ハイドン 交響曲94番「驚愕」 (マリス・ジョンソン+ベルリンフィル)
第1楽章
第2楽章
第3楽章
第4楽章
成立年代 1791年
時代区分 古典
形式 交響曲
形態 オーケストラ
アレンジ ピアノソロ・ピアノ連弾
その作曲数の多さから「交響曲の父」とか「弦楽四重奏の父」と呼ばれることのあるハイドンの作品です。作品の一つである「皇帝賛歌」の中の旋律がドイツ国歌に流用されるなど、大きな影響力を持つ作曲家のひとりに挙げられています。この曲はハイドンがロンドンにいたときに作曲されたもので、居眠りをする貴婦人を起こすために作曲したと言われています。「驚愕」と言われるのは、第2楽章の冒頭部で静かな音が流れた後、いきなり大音量の和音が発せられることからという説と速度がゆるい楽章にトランペットを使ったということが驚愕を読んだという説の二つがあります。
もっとも曲の編成自体はオーソドックスでちょっと第3楽章のメヌエットが早いぐらいかなあという印象しか有りません。とはいえ全てが第2楽章の最初の部分に集約されている曲ですので、それだけの価値を持っている曲だと思います。ハイドン自身がこう言ういたずら的な曲を作るが好きで、こう言う調子の物も多数みられます。
ハイドンはとにかく多作な人なので、その数には色々と確定という数字が打てないのが現状です。交響曲だけで番号が付けられているのが108、さらに付けられていないのが3つあり、協奏交響曲と呼ばれる曲もひとつだけあります。これだけだったらまだ整理は付くのですが、偽作の存在もあるので実際いくつ作曲したのかというのが分かってはいません。この時代の作曲家の場合は、他人の作品に手を貸すことが多くまたそのせいか、相手の作品になってしまうということが良く有ります。ピアノソナタも同類でナンバリングされいるものが偽作判定されていたり、さらにハイドンは自作と言っているけれど、偽作の可能性ありというのもあってかなりややこしくなっています。
多作であるゆえに作曲そのものが生きがいで、60を超えても作曲の意欲を失わなかっただったハイドンですが、晩年はそれが奪われてしまいます。原因は病気によるものですが、その病気に伏せている最中は作曲することができずに自作の曲を演奏する事で気を紛らわせていました。そのせいでしょうか、たくさんの人がお見舞いに来たのですが楽しくはなかったそうです。死後マニアの人間に首だけを切断されそのまま1950年代まで持ち去られるという奇っ怪な話もあり、いい意味でも悪い意味でもお騒がせという感じの状況をおくっています。
次回はハイドンの2回目。(曲が見つからず予定変更……)