注目度はダントツ。今年3月に発表した「春ドラマ期待度ランキング」(オリコン調べ)で圧倒的な支持率でトップとなり、初回放送も平均視聴率23.7%と期待値に応えるべく好スタートを切り、堅調な数値をキープしてきた。

プレッシャーは主演の大沢はもちろん、スタッフ陣も感じてきたことはいうまでもないが、関東では全編平均視聴率が20%を超え、関西地区では初回から最終話まですべての回で20%を上回る好成績。今年は“ドラマ氷河期”ともいわれ、各局では最高視聴率でも20%を超えるヒット作は数えるほどしかないなか、期待に応え有終の美を飾った>




つい最近、ゴールデンタイムの視聴率が民放全局でヒトケタだった、というニュースがあった。これはもう「ドラマ氷河期」というか「テレビ氷河期」だということだが、この理由をテレビ屋は「この時間帯は女子供しか家にいないから」とした。しかし、このTBSドラマは日曜日とはいえ高視聴率だったようだ。もちろん、私も観た。というか、録画して観た。つまり、リアルタイムの視聴率という実際の数字よりも多くの人が観て、そしてブラボー!と拍手していた。私なども涙腺が緩みっぱなしであった。妻は寝ていた。

すなわち、テレビ離れ、というものの真因がわかる。それはずばり、テレビ屋がくだらぬ番組をつくるからだ。韓国ドラマの垂れ流しも結構だが、どうだ、ちゃんと作った面白いドラマ、テレビ番組なら、視聴者は録画してまでも観る。リアルタイムで観たい人は予定を立ててでもテレビの前に座る。メディア関係者は一度、正座して「安藤奈津」でも食べたほうがいい。私も食べた(笑)。セブンイレブンで120円だ。



ま、ちなみに、だ。

この「日曜劇場 JIN-仁-」にしても「タイムスリップ」というSFチック、というか漫画的なエッセンスがストーリーの基盤をつくる。ひと昔前の映画で「Back to the Future」もそうだった。アメリカでは大ブームが起こり、それは「フューチャー現象」と呼ばれて社会現象となった。人類はタイムスリップが好きなのだ。

また、タイムスリップといっても、面白いのは圧倒的に「過去」に行く、というものだ。「Back to the Future」も未来に行く頃から「フューチャー現象」も怪しくなった。その「未来の世界観」はスターウォーズのそれと比して変わらぬファンタジーとなるからだ。車が空を飛んでいたり、立体的な電光看板があったり、あまりに奇抜なファッションが過ぎていたり、異星人が普通に暮らしていたり、となれば、それは「アバター」と変わらぬファンタジー映画となる。ドラえもんが21世紀から来た、とか言われても、今現在、とてもじゃないが「どこでもドア」すら売っていないのが事実であると我々は知ってしまっているから、どうにも納得し難いわけだ。いや、もしかしたら民主党は「うそつ機」を持っていたかもしれない(笑)。鳩山由紀夫は、あの「くちばし」のような機械をつけていたかもしれない。

その点、過去に行く、となれば、ある程度のリアルが求められるし、それを映像化したり、ストーリーに絡める作業は物語の構成上、避けては通れぬ過程となる。だから面白いし、考えさせる内容のモノが多くなる。「綾瀬はるか」が「それはドタキャンというものでございますか?」とやれば、我々はにやりとしてしまうのである。いやぁ、それにしても「おっぱいバレー」からすれば、彼女は立派な女優さんになったなぁ~と感心するのだった。久しぶりに「イイネ!」を贈りたい。イイネ!

ま、ところで、だ。映画「Back to the Future」では「30年前」に飛ばされたマイケル・J・フォックスが元の時代に戻るために奔走するが、時空を飛び越える車・デロリアンの燃料が物騒なプルトニュウムであるため手に入らない。そこで落雷をエネルギーとして1985年に戻ろうとするのだが、そこで自分の両親と出会い、その母親が自分に恋をしてしまう――――というドタバタが用意されていた。自分の両親が結婚しないと自分が産まれない、というリアルが単純ながら放り込まれていたわけだ。これが面白かった。


そして「JIN-仁-」もそうだったが、過去に行く主人公やらは往々にして「歴史を変えてはならない」とかで気を使う。それは「戦国自衛隊」でも「時をかける少女」でも同じことで、自分が仕出かした小さな出来事が、その未来を大きく変えることになるかもしれない―――というのはダメなこと、として扱われる。それは「現在」があくまでも豊かで平和だから、という設定でもあろうが、それともうひとつは「過去からの繋がり」に対する畏怖、畏敬の念からの自然な振舞いとして、我々も納得しながらそれを観る。「変えてしまえば面白い」かもしれないが、しかしながら、それはやっぱりダメなことなんだろう、と少年のような気持で楽しめることになっている。それに「歴史を変えてやるぜ!」という登場人物は、およそ「悪役設定」でもある。

