G.G.の徒然山遊録

岐阜各務原市周辺の低山の山行記録、折々の雑感、書評などの雑文を記し、山に関する情報を提供します。

山での口福

2016-12-20 | エッセイ

最近、登山の新しい喜びを見付けました。それは昼食の時です。
従来の昼食はコンビニの握り飯でしたが、歳のせいか、はたまた日頃、美味なるものに慣れ親しんでいるせいか、冷たい握り飯は侘びしく、味気なく、ただエネルギーチャージのため仕方なしに食っている有様でした。ストーブを持参し湯を沸かし熱々のインスタントラーメを試みたこともありましたが矢張り満たされた気分になりませんでした。
 思い付いて、握り飯をコンビニの幕の内弁当に変えたところ、吃驚する程の旨さです。
コンビニで売っている400~500円位の幕の内弁当ですが冷たくても気になりません。
山ではご馳走に変身し、何時でも気持ちよく完食です。

 好天時ならば、数時間のアルバイトで山の頂きに着き、旨い空気のもと、良い景色をながめながら、気心の知れた山仲間と一緒に、空きっ腹で、まったりとご馳走を頂くのは将に至福の時です。口福の時です。
 登山には人、夫々の喜びがあるでしょう。今の私の場合は、最高の喜びは、昼食です。
山で美味しく、ご飯を頂くためには、山に登る体力・気力と、食事を旨く食べられる丈夫な胃袋と、喜びを喜びとして感じる感受性と、登山する暇と、なにがしかのお金が必要です。
 これだけの条件を満たしている人、特に後期高齢者は将に果報者です。ご先祖、家族、山友、登山道の整備者、山の神様等に感謝しなければ罰が当たります。

 


スマホGPS「ジオグラフィカ」vs eTrex Vistaの比較

2016-12-18 | 登山関連情報

はじめに:
最近、鈴鹿の入道ヶ岳に登りジオグラフィカ(フリーソフト、スマホは富士通のM03)と筆者が長年愛用しているGPS専用機「eTrex Vista」(Garmin製)の総合的な比較を行ったので報告する。
なお、今回の比較では、地図画面上での目標点現在位置、歩いてきた軌跡、及び現在位置の緯度、経度、高度のデジタル表示などに付いてのみ評価した。
(注記)これらの機能以外にルートナビ(前もってルートを設定しておき、現地でルートをガイダンスする)機能もあるが今回は試していない。 

1.トラック図及びトラックデータのディスプレイ:
何れの場合でも、地図画面上に目標点(ウエイポイント、WPと略す)、現在位置と歩いてきた軌跡(トラックと呼ぶ)、及び上部の窓には現在位置の緯度、経度、高度がデジタル表示される。 

(1)ジオグラフィカのディスプレイ:
トラック図及びトラックデータの集計表を下図に示す。
ディスプレイは5インチで太陽光の下でも鮮明で視認性は良好である。実用上、問題はなかった。
下図では現在位置が筆者宅であるので地図画面には表示されていないが、上部の窓には筆者宅の緯度、経度、高度が表示されている。
(注記)サイズは略、実物に近い。

(2) eTrex Vistaのディスプレイ:
トラック図とトラックデータ(Trip compと呼ばれる)を下図に示す。
スマホに比べると画面サイズが小さいので視認性が悪い点を別にすれば、筆者が長年、使用してきて実用上問題は無かった。
(注記)サイズは略、実物に近い。

 2.ウエイポイント(WP、目標点)の設定:
山行に先立って、何の設定もしなければ、周辺の地図と現在位置は表示されるが、進むべきWPが表示されていないのでナビゲーターとしては使い難い。
そこで、最小限、WP(或いはマーカー)を事前に設定しておく必要がある。

(1)  ジオグラフィカの場合
地図をスクロールしWPを画面の中心に移動し、「マーカー追加」ボタンを押すだけでよい。

(2)  eTrex Vista の場合:
パソコンでカシミール3Dを起動し、パソコンの地図上でWPを作成し、それをGPS専用機へアップロードする必要がある。

3.パソコンへのデータ転送、トラック図の描画: 

(1)ジオグラフィカのトラック図:
GPX(GPSのデータフォマット)データをGooglドライブでパソコンへエキスポートし、ダウンロードするとカシミール3Dが自動的に起動しトラック図が表示される。
実際の登山道はジグザグの個所が多いが図形は滑らかである。これは記録時間間隔が約80秒と長いため、左右の小さな動きが円滑化されるからであろう。

(2)eTrex Vista のトラック図:
カシミール3Dを起動し、GPSをパソコンにUSB接続し、GPSからダウンロードするとトラックが描かれる。
ジオグラフィカの場合と比べるとトラックが稍々ギザギザしているのが分かる。
これは記録時間間隔が20秒で、ジオグラフィカの1/4と短いために左右の動きがより忠実に記録されるためであろう。

