その夜は、敬さんと、赤ちゃんと、3人で就寝。
赤ちゃんがグズりだして、夜中に起きた。
夜泣きもしないいい子だが、それでも、夜中に一度は起こされる。
オムツを替えて、ミルクをあげて!
これで、安心して寝れる。
おそらくこれで、朝までぐっすり寝てくれるだろう…。
敬さんは、久しぶりにお酒を飲んだせいで、寝返りもうたないほど、深い眠りの中だ。
トイレ…。
この屋敷のトイレは苦手だ。
昔ならではの造りの屋敷なので、トイレは家の一番外れだ…。
昔ならではの住まいは、トイレは不浄のものとして、家の外にあったり、離れにあったりする。
この家は、離れ…というほどでもないが、建物の一番隅…、皆が休む部屋からは離れている。
春だというのに、寒い…。
トイレを済ませて部屋に戻った…つもりだった…。
あれ?💦
なんと、はじめて泊まった時の、あの怖い思いをした部屋の前に来ていた。
…寝ぼけてるのかな?💦
いくら大きな家とは言え、家の中で迷うとは💦💦
戻らないと💦
…と、思ったが、
なぜか、あの日に泊まった部屋が気になった。
時間帯も、あの怖い思いをした時間帯だ…。
暗闇の中、そっと例の部屋の扉に手を掛けた。