少数派シリーズ/二度と戦争を繰り返すな
毎日新聞「学ぶ沖縄戦」1945年 第15回 <最終回>
沖縄戦の悲劇を再び繰り返すな!与野各党が異常な軍拡大合唱・県民の思いと相いれない
沖縄戦での日本軍の組織的戦闘の終結から6月23日で77年。
なぜ沖縄が戦場となり、多くの悲劇が生まれたのかを考える。
綺麗な沖縄の海が消されようとしている。また「沖縄戦」で亡くなった方の遺骨が混じった土砂が埋め立てに使われる。
■東アジアでの米国の軍事戦略に日本を組み込み沖縄を再び戦場にしかねない危険極まりない企て
今号はしんぶん赤旗を活用しております。6月23日付/沖縄はきょう、県が定めた「慰霊の日」を迎えます。77年前の沖縄戦で命を奪われた20万人余の犠牲者を追悼し、恒久平和を誓う日です。沖縄戦最後の激戦地・本島南部の摩文仁(まぶに)の丘にある平和祈念公園(糸満市)では「沖縄全戦没者追悼式」が開かれます。22日公示された参院選で、自民党や日本維新の会、国民民主党などが、「敵基地攻撃能力」の保有をはじめ大軍拡を公約しています。ウクライナ危機を口実に、東アジアでの米国の軍事戦略に日本を組み込み、沖縄を再び戦場にしかねない危険極まりない企てです。自民党の参院選公約は、軍事費について、対GDP(国内総生産)比2%以上も念頭に「来年度から5年以内に、防衛力の抜本的強化に必要な予算水準の達成を目指す」としています。
相手国のミサイル発射拠点などを破壊する敵基地攻撃能力については「わが国への武力攻撃に対する反撃能力を保有し、これらの攻撃を抑止し、対処する」と明記しています。しかも、「反撃能力」の対象を「ミサイル基地に限定されるものではなく、相手国の指揮統制機能等も含む」とし、国家中枢までも標的にしています。これについては自民党内でも「いたずらに周辺国を刺激するだけでなく、対処のための準備を促し、軍拡競争につながる恐れがある。…かえって衝突の危険を高めることにつながりかねない。無益であるばかりでなく、むしろ有害なことではないか」(岩屋毅・元防衛相、「東京新聞」3日付)との指摘が上がっていました。同党の公約は、「防衛力の抜本的強化」の理由の一つに「尖閣・台湾周辺等における軍事活動の活発化や力による一方的な現状変更を試みる中国」の存在を挙げます。
■玉城知事「悲惨な沖縄戦を経験した県民の平和を希求する思いとは全く相いれるものではない」
台湾有事をめぐっては、沖縄など南西諸島を拠点にした米軍と自衛隊の新たな共同作戦計画が策定されていると報じられています。これが実行されれば、広大な米軍基地が集中し、自衛隊のミサイル部隊などの配備が進む沖縄が攻撃目標となり、住民が戦闘に巻き込まれることは必至です。日本が敵基地攻撃能力を本格的に保有し、集団的自衛権の行使を認めた安保法制に基づいて自衛隊が米軍の攻撃に加われば、一層大きな戦火を呼び込むことになります。日本維新の会も、「防衛費のGDP比2%への増額」や「専守防衛」の見直しをはじめ、敵基地攻撃兵器である「中距離ミサイル」の保有などを公約しています。国民民主党も、「打撃力(反撃力)」を整備するため「必要な防衛費を増額」すると主張しています。公明党は、「防衛力を着実に整備・強化」し、「日米同盟の抑止力・対処力の一層の向上を図る」としています。
自民・公明政権が、名護市辺野古で米軍新基地建設を強行し、沖縄戦犠牲者の遺骨が眠る本島南部の土砂を埋め立て工事に使おうとしていることも重大です。戦没者への冒涜(ぼうとく)は許されません。沖縄県の玉城デニー知事は本土復帰50年に当たっての建議書で、沖縄の軍事強化の動きや敵基地攻撃能力保有の議論を「悲惨な沖縄戦を経験した県民の平和を希求する思いとは全く相いれるものではない」と批判しています。「沖縄戦の悲劇を再び繰り返すな」の意思を参院選で示すことが必要です。
