旅館30

2023-11-30 10:20:56 | 日記
「何があったの?」

仕事が終わっての夕方に、幹太は徹弥たちに囲まれていた。

「幹太、大丈夫か?」

「え?何が?」

「さっき、物置小屋に倒れていただろ」

「物置小屋?俺が?」

「うん。休憩時間に一人で。梨花が『幹太が物置小屋から帰って来ない!』慌てて知らせてくれたんだよ」

「何言ってるかわからないよ」

「え?覚えてないの?」

「オレは真面目に仕事してたよ」

「……。」

皆、黙ってしまった。

「あ、今日は兄貴と出かけるんだ。じゃな!」

一足先に帰った幹太を見送った3人は、顔を見合わせた。