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市長、受注業者と温泉旅行…コンパニオンも同席(読売新聞) >2012.7.22

2012年07月22日 | 過去記事

    




市長、受注業者と温泉旅行…コンパニオンも同席(読売新聞) - goo ニュース

<三重県伊賀市の 内保 ( うちほ ) 博仁市長(68)が2009年9月、市発注工事で受注実績がある市内の土木会社の社長(62)らと1泊2日で温泉地に旅行していたことがわかった。

 女性コンパニオン同席の酒席にも参加。内保市長は22日に記者会見し、「会社側への便宜供与などはなかった」としたうえで、「誤解を招く行為で、軽率だった」と謝罪した。

 内保市長や同社社長によると、旅行には市長と元市議(74)、同社の社長、専務、常務の計5人が参加。週末に社長の車で伊賀市を出発し、石川県加賀市の温泉旅館に宿泊した。コンパニオン2人を同席させて飲食やカラオケをし、宿泊・飲食費の総額は約26万円。市長は5、6万円を元市議を通して渡したとしている。

 内保市長は「元市議から『温泉でゆっくりしよう』と持ちかけられ、2人で行くつもりでいた。運転手を頼むとは聞いたが、業者とは知らなかった」と説明。

 市によると、同社は、内保市長が就任した08年11月から旅行までに4件、旅行後に2件の計3億7991万円の工事を受注している。社長は取材に対し、旅行と受注との関係を否定し、「元市議が運転を頼んだ人の都合がつかず、同行することになった」と話した。

 内保市長は1997年から旧阿山町長を務めた後、合併で2004年12月に伊賀市助役となり、08年の市長選で初当選した>










埼玉県川越市の前市長「舟橋功一」はテレビで喜んでいた。「川越ナンバー」が出来たから、これで川越市は全国的に有名になる、ということだった。日本政府も川越市を「中核都市」に指定した。これは別に革命的共産主義者同盟全国委員会、いわゆる「中核派」は関係なくて人口が30万人以上、福祉や衛生業務などを自前で行える都市ということだ。

この前日、川越市の「中核市推進委員会」の委員長だった初野敬彦が捕まった。初野は舟橋前市長の選挙における「片腕」でもあった。だから前市長の後援会を通じて知り合った空調会社の社長に、市内の学校給食センターのリフォーム工事の金額、入札参加業者なども教えた。それだけでは不安でございましょう、ということで市の建設課長に命じて、ライバルになりそうな大手の設備会社を除いて指名業者案を作らせたりした。

至れり尽くせり、お主も悪よのぉ、が聞こえてくる。もちろん、魚心あれば水心、空調会社の社長も舟橋と初野を接待漬けにしていた。お代官様ほどでは・・・と聞こえてくる。時代劇ならこのあと、中村主水に殺される。「奥山神影流」の免許皆伝、冷たく光る刃が腐ったはらわたを抉るところだ。

でも、残念ながら現実の社会に中村主水はいない。だから初野は仕事人に殺されない代わり検察に起訴された。しかし、この男はこの期に及んでも反省していなかった。被告人質問で「後援者の頼みを断りきれなった事情を皆さんにもわかってもらいたい」とぬけぬけと言い訳した。それで遠山金四郎が「やかましいやい!この悪党!」と桜吹雪を見せる前に「さいたま地裁」の山口裕之裁判官が怒った。


「そういう線引きが出来ない人は公務員をやってはいけない。わかってもらいたい、ということは、未だにそれがわかっていないということでしょう」


これでもかという正論だ。御蔭で「金さん」も「お役人が刺青している!」と騒がれずに済んだが、山口裁判官の言う<そういう線引きが出来ない人は公務員をやってはいけない>がわかっていない公務員は、まだまだ、馬に喰わせるほどいる。

すると「民間はどうなんだ」という声が民間からも聞こえてくる。企業の重要人物が特定の取引業者とべったり、ゴルフに行ったり飲みに行ったり、東南アジアへの「買春旅行」まで行く、というのは珍しくない。しかし、これをだれも「癒着」とは言わない。私が以前、働いていたのはパチンコ屋だ。道徳的にはともかく、法的にも業務的にも問題ないから、こういうのは普通に身近なことだった。だから私は「安居酒屋」を選んだし、私は参加しなかったが、とある有名企業からのゴルフ旅行や温泉旅行の御誘いは年に1~2回はあった。「バリ島に行きませんか?」には心が揺れ動いたことも告白しておく。

しかし、だ。民間のそれは税金を使わない。お主も悪でお代官様こそ、とはならない。権力や影響力を使って「おいしい思い」をするのは同じようなモノかもしれないが、接待するにも社の経費を使う。夜の街が潤う。発注するのも企業の金が使われる。経済が回る。いわば「勝手にしろ」という程度のことである。でも、公務員はそういうわけにはならない。これは差別ではなく、厳然たる区別の範疇だ。「公金」を使用して「公共」の業務を差配する立場、というのは民間の場合と区別されて然るべき、なのだ。これに納得できぬ公務員がいるなら、さっさと退職して民間企業に入社し、接待してもらえる立場になればよろしい。それでも社に内緒で「懐に入れる」と業務上横領になるから気をつけなさい。