しんぶん赤旗の複製可能範囲内において、投稿者によって一部割愛や
それに伴う接続文章等の修正・タイトル付けを行いました。
【ことば|平和の礎(いしじ)】 1945年の沖縄戦で亡くなった全ての人の名を刻む記念碑。沖縄県糸満市の県営平和祈念公園の中にある。慰霊の日や終戦記念日のニュースで、遺族や家族が名前の部分をさするシーンをご存じかと思う。1995年6月に除幕された。高さ1.5m・全長2.2kmで、刻銘されている人数は24万1632人(21年時点)。敵味方関係なく、沖縄戦などの戦没者全ての氏名を刻んでいる。「礎」は普通「いしずえ」ですが、この場合は沖縄の方言の「いしじ」と読む。
投稿者からのひと言/今まで15回に渡り、「毎日新聞『学ぶ沖縄戦』1945年」の連載をご覧頂き、誠に感謝申し上げます。毎日新聞・しんぶん赤旗・投稿者の感想で構成して参りましたが、いくらかか「沖縄戦」や沖縄の実態を知って頂いたかと存じます。こうした事実を目の当たりにすると、政府自民党・公明党、改憲勢力の無責任さが見えて来ます。沖縄の方だけで進む問題ではありません。やはり本土で安穏(あんのん)と暮らしている私達が、少しでも改善する努力が必要でしょう。もちろん投票行動だけでなく、一人一人が勉強や関心を持つだけでも流れが変わるものです。9条「改憲」や軍備増強すれば、ますます沖縄が狙われます。本土も危ないでしょう。「改憲・軍拡」反対を叫び、絶対、戦争に巻き込まれないようにしましょう!
前号/14・沖縄「慰霊の日」命の土地を戦争に使うな!所有地を米軍普天間基地に占拠され続けている
毎日新聞「学ぶ沖縄戦」1945年 第15回 <最終回>
沖縄戦の悲劇を再び繰り返すな!与野各党が異常な軍拡大合唱・県民の思いと相いれない
沖縄戦での日本軍の組織的戦闘の終結から6月23日で77年。
なぜ沖縄が戦場となり、多くの悲劇が生まれたのかを考える。
綺麗な沖縄の海が消されようとしている。また「沖縄戦」で亡くなった方の遺骨が混じった土砂が埋め立てに使われる。
■東アジアでの米国の軍事戦略に日本を組み込み沖縄を再び戦場にしかねない危険極まりない企て
今号はしんぶん赤旗を活用しております。6月23日付/沖縄はきょう、県が定めた「慰霊の日」を迎えます。77年前の沖縄戦で命を奪われた20万人余の犠牲者を追悼し、恒久平和を誓う日です。沖縄戦最後の激戦地・本島南部の摩文仁(まぶに)の丘にある平和祈念公園(糸満市)では「沖縄全戦没者追悼式」が開かれます。22日公示された参院選で、自民党や日本維新の会、国民民主党などが、「敵基地攻撃能力」の保有をはじめ大軍拡を公約しています。ウクライナ危機を口実に、東アジアでの米国の軍事戦略に日本を組み込み、沖縄を再び戦場にしかねない危険極まりない企てです。自民党の参院選公約は、軍事費について、対GDP(国内総生産)比2%以上も念頭に「来年度から5年以内に、防衛力の抜本的強化に必要な予算水準の達成を目指す」としています。
