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元死刑囚の妻が2度目の再審請求 飯塚事件その4

2022年04月24日 | #福岡県・飯塚事件

元死刑囚の妻が2度目の再審請求 飯塚事件その4。

新たな目撃情報を根拠に2度目の再審請求を行いました。

 をクリック。 YouTubeを共有しました。

 

 

 

 

久間三千年さんは、死刑執行の直前まで一貫して無罪を主張し続けました。

2021年7月9日:Kbc news 放送

 

福岡・飯塚事件判決文 (主文  被告人を死刑に処する) ←クリック。

 

NHK・BS飯塚事件30年後の迷宮  ←クリック。

飯塚事件 その1 ←クリック。

飯塚事件 その2 ←クリック。

飯塚事件 その3 ←クリック。

飯塚事件 その4 ←(この記事です)。

 

 

 

NHK BS1 スペシャル 約3時間 3部構成のドキュメンタリーでした。

2022年4月23日(土)19時~22時。 

力の入った約3時間のドキュメンタリー番組でした。

NHK・BS飯塚事件30年後の迷宮  ←クリック。

 

「久間三千年さんは、

死刑執行直前まで【俺はやっていない】と叫ばれましたが・・」

の記者の問いに、

逮捕した警察の答えは「刑の直前まで反省しなかったのは残念だ」

でした。

 

 

 

まだ再放送は決まっていません、ぜひ再放送して欲しいものです。

 

NHK・BS・飯塚事件30年後の迷宮  ←クリック。

飯塚事件 その1 ←クリック。

飯塚事件 その2 ←クリック。

飯塚事件 その3 ←クリック。

飯塚事件 その4 ←(この記事です)。

 

 

 

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NHKBS1スペシャル 4/23(土)放送「正義の行方~飯塚事件 30年後の迷宮~」

2022年04月23日 | #福岡県・飯塚事件

1992年に福岡県内で女児2人が殺害された「飯塚事件」が、

今日(4月23日・土)午後7時から午後10時まで、

NHKのBS1スペシャルで放送されます。

 

1992年に福岡県内で女児2人が殺害された「飯塚事件」に

関わってきた人たちを追ったドキュメンタリー番組だそうです。

刑の執行後も無実を信じる元死刑囚の妻が、裁判のやり直しを求めている事件です。

 

捜査や裁判を担ってきた元警察官や弁護士の言葉を通じ、

それぞれが信じる「正義」を浮き彫りにするという内容だそうです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。

 

4月20日(水)に放送されたクローズアップ現代の

◆ 妻は夫に“殺された”のか 追跡・講談社元社員“事件と裁判”

は、大きな反響を呼んだそうです。

この番組を見て、「産後うつ病」の妻は自殺したのだと確信しました。

しかし、裁判では妻の「産後うつ病」のことは全く取り上げられていません。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。

 

新たな目撃証言「別人の車に2女児」。

飯塚事件、2度目の再審請求   西日本新聞。

 

福岡県飯塚市で1992年に小学1年の女児2人が殺害された「飯塚事件」で、

死刑が確定し、執行された久間三千年さんの遺族が2021年9月9日、

2度目の再審請求を福岡地裁に申し立てた。

 

確定判決が認定した遺体遺棄の時間帯に、現場から離れた場所で

「怪しい男が車に幼い女の子2人を乗せて走っていた」

とする目撃証言を「新証拠」として提出した。 

 

証言したのは福岡県内の男性(72)。

再審請求書によると、男性は女児2人の遺体が遺棄されたとされる

1992年2月20日午前11時ごろ、

飯塚市と福岡都市圏を結ぶ八木山バイパスを福岡方面に走行中、

追い越した軽ワゴン車の後部座席にいた小学生の女の子2人を目撃。

 

1人はランドセルを背負って「うらめしそうな、今にも泣きそうな表情」、

もう1人は横になっていたという。

運転手は元死刑囚とは特徴が異なる「丸刈りで色白、細い体の30~40代くらいの男性」

としている。

 