4.コストパフォーマンス:
スマホGPSのアップリはフリーソフトで使用は無料である。
一方、GPS専用機は機種により数万円~10万円位で、可成り高価である。
従って、スマホ所有者ならば、GPS専用機はスマホGPSのライバルになり得ない。 

5.諸性能、特性の比較:
優劣の評価はコストが全てではないので、念のため、ナビゲーターとしての諸性能・特性を比較してみたが、下記の如くスマホGPSはGPS専用機に勝るとも、劣るものではないことが分かった。 

(1) ディスプレイの見易さ:
大画面、鮮明度、視認性などではスマホが圧倒的に優れている。

(2) WPの設定のし易さ:
ジオグラフィカは地図をスクロールし「マーカー追加」ボタンを押すだけでよい。
eTrex Vista の場合はパソコンでカシミール3DによりWPを作成し、アップロードする必要がありハードルは高い。

(3) パソコンへのデータ転送、トラック図の描画精度:
データの転送方法が異なるだけで、何れもカシミール3Dを必要とし、トラック図の出来栄えに差異はない。

(4) 使用時間:
最近のスマホは電池が進化し、3日位持つので、両者に実用的な差異はないようである。

(5) 物理的特性:
eTrex Vista はスマホに比べ、小型、堅牢であるのがメリットかも知れないが決定的な差ではない。小型であることは携帯性は良いがディスプレイが小さく視認性で劣り、堅牢性ではスマホも改善され実用上問題がないレベルに達している。防塵性、防水性も両者、大きな差異はないようである。   

6.まとめ:
今回の限られた、基本的な使用に関する限り、GPS専用機よりも断然スマホGPSの方が優れていると言える。但し、最終的な優劣は今後、種々の使用場面・環境、スマホの機種やOSの相違等を勘案して、精度、操作性、信頼性などの評価を俟たねばならないのは勿論である。
(追伸)
ジオグラフィカに付いて詳しく知りたい方は http://geographica.biz/tmp/gps_and_map.pdf をご参照下さい。

 

 


入道ヶ岳(906m) ~スマホGPSナビ「ジオグラフィカ」を試す~

2016-12-14 | 山行

 山行年月日:2016年12月11日(日)、晴、寒し
参加者:G.G.他6名
アクセス:各務原7:00→(高速)→鈴鹿IC→椿大神社P 8:30/距離(片道):85km
歩行距離:約8:4km/所要時間:5:10(昼食、休憩、拝観を含む)
コースタイム:
P 8:45→8:50登山口→10:30 避難小屋→11:30入道ヶ岳、昼食12:10→13:30椿大神社、
椿岸神社参拝13:45→13:55 P

GPSトラック
駅駐車場(P)から反時計回りに北尾根コースから二本松コースへと周回した。
因みに、本トラック図はスマホGPSナビ“ジオグラフィカ”で記録し、カシミール3Dに展開した。

                      (1目盛:約300m) 

GPSトラック標高図:
通報ポイント3~4の間(高度400m~500m)がロープや木に縋る急登でハードであった。
北の頭の標高は610m で入道ヶ岳より4m だけ高い。

 
山行リポート:
■椿大神社から一番遠い、P3が登山者専用の駐車場である。シーズオフのためか、広い駐車場には10台位しが駐車していなかった。
大神宮前を通り過ぎると直に愛宕社の鳥居が立っていて、ここが登山口である。階段と並行して左側が登山道になっている。植林された椿林の中を登ってゆく。
 
■通報ポイント3~4の間が急登でロープや木を掴んで攀じ登る。北尾根コースで最大の難所であろう。
途中、木々がすっかり葉を落とし初冬らしい明るい雰囲気を漂わせる雑木林が印象的であった。
立派な標識が当山が人気のコースであるのを物語っているようである。

■高度を増してゆくとアセビの群落が生い茂り登山道は長~いトンネル状になっている。
花が咲く、4月頃にどんな光景が見られるか訪れたいものである。

■最高峰の北の頭は好展望台である。嘗て歩いた水谷岳から鎌ヶ岳への鎌尾根が笹原とアセビ林を前景に迫力ある雄姿を見せている。

■鎌ヶ岳の奥には御在所山、又その奥には釈迦ケ岳、右手前には指呼の間に雲母峰が望める。
スケールの大きな景色である。

■東に眼を転ずれば、眼下に伊勢湾が広がっていて、快晴ならばさぞや素晴らしい景色であろうが、それでも気宇壮大で爽快な気分である。

■入道ヶ岳山頂は寒風が吹き渡り、名の通り坊主で風を遮る樹木がないので寒い。鳥居には氷片がへばり付いていた。記念撮影は寒さを吹き飛ばすべく元気良く万歳する。

風下に移動し、ススキの陰で風を避けながら防寒着を着込んで昼食にする。眼下に絶景を眺めながら、腹を空かしての昼食の旨いこと!将に登山の至福の時である。この口福だけでも登山の価値はある。
■40分ほど、至福の時を楽しんだ後、1時間半ほどノンストップで下山し椿大神社へ参拝する。
私にはこれが本年最後の山行であり、一年の安全を感謝すると共に、来るべき年も良い年でありますよう祈願し頭を垂れた。一年最後の山行のフィナーレに大神社に参拝できるとは絶妙なタイミングである。