この記事にある三重県伊賀市の場合もセコイ。要するにコンパニオンを交えたエロ宴会だ。市長は関連を否定するが、そのあと<旅行後に2件の計3億7991万円の工事を受注している>ともバレている。その言い抜けがコレ<元市議から『温泉でゆっくりしよう』と持ちかけられ、2人で行くつもりでいた。運転手を頼むとは聞いたが、業者とは知らなかった>になる。子供の使いレベル、と言っては子供に失礼かもしれないが、これが笑って看過できないのは、このレベルの人間が市長や市の助役程度ではなく、日本の外交を左右するところにもうじゃうじゃいるからだ。こんなのが対支那ODAを「大した金額じゃないんだから」とか言う。韓国やロシアにも「慎重に」と言いながら経済援助を勧めてくる。「100億取れたら10億キャッシュバックするアル」となる。エロ宴会の比ではない。

政治家にもいた。在日韓国人から献金を受けて「韓国人とは知っていたが献金は知らなかった」と言った外務大臣がいた。その首相は「献金は知っていたが韓国人とは知らなかった」だった。こんな連中が「政治主導」として動かすはずの、例えば外交官は世襲だらけ。外国の大使館に勤めるのは息子とか義理の息子とか。仕事は危険を避けて、優雅に地元の有力者とパーティーしたりするお仕事になる。

10年ほど前まで、外交官試験の試験官は大使がやる。つまり、お父さんか義理のお父さんが「合格」をくれる。だから、どこかの大使が死ぬと、その葬儀の親族席は埋まり、来賓席ががらがらになる。これを当時の橋本首相が外交官試験を止めて、国家公務員上級試験を受けろとやったら、大使の息子はみんな落ちた。つまり、馬鹿ばっかりだった。しかし、いまでも残っているのがいるから、どこかの国が領海侵犯したり、反日のモニュメントを作って喜んだり、火事場泥棒で奪った日本の領土に土足で上がり込んだりしても「どうかひとつ、慎重に」しか言わない。「遺憾の意」はちょっと待って下さいと。現地には可愛い息子がいる。その家族もいる。大使館が襲われたり、可愛い孫に投げた石が当たったらどうするんだ、という感覚で外交をやる。

2002年、瀋陽の日本総領事館での事件。副領事だった宮下謙は領事館の敷地内、目の前で支那人民武装警察に連れ去られる朝鮮人家族5人を見殺しにしたばかりではなく、支那人の帽子まで拾って手渡した「日中友好」ぶりだった。これは世界に報じられて日本は大恥をかいた。褒めてくれたのは支那共産党だけだった。1974年の日本赤軍がクウェートの日本大使館を襲ったときもそうだ。大使だった石川良孝は女子更衣室に身を潜め、涙声で日本に電話してきた。外務省は「人命優先」とのことで日本赤軍の要求は全て飲む。味をしめた日本赤軍は同じ年、ハーグの仏大使館を占拠、赤い仲間の釈放を求める。日本の外交官は捕まってる身内が心配で無線を使って安否を確認した。日本でも外国公館での無線使用は禁止。しかし、外交とは平等が建前だ。日本は使っていいんだな、ということで「スパイ防止法」もないこの国の外国公館の屋上には堂々とアンテナが立つことになった。



そのずいぶん前になる1913年、メキシコでマデロ大統領の夫人と子供らが日本公使館に逃げてきた。クーデターだ。大統領は既に処刑されていた。公使は堀口九萬一。堀口は大統領夫人らを匿う。そこにクーデター軍が追いついて「大統領の家族を差し出せ」とやった。瀋陽総領事館の岡崎とか宮下なら、どうぞどうぞ、となるが堀口は違った。

堀口は公使館前、表玄関に日の丸を敷いて、いきり立った軍隊の銃口に向けて仁王立ちした。「捕まえるというならやってみろ。その代わり、私を倒し日本の国旗を踏んで館内に入れ」と大声でやった。おまえら日本と戦争する覚悟はあるんだろうな?ということだ。

これが日本人だった。日本の外交官、日本のエリートだった。革命軍は気圧され、銃口を下げた。その後、堀口は革命軍の総大将ウエルタと話し合いに出掛け、大統領の家族の身の安全を約束させている。「窮鳥懐に入る」という日本の諺で人情と慈愛を説いた。



自分の命とか家族とか、どころか金とか生活とかが「公」に優先されるなら公務員はしてはならない。それは下っ端の小役人でも総理大臣でも同じことだ。橋下市長の言い分ではないが「嫌なら辞める」という選択肢もある。そういう公務員には是非、辞めてほしい。


「そういう線引きが出来ない人は公務員をやってはいけない。わかってもらいたい、ということは、未だにそれがわかっていないということでしょう」


という裁判官の言葉はあまりにも正論だ。




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