その日の夜、男性は「飯塚市内で女児2人が行方不明」というニュースを見て

翌21日朝に警察に通報。(警察は1週間もホッタラカシていた)。

約1週間後に警察官に事情を話したが、

聴取はその1度きりで供述調書は作成されなかったという。

(1週間後に警察が訪ねてきた。その時、手帳にメモしただけです)。

 

 

記者会見した男性は、目撃した女児は写真で見た被害者と「非常によく似ていた」と説明。

運転手は、一審の初公判の傍聴席から見た元死刑囚とは別人だったと話した。

 

弁護団は「印象的な表情や不審に感じた状況、事件に関心を持ち続けていたことなど、

記憶は定着しており証言の信用性は高い」と強調。

「久間三千年さんの犯行と結びつかない証拠として、無視されたのではないか」と指摘した。

 

久間三千年さんは一貫して無罪を主張し続けました。

犯行を裏付ける直接証拠はなく、確定判決は、

(1)DNA型と血液型鑑定

(2)遺留品遺棄現場で元死刑囚の車と似た不審車両を見たとする目撃供述

(3)元死刑囚の車から検出された血痕・尿痕

(4)繊維鑑定-などの状況証拠から有罪とした。

 

久間氏にアリバイがないことや、

久間氏の車内座席から微量の血痕と尿痕が検出され、

血液型が被害者の1人と一致したこと。

(久間氏の家族にも同じ血液型がいる。車の中で尿を漏らした家族がいる)。

 

被害者に付着した繊維片が久間氏の車座席シートと類似していること。

(久間氏の車だけを調べた。同じ座席シートの車は多数ある)。

 

また、被害者のランドセルなどが発見された場所での目撃された車の特徴が、

久間氏が所有するワゴン車の特徴と一致したこと。

(警察が久間氏の車を何度も見て、目撃者から聞き出している)。

 

そして、被害者の遺体から見つかった血液によって血液型とDNA型が判明したが、

それが久間氏と一致したこと。

(足利事件と同じ方法で同じ検査官がDNA鑑定を行った)。

これが有罪判決の何よりの決め手とされた。

 


そうして2006年10月に最高裁で死刑は確定。

わずか2年後の2008年10月28日に久間氏の死刑は執行される。

 

再審無罪となった「足利事件」と同じ手法のDNA型鑑定が問題視されたが、

第1次再審請求では福岡地裁、高裁ともにDNA型鑑定の証明力を否定しながらも請求を棄却。

最高裁も今年(2021年)4月、地・高裁の判断を踏襲し再審を認めない決定をした。

 (西日本新聞:森亮輔)。

 

 

【私の結論】

この事件は明らかに冤罪事件です。

しかし、日本の司法は行政に支配されています。

死刑執行が行われた殺人事件が無罪になることはあり得ません。

 

飯塚事件(福岡県)・久間三千年:死刑執行・・その1 ←クリック。

飯塚事件(福岡県)・久間三千年:死刑執行・・その2 ←クリック。

飯塚事件(福岡県)・久間三千年:死刑執行・・その3 ←クリック。

飯塚事件(福岡県)・久間三千年:死刑執行・・その4 ←クリック。

飯塚事件(福岡県)・久間三千年:死刑執行 底知れぬ闇 ←クリック。

 

 

 

 

 

 

飯塚事件(福岡県)・久間三千年:死刑執行・・その1 ←クリック。

飯塚事件(福岡県)・久間三千年:死刑執行・・その2 ←クリック。

飯塚事件(福岡県)・久間三千年:死刑執行・・その3 ←クリック。

飯塚事件(福岡県)・久間三千年:死刑執行・・その4 ←クリック。

飯塚事件(福岡県)・久間三千年:死刑執行 底知れぬ闇 ←クリック。

 

 

 

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NHKBS 4/23(土)放送予定「正義の行方~飯塚事件 30年後の迷宮~」

2022年04月20日 | #福岡県・飯塚事件

飯塚事件30年、それぞれの「正義」。

「正義の行方~飯塚事件 30年後の迷宮~」が、4月23日(土)午後7時、

NHKのBS1スペシャルで放送されます。

 