■椿大神社に隣接する椿岸神社へも立ち寄り参拝した。朱塗りお可愛らしいお宮さんである。猿田彦大神の妻神「天之細女命」が主祭神で、芸道の祖神、夫婦円満の神、縁結びの神と知られている。
因みに、寄進札板には著名な芸能人の名が散見された。


椿岸神社から10分程で駐車場に全員無事に帰着する。 

雑感:
2時間半で比較的簡単に登れる山であるが、頂上からの景色は一級品である。
往路の北尾根コースは一部激登があり、天然記念物のアセビの大群生があったりで変化に富み面白い。それに引き換え、二本松コースは単調で面白みに欠けるようである。
■アセビ林はスケールが大きく、4月下旬の開花時に是非とも訪れて景観を見たいものである。
■今回の山行で始めて、スマホGPSナビ「ジオグラフィカ」でトラックを記録し、Garmin社のGPS専用機
「eTrex Vista」の記録とを比較してみた。
その結果、スマホGPSの性能は実用上、全く問題が無いことが確認出来た。特に、山行中の現在位置、トラックの視認性ではスマホGPSが圧倒的に優れていて、最早GPS専用機の出番は無さそうである。

 


呉枯ノ峰(532m)~菅山寺~意富布良神社探訪 ~落ち葉降り敷く道を辿り、古寺、古戦場、古社を巡る~

2016-12-06 | 山行

山行年月日:2016年12月3日(土)、無風快晴、小春日和
参加者:G.G他6名
アクセス:各務原7:308:55木ノ本駅駐車場P/走行距離:約90km(片道)
歩行距離:約11.7km/所要時間:5:55(昼食、休憩、鑑賞を含む)
コースタイム:
P 9:10→9:35登山口→10:45呉枯丿峰11:00→11:45菅山寺、昼食12:20→12:40天満宮→
13:25田上山分岐→14:10田上山城跡→14:45意富布良神社14:55→15:05

GPSトラック:
往路は木ノ本駅駐車場から反時計回りに周回した。

                        (1目盛:約600m)

GPSトラック標高図:
■登山口から尾根までが約15°の傾斜で汗を掻いたが、それ以降は尾根伝いの緩傾斜の遊歩道風。

(クリックで拡大) 

山行リポート:
木ノ本駅駐車場(無料)から木之本地蔵院の脇、伊香高等学校のグランド脇を進んで行くと「三ツ頭」登山口と書かれた看板が立つ所に着く。ここが呉枯丿峰への登山口。
■落ち葉が降り積った山道をひと登りしてから、尾根道を行くと一等三角点のある呉枯丿峰に着く。
一等三角点標識がある以外は小さな標識があるだけの展望も何もない頂きである。

菅山寺への分岐点には分かり易い案内図の看板が立っている。
看板に依れば、764年の創建で、菅原道真が幼少の頃、本寺で勉学し、後年、再興した由緒ある古刹だそうである。

■下図から分かるように山中の寺院としては鯉が泳ぐ池(朱雀池)も構えた予想以上の規模である。
菅山寺境内には数多くのお堂などがあるものの、無住で、人里から離れているせいか損傷がひどく、痛々しいが、見ものは樹齢1200年余の大欅を左右に配した山門である。
 
■路傍には歴代住職の墓石や、幾つかの石仏が安置されていた。
 
 
■山門の左右には樹齢1200余年で、道真公お手植えと伝えられる欅の大樹は威風堂々とし、本寺の歴史を物語っているようである。
なお、本写真は山門の裏側から撮ったものであり、表側のそれよりも迫力がある。

■大欅をバックに記念写真を摂る。良い思い出になる印象的な一枚であると自負している。

■多くのお堂のうち良く保存されているのは護摩堂と本堂(但し、入り口上の庇は崩壊、喪失している)で、往時の繁栄の名残りを留めているように思う。

菅山寺を後にして、田上山城跡に差し掛る。賤ヶ岳合戦の折に、秀吉の異母弟、秀長が1万5千人の軍勢を率いて布陣した跡である。一見、落ち葉が降り積った公園風で、地形は殆どフラットであり血腥い城塞という厳しさは感じない。
  

