パワーストーン 10

2021-02-23 07:49:23 | 日記
ブレスレットに"彼との事"を、ずっとにお願い事をしてたA子。

あきらかにパワーストーンの色が変わってきている。

「もう、お願い事とかしない方がいいのかな?全然ブレスレットには触ってないのに…。

紫色が白に…。こんなに色が変わるなんて💦
本当に触ってないのに、こんなになる?

そう思ってしまった私の心の声が聞こえてしまったのか、A子が早口になる。

「見て、ここ!開けてないでしょ!」

ブレスレットが包装してあるビニール袋がしっかりとテープで封してある部分を見せる。

確かに…、開封した形跡は全く無い💦

…それなのに、こんなに色が変わるんだ…。

「…でもね、だから、彼が私の側から離れて行かないんだと思う」

…あ、知ってたんだ💦彼氏に新しい"浮気相手"が現れたこと…💦

「新しいパワーストーン、買おうかな?」

「え?」

「もっと、私のお願い事が叶うように」

「もう、これ以上は、欲張らない方がいいんじゃない?」

「欲張り?私が?こんなに我慢してるのに?」

A子の声は低く落ち着いてはいたが、とても苦しんでいるようだった。




パワーストーン 10

2021-02-22 07:27:02 | 日記
数ヵ月して、やはりA子の彼の良くない噂が聞こえて来ました。

また、新しい女の子と遊んでいるらしい…という噂です。

知らぬが仏なのか、A子がいずれ気付くまで黙っていた方がいいのか…、それとも、教えてあげるべきなのか…。

そうこうしているうちに、いつの間にか浮気相手と別れて戻って来ることを願ってました。

「ね、これ、見て…」

A子がある日、突然カバンから取り出した箱。

パワーストーンが入った例の箱です。

「こんなに変な色になっちゃったんだけど、私、大丈夫かな?」

箱を開けると、紫色のパワーストーンは、ほとんど色が無く、ブレスレットの何粒かが、黄緑がかっている。

「元が紫なのに、こんな色の変わりようは、ヤバいかな?どうしちゃったんだろう💦」

「箱というか、この中のビニールからも出していないの?」

「うん、出したことないの💦この色の変化はコワイよね💦」

「…で、今でも、このパワーストーンにお願い事をしてるの?」

「うん。してる。…もう、やめた方がいいのかな…?」







パワーストーン 9

2021-02-21 07:47:19 | 日記
突然『会いたい』と言ってきたA子の元カレ…。
あまりいい噂が聞こえて来なかったので、私的には反対でした。

しかし、幸せそうなA子の顔を見ると、元カレの『悪い噂』を話すにはかわいそうに思ってしまった私は、言葉を飲み込み
元カレが改心してA子だけを大切にしてくれることを願いました。

A子は幸せそうでした。

しばらくしていなかったマニキュアをしたり、口紅もいつもより明るいピンク系。

とてもイキイキしていて、もともと明るくてオシャレなA子です。すっかり元に戻ったと安心していました。





パワーストーン 8

2021-02-20 07:44:47 | 日記
恋人と別れて落ち込んでいた友人、A子に『次に良い出逢いがあるように』と、パワーストーンのブレスレットをプレゼントをしたのに、A子は、プレゼントを大切に箱に入れたまま身に付けることもありませんでした。

だけど、そのブレスレットには、箱に入れたまま、毎晩お願いをしていたとか…。

そうしたら、彼から「会いたい」と電話。

正直、A子には新しい恋をして欲しかった。

…というのも、彼女の恋人の噂を周囲の友人たちから聞くと、あまりいい噂が聞こえて来ない。

友人に、突然別れを告げた彼は、年下の女の子とすぐに付き合い出した…という話を聞いたが、どうやら二股だったらしい…という話も聞こえて来た。

付き合い出した新しい女の子は、A子の後輩で、A子が特に可愛がっている子だ。
A子は、ソレを知ってるのだろうか?




パワーストーン 7

2021-02-19 07:23:13 | 日記
それからしばらくしは、友人もなんとか元気に過ごしていた様子で、いろいろあったけど、前向きに次の展開を望んでいるものだと思っていました。

ある時、数ヵ月ぶりに友人から連絡が来て、久しぶりに会うことに。

新しい彼氏でも出来たのかな?
と想像して、久しぶりに彼女の満面の笑みが見られたらあいなぁ…と思いながら、待ち合わせの場所に向かいました。

既に到着していた彼女は、満面の笑みで私
を迎えてくれました。

「どうしたの?いいことあった?」

「うん…実はね、彼から連絡が来たの」

「え?別れた彼から?…なんて?」

「『会おう』って」

「会おうってだけ?会うの?」

「うん。会うつもり!」

彼女は、満面の笑みだ。

「実はね、このブレスレットに毎晩お願いしてたの。」

私が彼女にプレゼントしたアメジストのブレスレットを、カバンの中から出した。

しかも、買った時と同じ箱に入ったままだ。

「このブレスレットのお陰だと思うの」

「箱から出さないの?」

「うん。もったいないから。これをね、毎晩胸に抱きしめて『彼が戻りますように』ってお願いし続けて来たの」

彼女は箱を開けた。

え?

こんなだっけ?

濃い紫のアメジストがかなり白に近い状態にまでなっていたんです。