1992年に福岡県内で女児2人が殺害された「飯塚事件」に

関わってきた人たちを追ったドキュメンタリー番組です。

刑の執行後も無実を信じる元死刑囚の妻が、裁判のやり直しを求めている事件です。

 

捜査や裁判を担ってきた元警察官や弁護士の言葉を通し、

それぞれが信じる「正義」を浮き彫りにするという内容です。

 

「番組を見ずとも、内容は自ずと分かりますね」。

袴田巌さんの事件と同じです。 ←クリック。

 

久間三千年を逮捕起訴した刑事、検事、

そしてこの事件の裁判官は、口をそろえて言います。

「彼(久間三千年さん)が犯人だ」と。

袴田巌さんを殺人犯にでっち上げた刑事、検事、裁判官と同じです!!

 

袴田巌さんの事件と同じです。 ←クリック。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。

 

新たな目撃証言「別人の車に2女児」。

飯塚事件、2度目の再審請求   西日本新聞。

 

福岡県飯塚市で1992年に小学1年の女児2人が殺害された「飯塚事件」で、

死刑が確定し、執行された久間三千年さんの遺族が2021年9月9日、

2度目の再審請求を福岡地裁に申し立てた。

 

確定判決が認定した遺体遺棄の時間帯に、現場から離れた場所で

「怪しい男が車に幼い女の子2人を乗せて走っていた」

とする目撃証言を「新証拠」として提出した。 

 

証言したのは福岡県内の男性(72)。

再審請求書によると、男性は女児2人の遺体が遺棄されたとされる

1992年2月20日午前11時ごろ、

飯塚市と福岡都市圏を結ぶ八木山バイパスを福岡方面に走行中、

追い越した軽ワゴン車の後部座席にいた小学生の女の子2人を目撃。

 

1人はランドセルを背負って「うらめしそうな、今にも泣きそうな表情」、

もう1人は横になっていたという。

運転手は元死刑囚とは特徴が異なる「丸刈りで色白、細い体の30~40代くらいの男性」

としている。

 

その日の夜、男性は「飯塚市内で女児2人が行方不明」というニュースを見て

翌21日朝に警察に通報。(警察は1週間もホッタラカシていた)。

約1週間後に警察官に事情を話したが、

聴取はその1度きりで供述調書は作成されなかったという。

(1週間後に警察が訪ねてきた。その時、手帳にメモしただけです)。

 

 

記者会見した男性は、目撃した女児は写真で見た被害者と「非常によく似ていた」と説明。

運転手は、一審の初公判の傍聴席から見た元死刑囚とは別人だったと話した。

 

弁護団は「印象的な表情や不審に感じた状況、事件に関心を持ち続けていたことなど、

記憶は定着しており証言の信用性は高い」と強調。

「久間三千年さんの犯行と結びつかない証拠として、無視されたのではないか」と指摘した。

 

久間三千年さんは一貫して無罪を主張し続けました。

犯行を裏付ける直接証拠はなく、確定判決は、

(1)DNA型と血液型鑑定

(2)遺留品遺棄現場で元死刑囚の車と似た不審車両を見たとする目撃供述

(3)元死刑囚の車から検出された血痕・尿痕

(4)繊維鑑定-などの状況証拠から有罪とした。

 

久間氏にアリバイがないことや、

久間氏の車内座席から微量の血痕と尿痕が検出され、

血液型が被害者の1人と一致したこと。

(久間氏の家族にも同じ血液型がいる。車の中で尿を漏らした家族がいる)。

 

被害者に付着した繊維片が久間氏の車座席シートと類似していること。

(久間氏の車だけを調べた。同じ座席シートの車は多数ある)。

 

また、被害者のランドセルなどが発見された場所での目撃された車の特徴が、

久間氏が所有するワゴン車の特徴と一致したこと。

(警察が久間氏の車を何度も見て、目撃者から聞き出している)。

 