そういえば「Back to the Future」に出てくる「ジャイアンキャラ」の男はデロリアンを奪い、過去に戻って競馬などで大儲けして地位と富を得る、というシーンがあった。つまり、過去に戻って行う「くだらぬこと」の代表がコレだ。よく「もし、タイムスリップして小学生に戻れたら~」などという冗談があるが、コレも同じ類のくだらぬことであり、そういうことばかり考えている者は、実際、本当に戻れたとしても、今と変わらぬくだらぬ人間になっている可能性が高い。ちなみに私はお断りだ。しんどい(笑)。

もし、朝日新聞がタイムマシンの開発に成功、それを秘密裏に稼働させていたとすれば、明日から「従軍慰安婦」やら「南京大虐殺」の「決定的証拠」などが出てくる(笑)。捏造した証拠を過去に持って行くわけだから、これはもう、不思議ではあっても嘘はバレない。しかし、残念ながら朝日新聞社にデロリアンは無い。だから彼らはいま、嘘ばかり吐かねばならない。ありもしない「歴史的事実」を声の大きさと物量だけで押し切ろうとする。だが、これまた残念だが、ドラマ「JIN-仁-」でも何度も出てくる「歴史の修正力」とやらが働くことになっている。朝日新聞などの反日サヨクは「仁せんせい」と違うところの頭が痛いはずだ。脳の中に毛沢東の形をした腫瘍でも出来ているのだろう。



また、話を少し戻すと、だ。「JIN-仁-」が面白かったのは江戸庶民が明るく暮らしている様子がリアルだったからもある。主人公の仁先生にも「江戸の人は笑うのが上手い」というセリフがあった。仁先生はそこで現代の日本人が何を失って何を得たのか、を考える。多くの人々が創り上げてきた「歴史」の中で得たモノ、その知識や技術で自分の医術が成っていたのだと気付くシーンもあった。それは成功も失敗も含む「過去からの繋がり」のことである。仁先生は今の自分がどうではなく、過去の人々の人生の積み重ねこそが、自分を自分たらしめているのだと悟る。そういう意味ではなかなか深いテレビドラマであった。


そして、人間はやはり「過去からしか学べない」のだとわかる。未来のことに想像を巡らせることは楽しいが、それで浮かれても悩んでも仕方がない。未来とは良くも悪くも「どうしようもない部分」が厳然としてある。

つまり、過去、歴史というのは「今、ここにある財産」だ。タイムスリップもせず、過去の日本の歴史を改竄する連中というのは、やっぱり悪役に他ならない。それに、ちゃんとストーリーを追って知っている人には矛盾だらけで通じない。「JIN-仁-」のように、いくら儚くとも、切なくとも、そこにはちゃんと「歴史の修正力」が働くことになろう。頭の中に坂本竜馬ではなく、毛沢東やら金日成がいる連中は覚悟すべきだ。ま、私の頭が痛いのは二日酔いだがな。



平井堅(Ken Hirai) / いとしき日々よ( Itoshiki Hibi Yo )


3 コメント

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Unknown (親爺)
2011-06-27 15:29:30
「JIN-仁」は近頃には珍しく佳く出来たドラマでした。昨夜の最終回も妻、長女、倅2号と一緒にリアルタイムで観ました。意地の悪い私は「どうせエンディングはグダグダになるんだろう。」と予測していましたが、あれなら充分 合格点ですね。


で、今日のエントリーのエンディングも素晴らしかった。

>過去、歴史というのは「今、ここにある財産」だ。タイムスリップもせず、過去の
>日本の歴史を改竄する連中というのは、やっぱり悪役に他ならない。ちゃんとスト
>ーリーを追って知っている人には矛盾だらけで通じない。「JIN-仁-」のように、い
>くら儚くとも、切なくとも、そこにはちゃんと「歴史の修正力」が働くことになろ
>う。

ネット世界を隠遁してからもっぱら歴史書の類を濫読している。何度も読み返した本でも「あ、これ見落としていたな。そうか、これがあの事件(出来事)に繋がって行くのか」と気付かされることが多々ある。時間という垂直軸とその時々に生きる人々の行動、空間が織りなす文様は、眺めても眺めても飽きるというとこが無い。


『歴史とは、人間の住む世界を、時間と空間の両方の軸に沿って、それも一個人が直接体験できる範囲を超えた尺度で、把握し、解釈し、理解し、説明し、叙述する営みのことである。』
岡田英弘氏の言葉です。著書「歴史とはなにか」もし未だでしたら是非ご一読を。
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Unknown (久代千代太郎)
2011-07-04 07:25:31
>親爺どの

ありがとうございます。「歴史とはなにか」――背伸びして読んでみます。

つきましては、是非、親爺の歌う「いとしき日々」が聴きたい、と書いておきます。
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Unknown (親爺)
2011-07-04 12:46:08
千代さんへ

>是非、親爺の歌う「いとしき日々」が聴きたい、と書いておきます。

あんなキーの高い歌を唄ったら、たださえ脆くなってる脳の血管がブチ切れ、そのまま死んでしまうやんけ。俺は娘の花嫁姿が見たいんや~

と答えておきます。
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