Kちゃん。4

2020-09-24 07:44:28 | 日記
Kちゃんは、気になって、
もう一度、その人を見掛けた場所へ引き返してみた。

“どうか、いません様に…”と祈りながら…。



…いない…。

…まさかね…💦

廊下の一番端は、窓があり、夜景が見える。

都会の夜は星は見えないが、街の光がキラキラと輝いている。

Kちゃんは、この景色が好きだ。

一息つけて、Kちゃんは、引き返えすことに…。


夜間のホテルの廊下は、誰一人歩いていない。

絨毯の上を歩く音がサッサッと聞こえる。

温かい珈琲でも飲んで、早く帰ろう❗



カチャ…カチャ…。

…ん?何の音?

カチャ…カチャ…。


少し離れた場所で扉を開け様とノブを回す様な音…。



廊下を見渡す限り、ドアノブに手を掛けてカチャカチャしている人などいない。

…部屋の中から?

なにか、トラブルだろうか…💦

音のする方に行ってみた。

あ、そうか、非常階段に出る扉だ。


…何だよ、こんな時間に💦


男が非常口の扉を開けようとしてる。

「そこ、今は開きませんよ」

あ、例の男だ💦💦

男性は、振り返りゆっくりと頭を下げる。

「ちょっと事情があって封鎖中なんです。外へ出たいなら…」

男性は、話しも途中で立ち去った。

「え💦💦今の人って💦💦」

Kちゃんは、息をのんだ。



至って冷静を装って、スタッフルームへ駆け込むと、
今あった出来事の一部始終を仲間に話した。

そこに居た仲間達も、ソレを聞いて、ショックで、言葉も出なかったそうです。

それから、仲間たちも何人か"その人"を目撃してしまい、

夜間のシフトを外して貰ったり、辞めた仲間もいたそうです。

怖がりのKちゃんも、勿論、夜間のシフトを外して貰ったそうです。

Kちゃんが見た男性は数年前に、そのホテルで飛び降りてしまったある有名人だそうです。