そして、被害者の遺体から見つかった血液によって血液型とDNA型が判明したが、

それが久間氏と一致したこと。

(足利事件と同じ方法で同じ検査官がDNA鑑定を行った)。

これが有罪判決の何よりの決め手とされた。

 


そうして2006年10月に最高裁で死刑は確定。

わずか2年後の2008年10月28日に久間氏の死刑は執行される。

 

再審無罪となった「足利事件」と同じ手法のDNA型鑑定が問題視されたが、

第1次再審請求では福岡地裁、高裁ともにDNA型鑑定の証明力を否定しながらも請求を棄却。

最高裁も今年(2021年)4月、地・高裁の判断を踏襲し再審を認めない決定をした。

 (西日本新聞:森亮輔)。

 

 

【私の結論】

この事件は明らかに冤罪事件です。

しかし、日本の司法は行政に支配されています。

死刑執行が行われた殺人事件が無罪になることはあり得ません。

 

飯塚事件(福岡県)・久間三千年:死刑執行・・その1 ←クリック。

飯塚事件(福岡県)・久間三千年:死刑執行・・その2 ←クリック。

飯塚事件(福岡県)・久間三千年:死刑執行・・その3 ←クリック。

飯塚事件(福岡県)・久間三千年:死刑執行・・その4 ←クリック。

飯塚事件(福岡県)・久間三千年:死刑執行 底知れぬ闇 ←クリック。

 

 

 

 

 

 

-----は じ め に------

飯塚事件について、無実を訴えていた久間三千年さん死刑が執行されてから9年が経過した。

死刑判決確定から2年後、再審請求準備中に突如として強行された死刑(2008年)は、

遺族にとってはもとより、私たち弁護団にとっても耐え難い苦痛であり、

何よりも私たちに悔悟と自責とを迫るものであった。

あの時、私たちがもっと早く再審請求書を提出していれば、

死刑執行はなかったのではないか、その意味で、

私たちの怠慢が死刑執行を許したのではないか、そうした思いから、

私は、この9年間を針のむしろに据えられているとの思いを抱きながら、

再審に取組んできた。

 

本書は、こうした思いで私たち弁護団が取組んできた飯塚事件再審開始に向けての

活動の集大成として、飯塚事件の問題点を明らかにしたものである。

飯塚事件は、死刑執行された再審事件としては、

現在係属している唯一の事件である。それだけに、再審開始となり、

久間さんの無実が明らかになるということは、

国が無辜の国民のいのちを奪ったということになる訳で、

死刑制度そのものの存在意義が問われることになることは必至である。

また、本書をご一読いただければ、

この事件の有罪判決の柱とされた科警研のDNA鑑定や血液型鑑定が

鑑定写真に加工する等の工作がなされたり、

極めて非科学的な方法でなされているということや、

目撃証言が警察官の誘導によって作られたものであること等が

手に取るようにご理解いただけるのではないかと思う。

その意味で、飯塚事件はいわゆる冤罪事件の典型的な特徴を備えた事件であり、

その再審無罪を勝ちとることは、

日本の刑事司法のあり方に大きな一石を投じるものと信じている。

2017年10月  飯塚事件弁護団共同代表 德田靖之

 

 

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飯塚事件:久間三千年(事件当時54歳)の死刑執行は正しかったのか? その1

2022年02月14日 | #福岡県・飯塚事件

飯塚事件:久間三千年(事件当時54歳)の死刑執行は正しかったのか? その1

 

飯塚事件(福岡県)・久間三千年:死刑執行・・その2 ←クリック。

飯塚事件(福岡県)・久間三千年:死刑執行・・その3 ←クリック。

飯塚事件(福岡県)・久間三千年:死刑執行・・その4 ←クリック。

NHK・BS1スペシャル・「正義の行方~飯塚事件30年後の迷宮」 ←クリック。

 

 

 

 

飯塚事件とは、1992年2月20日に、

福岡県飯塚市で小学1年の女児2人が登校中に行方不明になり、

翌21日に同県甘木市(現・朝倉市)の山中で遺体が発見された事件です。

 

 