今日最後の史跡、意冨布良(おほふら)神社に立ち寄る。創建は飛鳥時代と言われる。
1182年には、木曽義仲が上洛途上に立ち寄り祈願をしたそうである。また、賤ヶ岳の合戦で焼失したが、豊臣秀頼が再建し現在に至る長い歴史を誇る神社である。
 
■神社の境内には紅葉が沢山あり、最後の艶やかさを競っているようであった。
 雑感:
本コースは遊歩道風で山歩きとしては、呉枯丿峰に一等三角点がある位で物足りないが、枯れ葉が降り積った道をカサカサと音を立てながら歩くのも乙なものである。
■菅山寺はお堂などは荒廃しているが嘗ての栄華の面影は偲ばれる。今、保存・保護工事を施さないと貴重な文化財が消失しないか危惧される。
菅山寺の樹齢1200年余の大欅と山門の景色は稀有であり、一度見たら忘れられない。一見の価値があり、多くの人に見て頂きたいと思う。
■スマホGPSナビ「ジオグラフィカ」を試用したが、地図画面は大きく、綺麗で 予め記録したマーカー(ウエイポイント)を確認するだけでナビは完璧であった。

 


スマホの功罪~山好きの後期高齢者の場合

2016-12-03 | エッセイ

9月22日に格安スマホ(下の写真参照)を入手し2ヶ月が過ぎたのを機に、山好きの後期高齢者の私から見たスマホ使用の功罪(メリットとデメリット)を思いつくままに記してみた。

(Fujitsu Android arrows M 03)

1.スマホ使用のメリット:
私の場合、電話以外では、天気情報(単なる予報でない)、カメラ、ラジオ、ニュース閲覧、電卓、カレンダー、カーナビ、登山用ナビ、雑学辞書(諸々の情報源)などで大活躍である。その主たる理由は殆どのソフト使用料が無料で、検索入力がキーボード(正確にはソフトウエアキーボード)でなく、進化が著しい音声入力で事足り検索がいとも簡単にできるからである。
以下に私が特に便利と思う機能などを示す。

■雑学辞典:
疑問点、興味を覚えた事項、関心事などを直ちに明確化することで知的好奇心が大いに満たされる。
例えば、最近、報恩講の法話で親鸞上人の遺言を聞き噛り、帰宅後に即、確認した。
「一人居て喜ばは二人と思うべし、二人居て喜ばは三人と思うべし、その一人は親鸞なり」。
余談だが、味わい深い言葉で、心が折れそうな時など、人生の道標の一つになろう。
■カーナビ:
マイカーのナビはバージョンが古く、最近できた道路は表示されず、時々、不便を感ずるが、スマホのカーナビでは道路情報は最新バージョンで、音声ガイドも分かりやすく十分、実用に供し得る。
■登山用ナビゲーター:
使い勝手、性能などの面で、高価な登山用のGPS専用機(Garmin社製など)と比べて、勝る点はあっても劣る所はないアプリがある。専用器に比べ、スマホサイズが大きいのが欠点と言えるが、反面、画面が大きい分、見易いので利点とも言える。
■天気情報:
安全登山には荒天を避けるのが重要である。このため、単なる天気予報だけでなく、事前及び現地での、天気図の動き、雨雲の動き、風速変化などの予測データが有用である。
■オンラインストレージ:
オンラインストレージ(クラウドサービス、Google Driveなど)を利用してファイルのバックアップ、スマホとパソコン間(一般的には端末の種類は問わない)でファイルの共有、転送などが出来、大変、便利である。
■認知症の予防:
スマホ使用の直接的なメリットではないが、種々のアプリケーションソフトを使いこなすには、それなりの知的作業が必要でありこの点で認知症の予防に資する事を確信している。

2.スマホ使用のデメリット:
スマホ依存症:
安価(格安スマホで、フリーソフト使用の場合)、多機能で使い勝手が良く、あたかも優秀な助手或いは秘書が常時、付き添っているようで、知りたい情報が直ちに入手でき大変に便利である。この結果、スマホに頼り過ぎ、書物を読んだり、自分の頭で考える力が著しく低減する「スマホ依存症」の恐れがある。
■情報発信が不便:
殆どの場合、情報検索は音声入力でできるが、情報発信ではキーボードの使用が不可欠である。SMS、ツイターなどの短文の発信は問題ないが、ブログのような長文を小画面を見ながら、キーボードでフリック入力或いはトグル入力により編集するのは不可能と思う。
多量の情報発信にはパソコンが圧倒的に便利であると思う。

3.総括:
上記で述べたようなデメリットはあるが、オールマイティーで、拡張性が大きく、大変便利な情報機器であることは間違いない。
各人の好み、趣味に応じたアプリをインストールし使用すれば、後期高齢者でも、それなりにスマホライフをエンジョイできるよう。