相手国のミサイル発射拠点などを破壊する敵基地攻撃能力については「わが国への武力攻撃に対する反撃能力を保有し、これらの攻撃を抑止し、対処する」と明記しています。しかも、「反撃能力」の対象を「ミサイル基地に限定されるものではなく、相手国の指揮統制機能等も含む」とし、国家中枢までも標的にしています。これについては自民党内でも「いたずらに周辺国を刺激するだけでなく、対処のための準備を促し、軍拡競争につながる恐れがある。…かえって衝突の危険を高めることにつながりかねない。無益であるばかりでなく、むしろ有害なことではないか」(岩屋毅・元防衛相、「東京新聞」3日付)との指摘が上がっていました。同党の公約は、「防衛力の抜本的強化」の理由の一つに「尖閣・台湾周辺等における軍事活動の活発化や力による一方的な現状変更を試みる中国」の存在を挙げます。
■玉城知事「悲惨な沖縄戦を経験した県民の平和を希求する思いとは全く相いれるものではない」
台湾有事をめぐっては、沖縄など南西諸島を拠点にした米軍と自衛隊の新たな共同作戦計画が策定されていると報じられています。これが実行されれば、広大な米軍基地が集中し、自衛隊のミサイル部隊などの配備が進む沖縄が攻撃目標となり、住民が戦闘に巻き込まれることは必至です。日本が敵基地攻撃能力を本格的に保有し、集団的自衛権の行使を認めた安保法制に基づいて自衛隊が米軍の攻撃に加われば、一層大きな戦火を呼び込むことになります。日本維新の会も、「防衛費のGDP比2%への増額」や「専守防衛」の見直しをはじめ、敵基地攻撃兵器である「中距離ミサイル」の保有などを公約しています。国民民主党も、「打撃力(反撃力)」を整備するため「必要な防衛費を増額」すると主張しています。公明党は、「防衛力を着実に整備・強化」し、「日米同盟の抑止力・対処力の一層の向上を図る」としています。
自民・公明政権が、名護市辺野古で米軍新基地建設を強行し、沖縄戦犠牲者の遺骨が眠る本島南部の土砂を埋め立て工事に使おうとしていることも重大です。戦没者への冒涜(ぼうとく)は許されません。沖縄県の玉城デニー知事は本土復帰50年に当たっての建議書で、沖縄の軍事強化の動きや敵基地攻撃能力保有の議論を「悲惨な沖縄戦を経験した県民の平和を希求する思いとは全く相いれるものではない」と批判しています。「沖縄戦の悲劇を再び繰り返すな」の意思を参院選で示すことが必要です。
しんぶん赤旗の複製可能範囲内において、投稿者によって一部割愛や
それに伴う接続文章等の修正・タイトル付けを行いました。
【ことば|平和の礎(いしじ)】 1945年の沖縄戦で亡くなった全ての人の名を刻む記念碑。沖縄県糸満市の県営平和祈念公園の中にある。慰霊の日や終戦記念日のニュースで、遺族や家族が名前の部分をさするシーンをご存じかと思う。1995年6月に除幕された。高さ1.5m・全長2.2kmで、刻銘されている人数は24万1632人(21年時点)。敵味方関係なく、沖縄戦などの戦没者全ての氏名を刻んでいる。「礎」は普通「いしずえ」ですが、この場合は沖縄の方言の「いしじ」と読む。
投稿者からのひと言/今まで15回に渡り、「毎日新聞『学ぶ沖縄戦』1945年」の連載をご覧頂き、誠に感謝申し上げます。毎日新聞・しんぶん赤旗・投稿者の感想で構成して参りましたが、いくらかか「沖縄戦」や沖縄の実態を知って頂いたかと存じます。こうした事実を目の当たりにすると、政府自民党・公明党、改憲勢力の無責任さが見えて来ます。沖縄の方だけで進む問題ではありません。やはり本土で安穏(あんのん)と暮らしている私達が、少しでも改善する努力が必要でしょう。もちろん投票行動だけでなく、一人一人が勉強や関心を持つだけでも流れが変わるものです。9条「改憲」や軍備増強すれば、ますます沖縄が狙われます。本土も危ないでしょう。「改憲・軍拡」反対を叫び、絶対、戦争に巻き込まれないようにしましょう!
前号/14・沖縄「慰霊の日」命の土地を戦争に使うな!所有地を米軍普天間基地に占拠され続けている