福岡県警は事件が発生してから約2年半後の1994年9月23日に

死体遺棄容疑で久間三千年さんを逮捕しました。

その後、久間三千年さんを殺人罪などで起訴しました。


久間三千年さんは一貫して無罪を主張しましたが、

福岡地裁は1999年9月、久間さんに死刑を言い渡しました。

最高裁も2006年9月に久間さんの上告を棄却しました。

そして、わずか2年後の2008年10月に死刑が執行されました。

 

2009年に久間さんの妻が再審請求しましたが、

2021年4月に再審請求棄却が確定しました。

2021年7月に久間さんの妻が【第2次再審請求】を申し立てました。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。

 

 

「飯塚事件」で元死刑囚の妻が【第2次再審請求】を行いました。

 新証拠は「真犯人」にかかわる目撃証言です。

 

「真犯人」にかかわる目撃証言を新証拠に据えています。

目撃証言が事実なら事件の構図が全面的に覆ることになります。

死刑執行後の第2次再審請求は異例の展開を見せています。

 

飯塚事件では直接的な物証や自白がないまま、

DNA鑑定や目撃証言などの状況証拠を積み重ねて久間さんの死刑判決が導かれ、

2006年9月に最高裁で死刑が確定しました。

 

久間さんは捜査段階から一貫して犯行を否認していましたが、

死刑確定わずか2年後の2008年10月に死刑を執行されました。

 


2009年に妻が起こした第1次再審請求では、

再審無罪となった「足利事件」と同じMCT118型で行われたDNA鑑定

の結果が実質的に証拠から排除されたものの、

「それ以外の状況証拠を総合すれば

久間さんが犯人であることについて高度の立証がされている」

と判断されました。

 


最高裁第1小法廷(小池裕裁判長)は今年2021年4月の決定で、

弁護団が提起した多くの疑問点に向き合うことさえせずに請求を門前払いしていました。

 

 


◆軽自動車にランドセルを背負った女子児童。

飯塚事件が起きたのは1992年2月20日です。

登校中の午前8時半すぎに行方不明になった児童2人は、翌日正午ごろ、

同県甘木市(現・朝倉市)の山中を走る国道沿いの崖下で、

ともに遺体となって見つかりました。

 

 

確定判決では、首を絞められたのが死因で、

殺害時刻は20日午前8時半~9時半の間とされました。


同日午前11時ごろに、

のちに児童の遺留品が発見される現場付近で久間さんの車と特徴が一致する車を見た、

とする証言が状況証拠の柱になっています。

 

 

第2次再審請求書によると、

新たな目撃証言をしたのは福岡県内に住む男性Aさん(72歳)です。

 


◆2月20日の午前11時ごろ、

飯塚市内の国道・八木山(やきやま)バイパスを車で走行中に、

後部座席に小学生の女子児童2人を乗せた

白いワンボックスタイプの軽自動車を見たといいいます。

 


児童2人が行方不明になった地点と近接した場所です。

運転していたのは30~40歳くらいの色白の男性で、坊主頭、細身の体形。

児童のうち1人はオカッパ頭で、

ランドセルを背負ってAさんを見つめており、恨めしそうな、

うら寂しそうな、今にも泣きそうな表情だったそうです。

 


もう1人は横になっていて、そばにランドセルがありました。

軽自動車は片側1車線の道路を時速40km以下でゆっくり走っており、

後ろについたAさんはイライラしながら登坂車線で追い越した際に

「こんな迷惑な運転をするのはどんな奴なのか」

との思いで男性のほうを凝視したそうです。

 

 

◆久間さんの初公判を傍聴し「別人で驚いた」。

Aさんは目撃した日の夜、

飯塚市で女子児童2人が行方不明になったことをニュースで知りました。

平日の午前中にランドセルを背負った児童が車に乗っているのは不自然だし、

表情から家族連れとも思えなかったので、

不審に感じて翌朝、警察に通報しました。

約1週間後に事情聴取を受けたそうです。1週間後です!!

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。


その際、警察官は手帳にメモを取っていたが、供述調書は作成されなかった。

Aさんは、自分が目撃したのは被害に遭った児童であり、

運転していた男性が真犯人だと確信していた。

 

このため、福岡地裁での久間さんの初公判(1995年2月)を傍聴して

同一人物かどうか直接確認したが、

「まったくの別人で驚いた」としている。

 

ただ、検察の冒頭陳述で「DNA型が一致した」と聞き、

「自分の目撃は事件とは関係なかったのか」と気持ちをしまい込んでいた。

今回、証言しようと考えたのは「DNA鑑定の結果が

(再審請求審で)否定された」と2019年に地元紙の記事で知ったのがきっかけだ。

 

 

「そうであれば自分が見たのはやはり真犯人だったに違いない」

との思いが湧き起こった。

この新聞社に連絡して取材を受け記事になったことで、弁護団とつながった。

 

 

◆「まさか誘拐では」と感じて強い記銘力が働く。

Aさんが弁護団に証言をした時点で事件から約28年が経っており、

弁護団も再審請求書に「信用性の判断には慎重な検討が求められる」

と記している。

それでも「新証拠」と主張するのは、以下の理由からだ。

 

Aさんは当日、

100万円の売掛金が回収できなかった帰途でイライラし、

さらに前方をノロノロと走行していた軽自動車にイライラして

「どんな奴が運転しているのか」と運転手を注視しており、

「単なる追い越し時の目撃にとどまらなかった」とみる。

 


平日の午前中にランドセルを背負った子どもが車に乗っている状況を不審に思い、

「まさか誘拐ではないか」と直感したことも挙げて、

「強い印象を抱いた、つまり強い記銘力が働いた」と分析している。

 

また、警察官の事情聴取を受けたり久間さんの初公判を傍聴したりと、

Aさんが目撃内容を確認する機会がその後も反復しており、

記憶が明確化されて維持されたと指摘している。

 

 

目撃した軽自動車が向かっていたのは遺体発見現場とは違う方向だったが、

弁護団はゆっくり走行していたことなどと併せて、

運転していた男性が犯行の場所を思い迷っていたためではないかと見立てている。

 

 

◆「事件のことがずっと頭に残っていた」

弁護団は2021年7月9日、第2次再審請求の申立て後に福岡市で記者会見を開いた。

主任弁護人の岩田務弁護士は、事件発生当時、

Aさんが警察に通報しながら証言が無視されたことについて

「警察はすでに久間さんを犯人にするのに都合が良い証拠だけを集めていた」

と捜査を批判した。

 

 

Aさんも同席し「事件のことがずっと頭の中に残っていた」と心情を吐露した。

弁護団は2次再審で、

久間さんの車と特徴が一致する車を遺留品発見現場で見たとする証言についても、

関連する捜査報告書などの証拠開示を求めていく方針だ。

 

 

 

この証言をめぐっては、

目撃者の調書を作成した警察官がその2日前に

久間さんの車を見に行っていたことが明らかになっており、

証言内容を誘導した疑惑が浮上している。

 

 

弁護団共同代表の徳田靖之弁護士は2次再審へ向け、

Aさんが見たとする男性や児童が事件の当事者だと

立証するための課題を挙げながらも、

「状況証拠の柱になっている車の目撃証言の信用性を崩す中で、

Aさんの新証言はアナザーストーリーにもなる」と説明した。

 

◎著者プロフィール

小石勝朗(こいし・かつろう) 

朝日新聞などの記者として24年間、各地で勤務した後、2011年からフリーライター。

冤罪、憲法、原発、地域発電、子育て支援などの社会問題を中心に幅広く取材し、

雑誌やウェブに執筆している 。

主な著作に『袴田事件 これでも死刑なのか』(現代人文社、2018年)。

(2021年08月27日公開) 

 

 

 

 清水潔・著 『殺人犯はそこにいる』新潮文庫。    ←クリック。

 ―隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件― 新潮社   ←クリック。

 

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飯塚事件、2度目の再審請求 新証拠:新たな目撃証言 その3

2021年09月25日 | #福岡県・飯塚事件

飯塚事件、2度目の再審請求 新証拠:新たな目撃証言 その3

新たな目撃証言「別人の車に2女児」 

飯塚事件、2度目の再審請求   西日本新聞。

 

福岡県飯塚市で1992年に小学1年の女児2人が殺害された「飯塚事件」で、

死刑が確定し、執行された久間三千年さんの遺族が2021年9月9日、

2度目の再審請求を福岡地裁に申し立てた。

 

確定判決が認定した遺体遺棄の時間帯に、現場から離れた場所で

「怪しい男が車に幼い女の子2人を乗せて走っていた」

とする目撃証言を「新証拠」として提出した。 

 

証言したのは福岡県内の男性(72)。

再審請求書によると、男性は女児2人の遺体が遺棄されたとされる

1992年2月20日午前11時ごろ、

飯塚市と福岡都市圏を結ぶ八木山バイパスを福岡方面に走行中、

追い越した軽ワゴン車の後部座席にいた小学生の女の子2人を目撃。

 

1人はランドセルを背負って「うらめしそうな、今にも泣きそうな表情」、

もう1人は横になっていたという。

運転手は元死刑囚とは特徴が異なる「丸刈りで色白、細い体の30~40代くらいの男性」

としている。

 

その日の夜、男性は「飯塚市内で女児2人が行方不明」というニュースを見て

翌21日朝に警察に通報。(警察は1週間もホッタラカシていた)。

約1週間後に警察官に事情を話したが、

聴取はその1度きりで供述調書は作成されなかったという。

(1週間後に警察が訪ねてきた。その時、手帳にメモしただけ)。

 

 

記者会見した男性は、目撃した女児は写真で見た被害者と「非常によく似ていた」と説明。

運転手は、一審の初公判の傍聴席から見た元死刑囚とは別人だったと話した。

 

弁護団は「印象的な表情や不審に感じた状況、事件に関心を持ち続けていたことなど、

記憶は定着しており証言の信用性は高い」と強調。

「久間三千年さんの犯行と結びつかない証拠として、無視されたのではないか」と指摘した。

 

久間三千年さんは一貫して無罪を主張。

犯行を裏付ける直接証拠はなく、

確定判決は

(1)DNA型と血液型鑑定

(2)遺留品遺棄現場で元死刑囚の車と似た不審車両を見たとする目撃供述

(3)元死刑囚の車から検出された血痕・尿痕

(4)繊維鑑定-などの状況証拠から有罪とした。

 

久間氏にアリバイがないことや、

久間氏の車内座席から微量の血痕と尿痕が検出され、

血液型が被害者の1人と一致したこと。

(久間氏の家族にも同じ血液型がいる。車の中で尿を漏らした家族がいる)。

 

被害者に付着した繊維片が久間氏の車座席シートと類似していること。

(久間氏の車だけを調べた。同じ座席シートの車は多数ある)。

 

また、被害者のランドセルなどが発見された場所での目撃された車の特徴が、

久間氏が所有するワゴン車の特徴と一致したこと。

(警察が久間氏の車を何度も見て、目撃者から聞き出している)。

 

そして、被害者の遺体から見つかった血液によって血液型とDNA型が判明したが、

それが久間氏と一致したこと。

(足利事件と同じ方法で同じ検査官がDNA鑑定を行った)。

これが有罪判決の何よりの決め手とされた。

 


そうして2006年10月に最高裁で死刑は確定。

わずか2年後の2008年10月28日に久間氏の死刑は執行される。

 

再審無罪となった「足利事件」と同じ手法のDNA型鑑定が問題視されたが、

第1次再審請求では福岡地裁、高裁ともにDNA型鑑定の証明力を否定しながらも請求を棄却。

最高裁も今年(2021年)4月、地・高裁の判断を踏襲し再審を認めない決定をした。

 (西日本新聞:森亮輔)。

 

 

【私の結論】

この事件は明らかに冤罪事件です。

しかし、日本の司法は行政に支配されています。

死刑執行が行われた殺人事件が無罪になることはあり得ません。

 

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